交響曲第2番 (ステーンハンマル)
交響曲第2番ト短調 作品34は、ヴィルヘルム・ステーンハンマルが作曲した交響曲。 概要セレナードなどと並んで、ステーンハンマルの代表的な管弦楽作品と見なされている。 主調は「ト短調」となっているが、正しくは「Gを開始音とするドリア調」である。 また、ステーンハンマルが1909年頃から着手した500ページに及ぶ対位法研究の成果も顕著に表れている。 ステーンハンマルの作曲した2番目の交響曲であるが、以前に作曲した交響曲第1番は作曲家自身によって撤回された為、作曲家自身は決して「第2番」と呼ぶことは無く、単に「交響曲、作品34」と呼んでいた(出版された総譜にも「第2番」の記載が無い版が存在する)。 ステーンハンマル自身はこの交響曲について、「華美とは無縁の、謹厳実直な音楽」とコメントしている。 作曲の経緯1910年にニールセンの交響曲第1番(この曲もト短調である)を指揮した事がきっかけとなり、新しい交響曲の構想を始める。 1911年にイタリアに旅行した際、ローマのボルゲーゼ荘において第1楽章の最初のスケッチに着手し、1915年に完成した[1]。 初演1915年4月22日、エーテボリ・コンサートホールにおいて開催された、エーテボリ交響楽協会(Gothenburg Orchestral Society)創立10周年を祝う音楽祭の中で、作曲者の指揮、エーテボリ交響楽団により初演された[1]。 献呈「我が親愛なる友人達、エーテボリ交響楽団の団員達へ」のコメントと共にエーテボリ交響楽団に献呈されている[1]。 楽器編成
ほぼ標準的な2管編成である。 演奏時間約42分から47分。 楽曲構成第1楽章 Allegro energicoソナタ形式。弦楽器のユニゾンによって古い舞曲のような第1主題が提示され、すぐにフルートが応えると厚みを増しながら展開されてゆき、最初のクライマックスを形成すると静かになり、ややテンポを落として弦楽器の旋律の上に木管楽器やホルンによって雄大で悲しげな第2主題が現れる。 弦楽器にもう一度この主題が現れ、オーボエ・ソロとなり、やがて木管に第1主題が戻って来て展開部に入り、主に第2主題を扱ってゆく。 そのまま再現部に突入し後半に入ると弦楽器などで第2主題がゆったりと奏され、木管の主導でコーダに入り、最後の盛り上がりの頂点でト長調主和音上に終止する。 第2楽章 Andanteこの交響曲では唯一ドイツ的な雰囲気を感じる音楽となっている。 弦楽器のコラール風の音楽に始まる。この旋律は哀歌風の響きを持ったり、賛歌風に長調で現れたりしながら様々な楽器に受け渡され、木管の下降音形で閉じられる。 第3楽章 Scherzo: Allegro, ma non troppo presto弦楽器の下降する旋律で始まる、北欧の香りの強いスケルツォ。トリオはややテンポを落とし、ステーンハンマルお得意の木管によるエレジー。スケルツォ主部が回帰し、木管のひっそりとした音形で終わる。 第4楽章 Finale: Sostenuto - Allegro vivace alla breve2つの主題(譜例1・譜例2)を元にした複雑なフーガがこの楽章の大部分を占めており、 この2つの主題はあらゆる場面で登場する。 この交響曲では最も長い楽章だが、大まかに7つの部分に分ける事ができる。
録音主な録音(録音年・レーベル名)
備考脚注
出典
外部リンク
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