利用者:リトルスター/サブページ12アニメジャーナリストの数土直志はニュースサイト「アニメハック」の記事で、中国・武漢での感染が拡大した2020年1月の時点では、主な外注先である中国において都市封鎖期間中も一部の作業が継続され、成果物を得られたため影響は限定的だったとしている[1]。 音響監督の飯田里樹によると4月放送予定の作品の中でも、緊急事態宣言が発令であろうことを見越して放送延期を決めた作品もあれば、先行して作業をしていたためアフレコが進んでおり、アフレコを中断してダビングを継続した作品もあったとしている[2]。 2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されて以降、新規アニメ作品において制作および放送スケジュールの遅延や制作見合わせなどが相次いだ[3]。また、宣言発令時点で放送中の作品においても新規エピソードの放送延期が相次ぎ、『ちびまる子ちゃん』のように過去に放送されたエピソードの再放送で埋め合わせる作品もあった[3]。 元々アニメ作品は長い時間をかけて大人数で作ることが多かったが、COVID-19の蔓延により大勢が出社して作業することが厳しくなったため、テレワークに伴いデジタル作画への移行を試みる企業が出てきた[4]。 一方で、2020年放送の『ステイングベイビーズ』のように、アフレコ収録も含めて完全リモートワークで制作した作品も存在する[5]。 アフレコの場合、従来は大人数での収録が一般的だったが、この方法では3つの密となることから、声優たちの間では緊急事態宣言の発令前の時点から不安の声が挙がっていた[3][6]。 また、飯田によると、緊急事態宣言の発令を受け、日本音声製作者連盟(以下、音声連)の方針によってすべての作品のアフレコが中止になったとされている[2]。5月14日の宣言解除に伴いアフレコが再開され、音声連からはアフレコ人数や換気や消毒方法を定めた「音声制作における新型コロナウイルス感染症防止ガイドライン」(第一版)が発出された[7]。 従来はブース内の席に声優たちが並んで順番を待っていたが、ガイドライン制定後は最少人数でアフレコ収録を実施した作品が増え、この方法は分散収録と呼ばれるようになった[注 1]。 声優プロダクションの賢プロダクション代表内海賢太郎は、大人数での収録が一般的では数時間に1本しか収録できなかったのに対し、分散収録によって1時間で1本収録できるため、仕事が増えたと感じる声優も多いとESPエンタテインメントとのインタビューの中で話している[11]。その一方、一部の声優からは掛け合いの対象ではない共演者の演技を見られないという声が上がっている[9][12]。 また、音声連のガイドラインでは高齢(または持病のある)の演者への配慮についても定められており、飯田もメインキャラクターの演者であっても高齢である場合は単独で収録を行うと梅田とのインタビューの中で話している[7]。 スケジュールの遅延などで制作本数が減ったことにより、2020年におけるアニメ制作業界の市場規模(事業者売上高ベース)は前年よりも低い2633 億円、翌年の2021年に至っては前年比マイナス5.2%の 2495 億 8200 万円と2年連続で縮小している[13]。また、COVID-19の流行下においては動画配信サービスの需要が拡大しており、元請となる会社でも自社作品の数がライセンス収入を左右する結果となった[13]。
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