『儀式』(原題:The Ritual)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、テスタメントが1992年に発表した5作目のスタジオ・アルバム。本作リリース後にアレックス・スコルニック(後に復帰)とルイ・クレメンテがバンドを脱退し、デビュー時のラインナップによる最後のアルバムとなった。
背景
従来の作品よりもスピードを抑えた作風となった[6]。エリック・ピーターソンは2012年、MetalAssault.comのインタビューにおいて本作を「テスタメントのレコードとしては気楽に聴けるけど、極めてメロディックだ。"Return to Serenity"や"Electric Crown"等の良い曲を作ったけど、ドラムは…聞いての通りイージーかな」と形容している[7]。「エレクトリック・クラウン」のミュージック・ビデオには、映画『ロストボーイ』で知られる俳優ビリー・ワース(英語版)が出演した[8]。
テスタメントの従来の作品は、メガフォース・ワールドワイドが原盤権を持ちアトランティック・レコードから配給されていたが、本作リリース前に両社の契約が切れ、テスタメントは最終的にアトランティックの所属バンドとなった[9]。
反響
母国アメリカのBillboard 200では55位に達し、2012年のアルバム『ダーク・ルーツ・オブ・アース』が全米12位の大ヒットとなるまで自己最高記録であった[3]。また、「リターン・トゥ・セレニティ」は『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで22位に達した[3]。
イギリスでは1992年5月30日付の全英アルバムチャートで48位を記録するが、2012年に『ダーク・ルーツ・オブ・アース』が全英57位を記録するまでの20年間、バンドはイギリスにおいてヒットに恵まれなくなる[2]。
収録曲
1.はインストゥルメンタル。
- サインズ・オブ・カオス "Signs of Chaos" – 0:30
- エレクトリック・クラウン "Electric Crown" – 5:30
- 作詞:チャック・ビリー、アレックス・スコルニック/作曲:アレックス・スコルニック、エリック・ピーターソン
- ソー・メニー・ライズ "So Many Lies" – 6:04
- 作詞:チャック・ビリー、エリック・ピーターソン、デル・ジェイムス/作曲:アレックス・スコルニック、エリック・ピーターソン
- レット・ゴー・オブ・マイ・ワールド "Let Go of My World" – 3:47
- 作詞:チャック・ビリー、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン
- 儀式 "The Ritual" – 7:27
- 作詞:チャック・ビリー、エリック・ピーターソン、アレックス・スコルニック、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン、アレックス・スコルニック
- デッドライン "Deadline" – 4:46
- 作詞:アレックス・スコルニック、チャック・ビリー/作曲:アレックス・スコルニック
- アズ・ザ・シーズンズ・グレイ "As the Seasons Grey" – 6:12
- 作詞:チャック・ビリー、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン、アレックス・スコルニック
- アゴニー "Agony" – 4:00
- 作詞:チャック・ビリー、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン
- ザ・サーモン "The Sermon" – 4:41
- 作詞:チャック・ビリー、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン
- リターン・トゥ・セレニティ "Return to Serenity" – 6:30
- 作詞:チャック・ビリー、エリック・ピーターソン、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン
- トラブルド・ドリームズ "Troubled Dreams" – 5:03
- 作詞:チャック・ビリー、エリック・ピーターソン、デル・ジェイムス/作曲:エリック・ピーターソン、アレックス・スコルニック
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
脚注