坂田藤十郎

五つ藤重ね
星梅鉢

向い藤菱

坂田 藤十郎（さかた とうじゅうろう）は、歌舞伎役者の名跡。四代目の屋号は山城屋[1]。初代の活躍した当時の上方にはまだ屋号は存在せず[1]、四代目の襲名時に出身地の京都にちなみ山城屋と名付けられた[1]。四代目の定紋は五つ藤重ね星梅鉢、替紋は向い藤菱。

初代は「やつし事」を得意として評判を得[2]、その演技は後に和事と呼ばれる芸脈の中に一部受け継がれ[2]、後になって初代は和事の祖と仰がれた[2]。このため荒事で評判を得た江戸の市川團十郎と並び称された。

安永2年 (1774) に三代目が仙台で客死した後は襲名する者がなく、坂田藤十郎の名は伝説的な名跡として生き長らえたが、平成17年 (2005) に231年ぶりの四代目襲名となった。

• 初代 坂田藤十郎
  • 京の座元・坂田市左衛門（一説に藤右衛門[3]）の子[3]、1647–1709[4]。
  • 初代坂田藤十郎

• 二代目 坂田藤十郎
  • 初代の弟分[4]、1669–1724[4]。
  • 桑名屋長左衛門[5]→坂田長左衛門[3][5] → 二代目坂田藤十郎

• 三代目 坂田藤十郎
  • 江戸長唄の坂田兵四郎（＝初代坂田藤十郎の甥[4]）の門人[4][3]、1701–74[4]。
  • 三條半彌（柊屋）[3][6] → 富澤定四郎[6] → 坂田定四郎[3][6] → 三代目坂田藤十郎

• 四代目 坂田藤十郎
  • 二代目中村鴈治郎の長男、1931–2020。
  • 二代目中村扇雀（成駒屋）→ 三代目中村鴈治郎（成駒屋）→ 四代目坂田藤十郎

脚注

1. ^ “「屋号」”. 歌舞伎美人 (2008年10月2日). 2024年10月1日閲覧。
2. ^ 『日本の伝統芸能講座 舞踊・演劇』国立劇場 企画・編、淡交社、2009年、211～216頁。ISBN 9784473035301。 
3. ^ “坂田藤十郎(サカタトウジュウロウ)とは？ 意味や使い方”. コトバンク. 2024年10月1日閲覧。
4. ^ “坂田藤十郎｜歌舞伎事典・日本大百科全書・国史大辞典｜ジャパンナレッジ”. JapanKnowledge. 2024年10月1日閲覧。
5. ^ “人物履歴： 2代目 坂田 藤十郎｜文化デジタルライブラリー”. www2.ntj.jac.go.jp. 2024年10月1日閲覧。
6. ^ “人物履歴 3代目坂田藤十郎｜文化デジタルライブラリー”. www2.ntj.jac.go.jp. 2024年10月1日閲覧。