より強い事実が成立する。相異なる任意の三点 Qi (i = 1, 2, 3) が与えられたとき、それを適当な射影変換を選んで他の任意の三点 Ri (i = 1, 2, 3) に写すことができる(三重推移性)。組に属する点の数は、PGL2(K) は三次元なので、これ以上増やすことができない。即ち、この群作用は鋭三重推移的である。このことの計算論的側面として 複比がある。実際、逆のことが一般化された形で成り立つ: 「体」を「KT-体」(乗法逆元をとる操作を適当な種類の対合に一般化する)に置き換え、「PGL」もそのような場合の射影線型写像に一般化して考えるとき、任意の鋭三重推移的群作用は必ず射影直線への一般化された PGL2(K) の作用に同型である[1]。
代数曲線としての性質
射影直線は代数曲線の基本的な例である。代数幾何学の観点からは、P1(K) は種数0 の非特異曲線になる。K が代数閉体ならば、そのような曲線はK-有理同値(英語版)の違いを除いて一意である。一般に、種数 0 の非特異曲線は K 上の円錐曲線C に K-有理同値であり、それ自身が射影直線と双有理同値となるための必要十分条件は C が K 上定義された点 P を持つことである。幾何学的にはそのような点 P を明示的な双有理同値を作るための原点として利用できる。
射影直線の函数体は、一つの不定元 T に関する K 上の有理函数体 K(T) である。K(T) の K-自己同型群は、上でも述べた PGL2(K) に他ならない。
K 上の代数多様体V の任意の函数体 K(V) は(一点を除いて)K(T) に同型な部分体を含む。双有理幾何学の観点からは、これは V から P1(K) への定数でない有理写像(英語版)が存在することを意味する。その像は P1(K) の有限個の点のみが落ちており、また典型点 P の逆像は次元 dim V − 1 となる。これは代数幾何学における次元に関する帰納的方法の出発点である。有理写像は複素解析における正則函数に対応する役割を果たし、そして実際コンパクトリーマン面(英語版)の場合には両者の概念は一致する。
いま V を一次元とすれば、P1(K) の「上に」存在する典型代数曲線 C の描像が得られる。C は非特異と仮定して(これは K(C) から始めて一般性を失わない)、そのような有理写像 C → P1(K) が実は至るところ定義されることが証明できる(特異点が存在する場合にはこの限りでない。実際、例えば曲線が自己交叉する二重点を有理写像で写した結果は不定となりうる)。このことが描写する主要な幾何学的特性は分岐である。