京急デチ15・16形電車
デチ15・16形電車(デチ15・16がたでんしゃ)は、1988年(昭和63年)12月に登場した京浜急行電鉄の事業用電動無蓋貨車[4]。 概要自動ブレーキ (AMM-R) 装備車を全廃し、ブレーキ性能を統一してATSを改良するため[6]、デワ40形・チ60形の置き換え用として1000形の廃車発生部品を活用し新造された[4]。1989年(平成元年)までにデチ15 - 18の4両が製造されたが、配給車の需要減少により[7]2003年(平成15年)・2006年(平成18年)に救援車化改造を受けデト17・18形デト15 - 18に改番された[8][9]。母体となった1000形が全廃されたため、2010年度に1500形VVVF化改造で発生した部品などを活用した機器の更新が行われた。 当形式の登場により、電動貨車のデワ40形4両(デワ41 - 44)とチ60形2両(チ61・62)が廃車された[4]。限流値[注釈 1]を引き下げ、起動加速度は1000形より低い2.7km/h/sとなっている[2]。 車体重量物運搬のため魚腹式台枠を採用[10]。前面非貫通折妻三枚窓構成の運転台[4]、6人分の座席、窓1枚をもつ有蓋室がデチ15形の浦賀寄り、デチ16形の品川寄りに設けられたが、長尺物運搬のため荷台部分を広く取る必要性から、有蓋部分はデト11・12形より短くなっている[11]。また、パンタグラフ、列車無線アンテナ搭載のため屋根が荷台部分に1,600mm延長されている[11]。有蓋室は黄色に塗装され、窓下に赤い帯が巻かれる[11]。有蓋室のない部分は荷台とされ、資材積み下ろし用にチ60形から転用したホイストクレーンを搭載している[4]。台枠は有蓋室と同じ黄色に塗装されている[11]。有蓋室の荷台側妻面には荷台に出るための扉、投光器が設けられた[6]。最大積載量18.0t[1]。デチ15形に電動発電機・空気圧縮機などの補機類と列車無線アンテナを、デチ16形にパンタグラフ・主制御器を搭載する[1]。デト15形の車両番号の位置は、デト11・12形よりもやや低い位置になっている。 主要機器
デチ15・16には1988年(昭和63年)廃車のデハ1097・1098、デチ17・18には同年廃車のデハ1017・1018[11]と1989年廃車のデハ1001・1004の部品が活用されている[14]。 改造工事登場後、各種の改造が行われている。 制御器交換デチ18の主制御器は1998年5月20日付で、デチ16の主制御器は2000年4月6日付でACDF-H875-703Bに変更された[15]。 デト17・18形への改造2003年3月[8]にレール運搬を専用の機械で行うことが増え、稼働率が低下したデチ17・18を救援車に改造、デト17・18形デト17・18に改番した[2]。ホイストクレーンを撤去、荷台にデト11形などと同様のあおり戸を設け、救援資材の入った箱を搭載した[7]。2006年(平成18年)3月にデチ15・16にも同様の改造が行われ、デト17・18形デト15・16となった[9]。 界磁チョッパ制御化改造2010年(平成22年)6月にデト17・18、2011年(平成23年)3月にデト15・16に運転取扱、使用機器の統一、省令改正への対応のための機器更新工事が施工された[16][17][18]。前灯形状が変更され[16][19]、偶数番号車運転台から設定する運行番号表示器を設置[16][20]、運転台・荷室に冷暖房が搭載されたほか[20]、運転台は800形タイプのワンハンドルマスコンとなった[16][20]。改造後の主な使用機器は以下の通り。
脚注注釈出典
参考文献書籍
雑誌記事
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