勝利への登攀
『勝利への登攀』(原題:Climbing!)は、アメリカ合衆国のハードロック・バンド、マウンテンが1970年に発表したスタジオ・アルバム。レスリー・ウェストがソロ名義で発表した『マウンテン』(1969年)に続くウェストとフェリックス・パパラルディの共作アルバムで、バンドとしての正式なデビュー作に当たる[3]。 背景ジャック・ブルース作の「想像されたウエスタンのテーマ」の原曲は、パパラルディがプロデュースしたブルースのアルバム『ソングス・フォー・ア・テイラー』(1969年)で発表された[4]。この曲と「ヤスガーの農場」[注釈 1][5]は、彼等が本作でレコード・デビューを果たす前に出演した、1969年8月のウッドストック・フェスティバルで演奏された[6]。 『クラシック・ロック』誌2003年5月号の記事によれば、彼等がレコード・プラント・スタジオで本作をレコーディングしていた時、ジミ・ヘンドリックスも同じスタジオにいた。ウェストは「最初に彼に聴かせた曲は『君がすべて』で、彼はこの曲のリフが好きだって言ってくれた」と語っている[7]。 本作からの第1弾シングルはウェストがリード・ボーカルを取った「ミシシッピー・クイーン」で、パパラルディがリード・ボーカルを取った「ヤスガーの農場」が続いた[7]。メンバーのコーキー・レイングは「レスリーの歌声が衝撃を与えた後なのに、何でフェリックスが歌った曲に変えなきゃいけないんだ? 『君がすべて』を次のシングルにすべきだと思ったけど、フェリックスのエゴによって『ヤスガーの農場』になったんだよ」と複雑な感情を抱いたという[7][5]。 反響・評価本作はアメリカのBillboard 200で17位を記録し、シングル「ミシシッピー・クイーン」はBillboard Hot 100で21位に達してバンド唯一の全米トップ40シングル・ヒットとなった[2]。 Matthew Greenwaldはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、「ミシシッピー・クイーン」を「J・ガイルズ・バンドやフォガット等、数多の模倣者達のための道を開いた」、「君がすべて」を「当時のFMラジオの定番」と評している[8]。 収録曲6.はインストゥルメンタル。
2003年リマスターCDボーナス・トラック
参加ミュージシャン
脚注注釈出典
引用文献
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