山形由美

山形由美 Yumi Yamagata
出身地 日本の旗 日本 東京都[1]
ジャンル クラシック
担当楽器 フルート
活動期間 1986年 -
レーベル イマジンベストコレクション
事務所
  • コンサートイマジン(所属)
  • ムジカキアラ(マネジメント)
公式サイト 山形由美オフィシャルサイト

山形由美(やまがた ゆみ、1962年昭和37年〉5月17日 - )は、日本フルート奏者。尚美学園大学客員教授、フルートサロン「メゾン・デュ・リエール」主宰。東京都出身[1]

来歴

英文学者山形和美の長女として東京に生まれ、幼少期より音感教育、ピアノクラシック・バレエを習う[1]。14歳のクリスマスの夜に出会った音色に強く惹かれたことが後に由美がフルート奏者として活躍する切っ掛けとなった[1]

立教女学院中学校・高等学校在学中にフルートを始め、野口博司、小泉剛に師事した[1]東京藝術大学音楽学部器楽科でフルートを専攻し、同大学を卒業した後に渡英している[1]。由美はサー・ジェームズ・ゴールウェイの数少ない弟子のひとりであり、1986年(昭和61年)のデビュー以来、演奏活動と並行してマスコミ活動を行ったことがあった(テレビ番組のレギュラー出演期間は、1987年〈昭和62年〉10月から1991年〈平成3年〉3月20日まで。詳細は後述)。

1992年平成4年)に再渡欧し、修行や海外での演奏経験などを積んで帰国した[1]1995年(平成7年)5月に開催した「神戸クラシックエイド」(指揮ロリン・マゼール、共演楽団:ピッツバーグ交響楽団)には3,000人の聴衆を魅了し、翌1996年(平成8年)にデビュー10周年を迎えた[1]。由美は同年に全国ツアー(リサイタル・ツアー)を17ヵ所で開催している[1]

1997年(平成9年)に開催したオールバロック・プログラムによるリサイタルで音楽へのより深い取り組みによって新境地を開き、2001年(平成13年)にデビュー15周年を迎えた[1]。同年に記念エッセイ集『フルート、天使の歌』(時事通信社)を発表し、2002年(平成14年)はイギリスでリサイタルを開催した[1]

2005年(平成17年)11月に自身初のセルフ・プロデュース作品「Luce 〜ヴェネツィアの光と夢〜」をリリースしたが、同作はこれまでの演奏活動やCD制作で得た経験を活かしたものであり、イタリアヴェネツィア合奏団との共演で録音されたものである[1]。なお、同CDは後にイタリアのレコードレーベル、リヴォアルトからもリリースされた[1]。由美は同年7月、西オーストラリア州からワイン親善大使に任命されたが、この時にオーストラリアに行ったことがないことを明かしている[2]

2006年(平成18年)はデビュー20周年の年となったが、同年にヴェネツィア合奏団とデビュー20周年ツアーを日本・イタリアの両国で開催している[1]2007年(平成19年)はヴェネツィア室内合奏団のリーダー、パオロ・コニョラート(チェンバロ)とダヴィデ・アマーディオ(チェロ)とのトリオツアーを開催し、2008年(平成20年)にキングレコードから発売した各作品がデジタルリマスターによって復刻発売された[1]

2009年(平成21年)はヴェネツィアアーティストとのトリオツアーを再び開催したほか、イマジン七夕コンサートでは通算4回目となる総合司会を務めた[1]。由美は同年6月1日に「とちぎ未来大使・那須高原そよかぜの調べ広報官」の任命(委嘱)を受けている[注 1][4]2010年(平成22年)はリサイタルと並行してブーニンガラコンサートなど、様々なコラボレーションに挑戦した[1]

2011年(平成23年)はデビュー25周年の年となったが、同年はセルフプロデュース作品の第2弾となる「Anthology 〜愛のアンソロジー〜」を2月14日バレンタインデー)にリリースし、3月14日ホワイトデー)に自身初の楽譜集をアルソ出版より発表している[1]

デビュー30周年を迎えた2016年(平成28年)9月にセルフプロデュース作品の第3弾、「Eternally 〜永遠のジゼル〜」をリリースした[1]。同作はバレエ舞踏音楽とフルートの魅力が融合した作品であり、その音楽性が高い評価を受け、レコード芸術特選盤に選定された[1]。これを記念して日本とパリで記念ツアーを開催し、大成功を収めている[1]

2018年(平成30年)は「大人のためのトーク&コンサート」として『由美の部屋』を同年11月23日サントリーホールで初開催した[部屋 1]。初回の出演者は由美と干場義雅(トーク)と芦川真理子(ピアノ)の3人であった[部屋 1]。なお、『由美の部屋』は以降も不定期に開催している(詳細は後述)。

2019年(平成31年・令和元年)に「The Trio」を結成する[1]。メンバーは由美、ピアノの菅野潤、三味線五代目常磐津文字兵衛の3人であり、同年にヨーロッパデビューを果たした[1]。リサイタルはバルセロナパリザルツブルクの各都市で開催し、和と洋のコラボレーションによる斬新な取り組みが大きな話題を呼んだ[1]。なお、由美の父、和美は同年5月21日肺炎で死去した[5]。由美は同年12月27日に父との思い出をつづった文章として「特別寄稿 〜追悼 父、山形和美を語る 〜」を寄稿している[6]

現在はフルート奏者の活動と並行して、ワインに関連する活動(西オーストラリア州ワイン親善大使など)[7]栃木県にある那須高原の広報大使(「とちぎ未来大使・那須高原そよかぜの調べ広報官」のこと)および家庭画報世界文化社)の「ビューティアンバサダー」の活動も行っている[8]

作品

CD

CD作品は下記のとおり。2005年以降の作品はセルフ・プロデュースとして発売したものである[9]

発売年 作品名 レコード会社
1986年 エレガンス キングレコード
ネオ・クラシック
1987年 ウィンド・フォー・マインド
1988年 ミストラル
1989年 クリスタル・エアー
1990年 ローザ・ロッサ
1991年 ウインズ
2000年 穏やかな瞬間ーときー
2000年 グランチェスターの夕暮れ
2005年 Luce 〜ヴェネツィアの光と夢〜 イマジンベストコレクション
2011年 Anthology 〜愛のアンソロジー〜
2016年 Eternally 〜永遠のジゼル〜
2022年 愛のディアローグ ~エディット・ピアフを讃えて~ ラッツパック・レコード
2024年 ジャポニスム 〜宵待草ファンタジー〜 ティートックレコーズ

楽譜集

2011年に自身初の楽譜集が発売された[1][10]。楽譜集は演奏インタビューフォトライブラリーなどをまとめた作品のことである[10]

発売年 作品名 レコード会社
2011年 Anthology〜愛のアンソロジー〜 山形由美 オフィシャル・スコアブック アルソ出版

由美の部屋

2018年(平成30年)に「大人のためのトーク&コンサート」としてサントリーホールで第1回を開催した後、不定期に開催しているトーク&コンサートであり、正式名称は『山形由美プレゼンツ 大人のためのトーク&コンサート 由美の部屋 〜旅するフルート〜』である。開催履歴は下表を参照。

『山形由美プレゼンツ 大人のためのトーク&コンサート 由美の部屋 〜旅するフルート〜』 開催履歴
開催日 会場 出演 トーク 出典
1 2018年11月23日 サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 山形由美、干場義雅、芦川真理子 干場義雅 [部屋 1]
2 2019年11月29日 山形由美、池田理代子、長久真実子、高群輝夫 池田理代子 [部屋 2]
3 2021年07月22日 山形由美、荘村清志 - [部屋 3]
4 2022年10月29日 山形由美、榎本潤、小林洋二郎、上田美江子 上田美江子 [部屋 4]

出演

テレビ

エンディング曲(週替わり?)のフルート演奏者として出演。スタジオフジテレビ第3スタジオ[注 2])でフルート演奏をする時だけ出演することが多かったが、1988年3月13日に放送した「出発進行!走るスタジオ列車」はジョイフルトレインスーパーエクスプレスレインボー」の車内(当番組収録のため貸切運行)で収録を行ったため、本編にも出演している。同回のフルート演奏は同ジョイフルトレインのパノラマグリーンカーにある展望室で撮影が行われた[注 3]
紅組チームの3枠レギュラー解答者(3代目)として同番組の末期(最終回まで)に出演した。
ほか

単発出演の例として、2014年1月24日に放送した「爆報! THE フライデー」(TBSテレビ)に「NHK『連想ゲーム』で活躍したお嬢様フルート奏者Yは今…」という題で山形の今を追う企画が放送された[11][12]。同番組では那須高原での週末の田舎暮らしを放送し[11][12]、(那須高原にある)自宅の様子や手料理をふるう様子も放送した[11]。なお、山形の出演シーンは2018年9月28日に放送した2時間スペシャルで再放送している[11][13][14][15]

ラジオ

CM

ほか

(CM出演の出典:[1]

その他の活動・任命等

  • 尚美学園大学客員教授
  • 日本フルート協会会員
  • シャンソン研究会会員
  • 日本学生音楽コンクール審査員(2018年)
  • 那須ジュニアクラシックコンクールプロデューサー、審査員長(2019年) - 2020年も審査員として参加[16]
  • レクチャーコンサート、市民大学等講演会講師
  • 山形由美フルートサロン「メゾン・デュ・リエール」主宰
  • 西オーストラリア州ワイン大使[2]
  • コマンドリー・ド・ボルドー コマンドゥール[17]
  • ワイン愛好会「メルルの会」
  • 家庭画報 ビューティーアンバサダー[8]
  • マドモアゼル・ドゥ・パルファム[要出典]
  • 栃木県「とちぎ未来大使・那須高原そよかぜの調べ広報官」[4]

著書

  • 誠書房「新しい女性 磯村尚徳対談集」(対談)、1989年(ISBN 978-4-8756-4714-0
  • 時事通信社「フルート、天使の歌」、2001年(ISBN 978-4-7887-0173-1

脚注

注釈

  1. ^ ジャズサクソフォーン奏者ジャズミュージシャン作曲家渡辺貞夫栃木県宇都宮市出身[3])も、同日に「とちぎ未来大使」の任命(委嘱)を受けている[4]
  2. ^ 同番組の司会を務めた近藤正臣が持っていたフリップボード(放送テーマを紹介するもの)にその記述があった。
  3. ^ 山形は同番組内で過去にイギリスに住んだことがあったことを種村直樹に明かし、イギリスの鉄道事情を語っている(種村の講演「得するキップ」の後に、このシーンがある。イギリスの滞在歴は来歴を参照)。

出典

本文

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z プロフィール”. 山形由美オフィシャルサイト「Via Arietta」. ユミットクラブ. 2024年9月21日閲覧。
  2. ^ a b 山形由美 (2005年7月25日). “小さな架け橋になれれば…”. ユミットクラブ. 2008年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  3. ^ バイオグラフィー(渡辺貞夫)”. 渡辺貞夫オフィシャルサイト. エムアンドエムスタジオ. 2024年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  4. ^ a b c とちぎ未来大使 名簿(文化人:2024年7月8日現在)” (PDF). 栃木県 (2024年7月8日). 2024年9月21日閲覧。
  5. ^ 筑波大名誉教授の山形和美氏死去、85歳」『時事通信社』2019年8月1日。オリジナルの2019年8月1日時点におけるアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  6. ^ 山形由美 (2019年12月26日). “特別寄稿 〜追悼 父、山形和美を語る 〜”. 山形由美オフィシャルサイト「Via Arietta」. 2019年を振り返って 〜父への追悼〜. ユミットクラブ. 2023年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  7. ^ 山形由美 (2009年7月2日). “再会 〜ワイン番組に出演して〜”. 山形由美オフィシャルサイト「Via Arietta」. ユミットクラブ. 2024年9月21日閲覧。 “辰巳琢郎浅井慎平との再会を記した記事である。辰巳は『連想ゲーム』の白組チーム3枠で出演し、山形と共演した。浅井は同時期に放送した『象印クイズ ヒントでピント』(テレビ朝日)の男性軍キャプテン(4代目:就任期間は1984年10月14日 - 1994年9月25日)を務めたが、藤田弓子(『連想ゲーム』の紅組キャプテン〈6代目〉)から句会の誘いを受け、それに山形が参加した時に浅井と会っている。”
  8. ^ a b 贅を極めた「SENSAI」のローションとエマルジョン。山形由美さんがお試し”. 家庭画報. 世界文化社 (2024年2月5日). 2024年9月21日閲覧。 “(『家庭画報』での活動例)”
  9. ^ フルート奏者・山形由美セルフ・プロデュース・アルバム特集”. ラッツ・パック・レコード (2022年). 2024年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  10. ^ a b Anthology 〜愛のアンソロジー〜 「山形由美 オフィシャル・スコアブック」”. 山形由美オフィシャルサイト「Via Arietta」. ユミットクラブ. 2023年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  11. ^ a b c d 国民的美人フルート奏者・山形由美さんの今…週末田舎暮らしに密着”. TBSテレビ. TBSホールディングス (2018年10月19日). 2024年9月21日閲覧。
  12. ^ a b 那須ライフ”. 山形由美オフィシャルサイト「Via Arietta」. ユミットクラブ (2014年9月). 2023年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  13. ^ 今夜、TBSに登場!19:00〜”. コンサートイマジン (2018年9月28日). 2022年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  14. ^ コンサートイマジン. “山形由美、今夜TBSテレビ「爆報!THEフライデー」に出演します!”. Facebook. Meta. 2024年9月21日閲覧。
  15. ^ 爆報!THE フライデーSP(バラエティ)”. WEBザテレビジョン. KADOKAWA (2018年9月28日). 2024年9月21日閲覧。
  16. ^ 山形由美 (2020年1月18日). “第2回那須ジュニアクラシック音楽コンクール”. Facebook. Meta. 2024年9月21日閲覧。
  17. ^ 山形由美 (2023年5月19日). “コマンドリー・ド・ボルドー(ボルドーワイン騎士団)での先輩、作曲家の大政直人さんと”. Facebook. Meta. 2024年9月21日閲覧。 “『コマンドリー・ド・ボルドー』での活動例(コマンドリー・ド・ボルドー東京の役員・評議員評議員に山形の名が無いのでこの出典で代用)。”

由美の部屋

  1. ^ a b c 山形由美プレゼンツ 大人のためのトーク&コンサート 由美の部屋 〜旅するフルート Vol.1”. サントリーホール 公演アーカイブ. サントリー芸術財団 (2018年). 2024年9月21日閲覧。
  2. ^ 山形由美プレゼンツ 大人のためのトーク&コンサート 由美の部屋 〜旅するフルート〜 Vol.2”. サントリーホール. サントリーホールディングス (2019年). 2024年9月21日閲覧。
  3. ^ 【公演延期】山形由美プレゼンツ 大人のためのトーク&コンサート 由美の部屋〜旅するフルート Vol. 3 ギタリスト荘村清志さんをお招きして”. サントリーホール. サントリーホールディングス (2021年). 2021年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月21日閲覧。
  4. ^ 山形由美プレゼンツ 大人のためのトーク&コンサート 由美の部屋〜旅するフルート Vol. 4”. サントリーホール. サントリーホールディングス (2022年). 2024年9月21日閲覧。

参考文献

外部リンク