八岐之大蛇の逆襲
『八岐之大蛇の逆襲』(やまたのおろちのぎゃくしゅう)は、DAICON FILMによって1985年(昭和60年)に制作された16ミリフィルムによる自主製作特撮映画である。上映時間126分。 概要1983年の『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』に続いてDAICON FILMが制作したコメディ風味の特撮映画で、精密なミニチュアで再現された米子市を舞台に、二千年の眠りから目覚めたヤマタノオロチと出動した防衛隊が攻防戦を繰り広げる。 監督・脚本は赤井孝美が担当し、特技監督は後に平成ガメラシリーズなどを手掛ける樋口真嗣が務めた。また、レポーターの一人として庵野秀明が出演、機材協力として石黒昇や押井守、宮武一貴がクレジットされている。 この作品の制作後、DAICON FILMは『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の制作のために株式会社ガイナックスへと発展的解散を遂げたため、本作がDAICON FILMの最後の作品となった。 1985年にはバンダイからビデオが、2001年にはガイナックスからDVDが発売されている。 ストーリーかつてスサノオが倒したと語られていた伝説上の怪物「八岐之大蛇」。その実在を証明する石板が、米子大学の助教授・田子俊作とその助手・杉村一郎の手によって鳥取県米子市で発見された。その調査のために米子市に赴いた京都生物学研究所の教授・桐原祥子は、石板に書かれていた内容通りに、大山にある石台にその石板をはめ込んだ。すると、突如石板が光を発して彼女の姿が消えると同時に、大山の中から巨大な八本首の怪獣が現れる。その怪獣こそが八岐之大蛇であり、その正体は寿命を迎えた母星から移住するために、二千年前に地球侵略を企てた宇宙人が操る侵略兵器であった。宣戦布告宣言である石板が石台に収められたことで、宇宙人たちは宣戦布告が受諾されたとして、石板の未解読の部分に書かれていた契約に従い、八岐之大蛇の内部に転送された桐原を「助っ人」として八岐之大蛇の操縦者としてしまう。 米子市に向かう八岐之大蛇に対し、毛利大佐率いる防衛隊第13連隊は、八岐之大蛇撃退の為に機械化歩兵部隊と吉川隊長指揮下の戦車隊、更には別部隊の攻撃ヘリを米子市へと向かわせる。米子市内で八岐之大蛇と防衛隊の攻防戦が繰り広げられる中、事態は八岐之大蛇を止めようとする田子たちや、取材に走るTVクルーなどを巻き込みながら、吉川らのしつこい攻撃に怒った桐原や、観測ヘリが撃墜された事によるロケット砲の無茶苦茶な長距離支援射撃によって混迷の度合いを極めていく。 登場怪獣八岐之大蛇蛙あるいは蛇のような姿をした宇宙人たち(撮影にはパペットを使用)が操る、八本首の巨大怪獣。その姿は『古事記』に登場する蛇の様な姿のヤマタノオロチとは異なり、太めの胴体に怪獣然とした顔を持つ八本の首と一本の尾がついた姿をしている。一種のロボット怪獣で、「助っ人」として内部に転送された地球人によって、神経系統を介して操縦される。なお、宇宙人たちも操縦する事は可能であり、地球人が操縦を行うのは、戦争が不得意な宇宙人よりも地球人の方が戦い慣れしている為だという。また、内部には宇宙船が格納されている。 二千年前にスサノオが戦ったヤマタノオロチその物ではなく、それを拡大発展させた改良型であり、首一本だけで二千年前の物と同等の大きさがある。しかし、制作した宇宙人が戦闘が不得手な為か防御力は低く、その弱さは戦車砲による攻撃だけで内部の機械が故障してしまうほど(これは、宇宙人たちが二千年後の兵器の進歩を考えていなかった事も一因である)。しかし、桐原が腹立ちまぎれに機器を蹴飛ばしただけで治っているため、単に作りが大雑把なだけという可能性もある。 当初は武器は搭載されていなかったが、後に桐原の乱暴なオーラにコンピューターが反応し、火を吐く事が可能になった。 撮影は、着ぐるみを亀の甲羅のようにスーツアクターに背負わせて行われた。鳴き声はラドンのものが借用されている。 登場兵器防衛隊第13連隊八岐之大蛇攻撃の為に出動した部隊。司令官は毛利大佐、副官は尼子中尉。普通科や機甲科、野戦特科などの混成部隊であり、米子市近くの駐屯地に駐屯している。部隊マークは「SF」の二文字をあしらった物。 撮影にはミニチュアなどが使用された他、出撃シーンでは千僧駐屯地などの駐屯地祭で撮影した実写映像が使用されている。武田康廣扮する毛利大佐が出撃前に演説するシーンは、カメラの手前に並べた大量のヘルメット越しに撮影し、大勢の前で話しているかのように見せている。 なお、陸上自衛隊に実在する連隊で「13」のナンバーを持つ隊には第13普通科連隊があるが、駐屯しているのは長野県松本市である。中国地方を担任する部隊として第13師団(現在は改編され第13旅団となっている)があり、米子市の米子駐屯地には第8普通科連隊が駐屯している。 装備
キャスト
スタッフ
脚注
関連項目
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