伊東 俊太郎(いとう しゅんたろう、1930年4月25日 - 2023年9月20日[1])は、日本の歴史学者(科学史・文明史)。Ph.D.(ウィスコンシン大学)。東京大学名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授・麗澤大学名誉教授。位階は正四位[2]、瑞宝中綬章受章者・文化功労者。
ウィスコンシン大学人文科学研究所助手、東京大学教養学部教授、麗澤大学教授、麗澤大学比較文明文化研究センター所長(初代)などを歴任した。
来歴
生い立ち
東京生まれ、旧制東京高等学校、東京大学文学部哲学科卒業。同大学院修士課程修了、ウィスコンシン大学PhD.修得。
研究者として
ウィスコンシン大学人文科学研究所助手、東京大学教養学部助手・講師・助教授を経て、東京大学教養学部教授を務め、1989年より国際日本文化研究センター教授を兼任、1991年東大定年退官、名誉教授、1995年より2007年まで麗澤大学教授、同比較文明文化研究センター初代所長。また東宮家(現:皇室)の科学方面の教師でもある(「天皇陛下と学問」『文藝春秋』1999年10月号に掲載)。2009年春に瑞宝中綬章を受勲[3]。2020年、文化功労者[4]。
他にプリンストン高等研究所客員研究員、ウィドロー・ウィルソン国際学術研究センター客員研究員、コペンハーゲン大学客員教授、テュービンゲン大学大学客員教授、ケンブリッジ大学クレア・ホール客員特別研究員、フランス国立社会科学高等研究院客員教授などを歴任。日本科学史学会会長(2001年度から2008年度まで)、日本比較文明学会名誉会長、国際比較文明学会名誉会長、地球システム・倫理学会会長。
人物
- 芳賀徹、平川祐弘とは東京大学教養学部時代の同僚で、芳賀とは後に日文研でも再び同僚となる。
- 速水融とは日文研および麗澤大学での同僚であった。
著書
- 『文明における科学』(勁草書房、1976年)
- The Medieval Latin Translations of the Data of Euclid (University of Tokyo Press & Birkhauser, 1980)
- 『近代科学の源流』(中央公論社[自然選書]、1978年/中公文庫、2007年)
- 『科学と現実』(中央公論社[中公叢書]、1981年)
- 『ガリレオ 人類の知的遺産31』(講談社、1985年)
- 『比較文明』(東京大学出版会[UP選書]、1985年、新装版2013年)
- 『文明の誕生』(講談社学術文庫、1988年)
- 『比較文明と日本』(中央公論社[中公叢書]、1990年)
- 『ギリシア人の数学』(講談社学術文庫、1990年)
- 『十二世紀ルネサンス 西欧世界へのアラビア文明の影響』(岩波書店[岩波セミナーブックス]、1993年/講談社学術文庫、2006年)
- 『自然 一語の辞典』(三省堂、1999年)
- 『文明と自然 対立から統合へ』(刀水書房[刀水歴史全書]、2002年)
- 『伊東俊太郎著作集』(全12巻 麗澤大学出版会、2008年~2010年)
- 初期科学史論文集
- ユークリッドとギリシャの数学
- 中世科学から近代科学へ
- 比較科学史
- 科学論・科学哲学
- ガリレオと科学・宗教
- 比較文明論 Ⅰ
- 比較文明論 Ⅱ
- 比較文明史
- 比較思想
- 対談・エッセー・著作目録
- 欧文論文集
- 『変容の時代 科学・自然・倫理・公共』(麗澤大学出版会、2013年)、講演集
- 『人類史の精神革命-ソクラテス、孔子、ブッダ、イエスの生涯と思想』(中央公論新社[中公選書]、2022年)
主な編著・共著ほか
- 編著『現代科学思想事典』(講談社現代新書、1971年)
- 編著『人類文化史2 都市と古代文明の成立』(講談社、1974年)
- 廣重徹・村上陽一郎共著 『思想史のなかの科学』(木鐸社、1975年)
- 原亨吉・村田全共著 『数学史 数学講座18』(筑摩書房、1975年)
- 共編『西洋哲学史の基礎知識』(有斐閣、1977年)- 生松敬三・木田元・岩田靖夫
- 江上波夫対談『文明移転 東西文明を対比する』(中公文庫、1984年)
- 安田喜憲共編『シリーズ文明と環境 草原の思想・森の哲学 東西文明の統合を求めて』(講談社、1993年)
- 『比較文明学を学ぶ人のために』(世界思想社、1997年)
- 『日本の科学と文明 縄文から現代まで』(同成社、2000年)
- 監修『文明間の対話に向けて 共生の比較文明学』(吉沢五郎・染谷臣道編、世界思想社、2003年)
- 染谷臣道共編 『収奪文明から環流文明へ 自然と人類が共生する文明をめざして』(東海大学出版会、2012年)
- 記念論集『自立する科学史学 伊東俊太郎先生還暦記念論文集』(北樹出版、1990年)
- 『科学の名著』(第1・2期(全20巻)、朝日出版社、1980-1989年)、編集委員
翻訳
- ジャン・プイヨン『構造主義とは何か』 みすず書房、1968年
- チャールズ・シンガー『科学思想のあゆみ』木村陽二郎・平田寛共訳、岩波書店、1968年
- A.K.サボー『数学のあけぼの ギリシアの数学と哲学の源流を探る』中村幸四郎・村田全共訳 東京図書、1976年
- A.G.ディーバス『ルネサンスの自然観 理性主義と神秘主義の相克』村上陽一郎、橋本眞理子共訳 サイエンス社、1986年
- ダニエル・J・ブアスティン『技術社会の未来 予測不能の時代に向けて』サイマル出版会、1987年
関連項目
出典
外部リンク