交響曲第6番 (ニールセン)
交響曲第6番「素朴な交響曲」(こうきょうきょくだいろくばん、Symfoni Nr.6 "Sinfonia Semplice", FS.116)は、カール・ニールセンが作曲した最後の交響曲。 概要作曲は1924年から1925年にかけて行われた。完成は1925年12月5日。 副題は作曲者自身が記したイタリア語に従って「シンフォニア・センプリチェ」又は単に「センプリチェ」とも、あるいは英語によって「シンプル」と呼ばれることもある。 曲の構成この作品は以下の4楽章から成り立っている。(「」内は副題。)
第1楽章グロッケンシュピールの合図により始まる。やがて展開的な発展をとげていき。重厚な雰囲気となる。やがて、二回の心をかき乱すような爆発があり、(R・シンプソンはその会話のなかでこれはニールセンの心臓発作を反映していると語っている。)やがて、再び静かになり、曲は終わる。 第2楽章ユーモアに富んだ、間奏曲風の楽章。弦楽器は全く沈黙している。トライアングルが透明感を出し、トロンボーンの笑い声のようなグリッサンドが印象的である。 ニールセンはこの曲の初演のために書いた覚え書きの中で、この楽章について『それぞれの好みにしたがって、口論する』と書いている。さらに彼は、この楽章を当時の音楽界になぞらえて、風刺している。(トロンボーンのグリッサンドは批評家たちのあざけりとも見ることができる。) 第3楽章この楽章もオーケストラの一部の楽器でしか演奏されない。R・シンプソンは『この楽章のいくつかの節は、まるで、蛇が自分の尻尾を追うように、ぐるぐるとめぐっている。』と述べている。 第4楽章短い前奏のあと、まず主題が提示され、9つの変奏が続く。
ファゴットにより淡々と奏でられる。
オーボエによる変奏。
ホルンによる変奏。
弱音器つき両ヴァイオリンによる変奏。
ワルツ風の変奏。
第6変奏の3拍子の音楽に2拍子のトロンボーンが印象的な変奏。
エレジー風の変奏。
シロフォン中心の打楽器とファゴット、チューバという風変わりな導入部(R・シンプソンはここをにやにやと笑うガイコツにたとえている。)、それからファンファーレの後、小太鼓とヴァイオリンによる主部、クライマックスの後、ファゴットの変ロ音を残して風変わりに曲は終わる。 楽器編成ピッコロ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、トライアングル、シンバル、シロフォン、グロッケンシュピール、弦5部(なお、ヴィオラとチェロはさらに二分割されることがある。) 初演・出版世界初演世界初演は完成から6日後の1925年12月11日、コペンハーゲンにてニールセン自身の指揮によりコペンハーゲン宮廷劇場管弦楽団の演奏で行われた。 日本初演日本初演は1984年2月27日、渡邉暁雄指揮の日本フィルハーモニー交響楽団。東京文化会館にて。 参考文献
関連項目外部リンク
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