北京外国語大学
北京外国語大学(ペキンがいこくごだいがく、英: Beijing Foreign Studies University)は、北京市海淀区にある中華人民共和国の国立大学であり、中華圏では最も代表的な外大である。1941年に設立された。略称は北京外大、北外(ベイワイ)、英語ではBFSU[1]。北京外大は教育部が直轄する国家重点大学の一つで、北京外大は同じ北京市海淀区党教育委員会所属の北京大学の兄弟大学であり、講義と学位などが部分的に連携されている。[2] 北京外大出身のノーベル賞受賞者は、フランス国籍である高行健がいる。北京外大の北京外国語大学国際商学院は、世界トップ6%のビジネススクールだけに付与されるアメリカのAACSB資格認証校である。[3] 概要北京外国語大学は中国政府指定の全国重点大学の一つで、国家プロジェクト「211工程」(全国で約100校の重点大学を定める)対象校に指定された高等教育機関であり、「985工程」(世界レベルの大学を構築するため「211工程」指定校から約40校を指定)によるイノベーション・プラットホーム、国家プロジェクト対象校に指定された。外交部の概算統計で、北京外大卒業生の内、大使就任者は400名余り、参事官就任者は1000名余りにのぼり、「外交官のゆりかご」と称されている[4][5]。 中国の外国語教育では最も古い歴史のある大学であり、中国にある外国語大学の最高峰である。キャンパスが所在する北京市海淀区は大学区であり、北京大学や清華大学、中国人民大学などが置かれている。中国のイノベーション特区である中関村が隣接している。外交官や国際公務員など、対外関係業務に従事する国際的外国語人材を養成するのが目標であり、中国で最も多くの言語を教育している[4]。 中国と国交のある175か国の公用語をほとんど開設している。北京外大には115の専攻科があり、うち41の専攻科は本学にしかない専攻科となっている。国家重点学科は4科、北京市重点学科は7科を有している。教職員数は1,269名、世界54か国・地域からの外国籍教員は165名となっている。教師の90%以上は海外での教学経験がある[6]。 毎年約1千万人以上が受ける普通高等学校招生全国統一考試(「高考」、日本の大学入試センター試験に当たる)の2019年順位によると、北京外国語大学は全国の大学成績の上位0.11%〜0.50%で、「高考」でこの大学に合格するために必要な点数から北京外大の偏差値を計算すると70以上、「6星級世界高等評価」大学である。北京外大は華東師範社会調査研究所の2013年から2023年までの5年間の中国人学生の入学点数別の順位調査結果によると、外国語大学の中で1位、中国の文系トップ10以内、中国の大学2956校の中で文系・理系総合17位である[7][8]。 2023年中国の年収研究所「薪酬網」における研究発表によると、新入社員の出身大学別給与ランキングは第1位が清華大学、第2位が北京大学、第3位が北京外国語大学だった。続いて、上海交通大学が第4位、対外経済貿易大学が第5位となった[9]。 中国の文系大学トップレベルの北京外大は、外国語大学であるだけに理工系科目を順位に反映するQS世界大学ランキング評価では世界総合500位圏前後である。北京外大は国際商学部の中に理系の専攻が作られており、国際商学部を中心として理系水準を向上させる為、コンピューターサイエンス学部やビッグデータ解析学科などを開設している。北京外大の英文科などの主要学科はQS全世界大学学科のランキング上位51位から100位以内である。中国最高の外国語大学という評価を受けており、ほとんどの中国大使の出身大学が北京外大である[10][11]。 国際交流世界72の国と地域の426の高等教育機関と提携を結んでいる。約1,600人の留学生が在学中である。外国人が北京外大の本科に入学するためには英語成績[12]や中国語成績[13]・入学試験が課せられるが、成績優秀者は入学試験は免除される。 アメリカ・ヨーロッパニューファンドランドメモリアル大学(カナダ)、ルイビル大学(米国)、バージニアコモンウェルス大学(米国)、イェール大学(米国)、カリフォルニア大学バークレー校(米国)、ロンドン大学アジア・アフリカ学院(イギリス)、フランス国立東方言語文化学院、ロシアモスクワ国立言語大学、ドイツゲッチンゲン大学などとの間では実質的な協力関係を築いた。アイルランド国立大学メヌース校、フローニンゲン大学(オランダ)、マドリード・コンプルテンセ大学(スペイン)、ノースウェスタン大学(スイス)、エジンバラナピエ大学(イギリス)、ランカスター大学(イギリス)、サフォード大学(イギリス)、ケント大学(イギリス)、ケンブリッジ大学(イギリス)などの大学と交流している[14][15]。 日本日本との関係では、北京日本学研究センターが併設されている。北京日本学研究センターは中国における日本語・日本研究、日本との交流に携わる人材の養成を目的として、1979年の大平正芳首相と華国鋒首相の合意に基づいて1980年に設立された「日本語研修センター」(通称「大平学校」)の後を受け、国際交流基金および中国教育部双方の協議により1985年に開設した。 日本の提携大学としては、東京大学、東京工業大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、筑波大学、明治大学などがある[16]。広島大学、関西大学、大東文化大学とは両大学の学位が取得できるダブル・ディグリー・プログラムを結んでいる。日本からは200人ほどが北京外大に留学していて、日本の学生は北京外大の中文学科の日本人特別本科で4年間留学する学生が多く、日本の大学から半年や1年間以上の日中交換留学プログラムで来ている学生も多い[17][18][19]。 韓国北京外大の留学生の約4分の1が韓国人の学生である。韓国のソルブリッジ国際経営大学、高麗大学、成均館大学、延世大学、漢陽大学などの大学と提携している[20]。北京外大と中国教育部が共に韓国外大で韓国外国語大学校孔子学院(アカデミー)を成立させた[21]。 学部·専攻
研究機関附属単位
キャンパス略史
出身者
脚注
外部リンク
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