大田 洋子(おおた ようこ、1906年〈明治39年〉11月18日[注 1]- 1963年〈昭和38年〉12月10日)は、日本の小説家。本名、大田 初子。
人物・来歴
広島県広島市出身。8歳のとき父母が離婚したので親戚の大田家の籍に入る。1923年、進徳実科高等女学校(現在の進徳女子高等学校)研究科卒業。小学校教師として江田島に赴任したが6か月で退職。1926年に結婚したが一児を残して出奔。尾道や大阪などで女給として働きつつ小説を書く。のち上京し、『女人芸術』に作品を発表。1939年、『海女』で『中央公論』の懸賞小説に一等入選。1940年、『桜の国』で『朝日新聞』一万円懸賞小説に一等入選。
1945年、疎開で広島市に帰郷中、被爆する。占領軍による報道規制の中『屍の街』『人間襤褸』を書き、原爆作家としての評価を確立。
しかし原爆の後遺症により体調を崩し、創作に行き詰まり、昭和30年代から作風を転換して『八十歳』『八十四歳』など老母を主人公に私小説的な心境小説を発表。
『新婦人しんぶん』に小説『なぜその女は流転するか』を連載中の1963年12月10日、福島県猪苗代町の中ノ沢温泉で入浴中に心臓麻痺を起こして急死。57歳没。
著書
単著
作品集
大田洋子集
日本の原爆文学
大田洋子原爆作品集
伝記
脚注
注釈
- ^ 生年月日については異説もある。例えば20世紀日本人名事典では1903年11月20日となっている[1]。
出典
関連項目
- こうの史代 - 代表作『夕凪の街 桜の国』の前半部分「夕凪の街」は、原爆スラムに暮らす母娘をテーマとしており、その点では大田の小説「夕凪の街と人と」のオマージュ作品といえる。後半の「桜の国」の場合、大田に同名の作品は存在するものの、戦時期の時局小説である大田の作品とこうのの作品に内容上の共通点はない。
外部リンク