利用者:リトルスター/サブページ7音楽・エンターテインメントコンサートエンターテインメント業界だけで数百億円規模の損害が発生するとの報道もある[1]。ライブの中止・延期の発表が大幅に遅れた背景には、大規模なイベントの場合は台風などの天災や公共交通機関の事故、アーティストの急病などによる中止に備えて、主催者が損害保険会社との間で興行中止保険(通称:イベント保険)を契約している例が多いが、今回の感染症予防対策による中止の場合は補償の対象外にしている損保会社が多いことから、中止にした場合のチケット払い戻しやスタッフの人件費支払いなどで主催者が膨大な損害を被らなければならないこと、また、7月から開催予定の東京オリンピックに伴う施設の改修などのためにライブ会場が不足している状態が数年続いており、代替開催するための日時や会場を探すのが困難になっているという事情がある[2][3][4]。 ライブなどの開催中止を受けて、チケット販売業者が音楽ライブや演劇などの公演を有料動画配信するサービスが立ち上がっている。3月中旬に電子チケット販売業者であるZAIKOが配信サービスを始めたことを皮切りに、ぴあやイープラスなど大手業者や、チケット販売を行っていない音楽関連企業などもそれぞれプラットフォームを立ち上げているが、価格設定はおおむね通常チケットの半額以下であるため、興行としてはまだ課題も多い[5]。主催者やアーティストがYouTubeやツイキャスなどの動画配信サイトを使用して有料配信するケースも現れている。 たとえば、2月29日に国立代々木競技場第一体育館で開催が予定されていた「第30回 マイナビ TGC 2020 SPRING/SUMMER」の場合、無観客での開催に切り替え、感染対策を施したうえでLINE LIVEとメディア配信を実施した[6]。 一方で、事務所に所属していないミュージシャンの場合、チケットの払戻し等が大きな負担となった例もある。たとえば、ヒップホップグループのBAD HOPの場合、3月1日に予定していたワンマンライブ「BAD HOP WORLD 2020」をYouTube上で無料の生配信という形に急遽変更して無観客で開催をしたが、音楽事務所に所属していないが故のチケット代の全額払い戻しや、本番さながらのセットでライブを行ったこともあり、メンバーが1億円以上の負債を負うこととなった[7]。 また、COVID-19の流行によって日本国外のミュージシャンが来日できなくなったり、すでに来日中のミュージシャンの出国に支障が出たケースもあった。 前者の例としては、2020年8月21日~8月23日に新潟県湯沢町で開催される予定だった「FUJI ROCK FESTIVAL'20」の中止が該当する[8][9]。 後者の例としては、2020年2月から3月にかけて日本でツアーをしていたアルゼンチンのギター奏者・歌手のミルタ・アルバレスが、アルゼンチン政府が8月いっぱいまで国内線、国際線の民間航空機の運航を禁止したことで帰国困難になったことが挙げられる[10]。8月上旬にオランダに向けて出国するまでの間は首都圏にある支援者のアパートを間借りしていた[10]。 一方、特例という形で来日公演が行われた例もある。たとえば、2020年11月5日に北九州ソレイユホールで行われたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団はオーストリア政府から日本政府への申し入れによって実現した[11]。 2020年7月10日、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、そしてコンサートプロモーターズ協会の三者により「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」(以下:「コンサート感染対策ガイドライン」)が策定された[12]。 同ガイドラインでは感染対策として、観客にマスクの着用や手指の消毒への協力を呼び掛けなどに加え、大声(公演中の歓声や声援も含む)の禁止などが定められている[12]。 感染拡大が続く2021年8月の時点では、「フジロックフェスティバル」(新潟県湯沢町)や「NAMIMONOGATARI」(愛知県常滑市)といった大規模な野外音楽イベントが各地で相次いで開催され、主催者側から感染防止対策が呼びかけられていたものの、多く集まった観客の密集がみられたり、酒類の販売や持ち込みがあったり、マスクを外して歓声を上げるなどの問題行為が一部で常態化しており、開催した主催者側に対し大きな批判が集まった[13][14]。 特に愛知県国際展示場で開かれた「NAMIMONOGATARI」に関しては、常滑市の市長・伊藤辰矢[15]や愛知県知事・大村秀章から糾弾された[16]だけでなく、業界内からも、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、日本音楽出版社協会の音楽4団体が「音楽業界が過去1年半に渡り、国や自治体などと築いてきた信頼関係を破壊し、医療従事者や関係当局の苦労を台無しにする暴挙」と主催者を非難する共同声明文を出している[17]。その後に同イベントに参加した複数人の新型コロナウイルス感染が判明しており、愛知県はクラスターと認定している[18]。最終的にこの騒動は同イベントの終焉につながった。 2021年10月、日本政府は27都道府県で続けられている大規模イベントの収容人数の上限を緩和した[19]。
ライブハウス厚生労働省は5人以上の感染者の集団(クラスター)が発生した場所のひとつとして、大阪府のライブハウスの事例をあげている。大阪府のまとめによれば、府内4つのライブハウスで合わせて83人の感染が確認されている[22]。感染の拡大は16都府県に及んだが、3月19日には大阪府によってライブハウス関連の感染については終息宣言がなされた[23]。 ライブハウスやクラブで集団感染が発生して以降、運営する計283事業者中、約95%にあたる270事業者が減収になったと回答している。また、89%が自粛要請に伴う減収分の補填を国や自治体に求めている[24][25]。 予定されていたライブが中止され、収入源が断たれた事によるライブハウスの廃業決定が各地で相次いでいる[26][27][28][29][30][31]。また、当面の運転資金をクラウドファンディングで調達するライブハウスも現れている。 楽器の需要島村楽器は、COVID-19の流行下にあった2021年9月から22年2月の間に売れた楽器をランキング形式で発表し、防音室が前年の同期と比べて最も売れたとしている。 同社は在宅時間の増加によってニーズが高まったとしており、楽器の演奏だけでなく、テレワークから動画配信に至るまで使用目的が多岐にわたり、利用者の年齢層や地域が広まったと述べている[32]。COVID-19の流行により、ハンドベルなど教育現場でよく使われる小型の楽器の需要は減ったものの、教育現場での活動が戻るにつれて売り上げも上がった[32]。
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