巨乳魔女
『巨乳魔女』(きょにゅうまじょ)は、2010年9月24日にWaffleから発売されたアダルトゲームである。本作は、現代(21世紀)を舞台に、魔女と契約した少年がその家の秘密に迫る内容である。 2011年4月14日にはアイチェリーからDVDPG版が発売された[1]。 ストーリー辺出トモルは両親の過去の因縁から、学校へ行かずに大富豪・天摩家の屋敷で働くことになった。ある夜彼は魔女から契約を持ちかけられたが、魔女の正体が天摩家の次女・聖詩流であることを見抜く。3日経ったら死ぬはずが生き残った彼は、聖詩流とともに聖堂学園へ通うことになり、1年D組に編入する。やがてトモルは、天摩家にまつわる様々な謎や秘密に関わっていく[3]。 登場人物主人公
ヒロイン
サブキャラクター
制作鏡は前作『1』に続く『2』の企画を考えていたが、別の物をという依頼を受け、『1』の世界観を一部引き継ぎつつも[3]現代(21世紀)の日本を作品の舞台とした[2]。『魔女』のシナリオの原型は過去にお蔵入りしていたライトノベル向けのプロットで[2]、「人間論」や「ミステリー」がメインの作品となっている[3]。また登場人物に、ユーザーに向けた「幸せになるためのメッセージ」を込めているという[3]。 『1』に引き続きQ-Gakuがキャラクターデザイン・原画を担当したほか[3][2]、只野あきらもキャラクターデザイナーとして参加している[6]。作品舞台が現代のため今風のデザインを意識して、『1』と比べてキャラクターの身長を高くし、顔もシャープにしている[2]。また、さくやついたちが背景原画で参加している。 登場人物の設定やデザインの経緯はGame-Styleとのインタビュー記事の中で明らかにされており、鏡は登場人物のキャラクター像にはモデルはいないとしながらも、女性キャラクターの胸の形にはモデルがいることを明らかにしている[7]。 鏡は主人公・トモルの設定に苦労したとインタビューの中で述べており、「『魔女』は現代という資本主義の世界を舞台としているため、『1』の主人公であるリュートのようなキャラクターでは失礼な使用人になってしまう一方、単に礼儀正しいだけのキャラクターでは卑屈に見えてしまうため、『プレイしていて楽しい使用人キャラクター』を目指したバランス調整が難しかった」と振り返っている[8]。 メインヒロインにして「高貴な人間としてのお嬢様」である聖詩流は、「高貴さを求める環境に生まれ育ったがゆえに上から目線になるものの、自らを誇示したり相手を貶めるようなことはしない」という設定であり、胸の形はページ・スリー・ガールのタラ・オコナーを基にしている[7]。聖詩流のデザインを担当したQ-GakuはGame-Styleに寄せたコメントの中で、「設定を読んだ時にイメージが浮かんだためデザインには苦労しなかった一方、おっぱいの微妙なラインを描くのに苦労した」と振り返っている[6]。 前作では豪快な性格のグラディスに人気が集まったことから、聖詩流の姉である優里亜の設定は、お姫様というよりは王侯のような豪快な人物として描かれた[7]。優里亜の胸の形はロシアのヌードモデルユーリア・ノーバと、プレイメイトのシンシア・マイヤーズを基にしており、陥没乳頭という設定は「陥没乳頭のキャラクターの導入が決定した際、聖詩流が陥没乳頭キャラになると前作とかぶるため」という理由でつけられた[7]。優里亜のデザインもQ-Gakuが担当しており、「聖詩流と同じく、設定からイメージがしやすかったものの、男らしさとりりしさの両立に苦労した」とGame-Styleに寄せたコメントの中で振り返っている[6]。 静女は爆乳キャラとして設定され、胸の形はカリーナ・ハートと、ページ・スリー・ガールのイガ・ヴィルヴァウを基にしている[7]。静女のデザインを手がけた只野あきらは、「前作のルセリアと方向性が似ているため、ルセリアと印象がかぶらないようにするのに苦労した。『胸だけが露出している正統派のメイド服を着ている』という設定を読んで、『おっぱいが大きすぎた結果、胸元の肌が露出してしまった』というデザインにした」とGame-Styleに寄せたコメントの中で振り返っている[6]。 豊絵は「豊満なバストを持ち、母乳が出る」という設定であり、胸の形はプレイメイトのパトリシア・ファリネリを基にしている[7]。豊絵は「シスターゆえに禁欲的な生活を送っているが、勝手にフェロモンが出てしまう」というイメージでデザインされており、デザインを担当した只野は「ふわふわした感じを目指したが、幼くならないようにするのに苦労した」とGame-Styleに寄せたコメントの中で振り返っている[6]。 『魔女』のシナリオではコーヒーがたびたび登場するが、これは鏡が池袋の皇琲亭という喫茶店の全種類・全メニューを制覇したという経験が基になっている[8]。 『魔女』の字コンテは『1』のノベライズと、『魔女』のシナリオ執筆は『非実在青少年論〜オタクと資本主義〜』の執筆・校正と並行して行われたため、締め切り前の最後の10日間の時点で体調を崩しがちになったと鏡はインタビューの中で振り返っており、没になったシーンが255KB[注釈 1]もあることを明かしている[8]。 反響Game-Style上のユーザーレビューのうち、4.5%が「期待を遥かに上回る作品だった」と答え、「期待を上回る作品だった」と「期待通りの作品で満足できた」と「期待通りだったが物足りなさを感じた」と答えたユーザーの割合は同率で27.3%だった[9]。ユーザーからは「『巨乳ファンタジー』と同一の世界観で舞台を現代に移していたが、ファンタジーとの整合性が上手く取られていたため違和感なくプレイすることができた」という高評価も寄せられた一方、シナリオの物足りなさを指摘する声もあり、賛否両論の意見が集まっている[9]。 また、ゲーム販売サイト「Getchu.com」が集計したPCゲームセールスランキングの結果によれば、『魔女』は発売月である2010年9月に第8位でランクインを果たしている[10]。しかしながら、2010年の年間を通したランキングでは50位圏外に終わった[11]。なお、美少女ゲーム誌『BugBug』で行われた読者投票企画「2010年 読者が選ぶ美少女ゲーム年間ランキング」では、『魔女』が総合部門の第32位を獲得しており、そのほかにはエッチ部門で第7位に位置している[12]。 関連商品コミカライズノベライズ
脚注注釈出典
外部リンク |