丸呑み (アダルトゲーム)
『丸呑み』(まるのみ)は同人ブランドベェーカリィーが製作、2010年7月25日に発売したアダルトゲームである。 概要同人ブランドベェーカリィーが製作、2010年7月25日に発売したアダルトゲームである。主人公は肉塊の化け物となり、ターゲットとなる女性と交戦して捕食、自身の体内に引きずり込んで陵辱するという、異生物陵辱系のゲーム内容となっている。ゲームタイトルの『丸呑み』は、ターゲットを捕食するための行動に由来する。 本作は発売初期デジ同人の形式で公開され、デジ同人のダウンロードサイト複数においてダウンロード数上位ランキングを果たしている[1][2]。同年10月15日にパッケージ版が発売されている。 あらすじチュートリアルの意味合いを持つ、彩文をターゲットとする導入パートは、10年ほど過去の出来事である。ゲーム本編は彩文が主人公に捉えられてから約10年後、彩文が通っていた央華付属校の近辺を作品舞台とする。 央華付属校では、ある怪談が代々語りつづけられていた。それは10年ほど前に実際に起こった実話に基づくものであり、知っている場所と見知らぬ場所が繋がった不思議な世界で、見たこともないような怪物に襲われるというものであった。体育館で卒業式の予行演習をしていた同校の5名の女の子と1名の男の子が、怪談と同じように霧が現れてその霧に掻き消されるように閉鎖空間に捕らえられるところからゲームは始まる。 登場キャラクター
犠牲者一群その1ゲーム本編前に狩場に閉じ込められるキャラクターを記す。
犠牲者一群その2ゲーム本編初期から狩場に閉じ込められるキャラクターを記す。
犠牲者一群その3ゲーム途中から狩場に追加で閉じ込められるキャラクターを記す。
犠牲者一群その4自らの意志で狩場に入り込むキャラクターを記す。
システム本作のシステムは大きく、MAPを用いた行動選択システム、戦闘システム、戦闘後の成長システムに分けられる。 MAPシステムMAPは地上2階地下1階の、計3階で構成される。各フロアは、複数のエリアが通路で結ばれた状態となっており、一部の通路には昇降するための階段が設けられている。これが、現実空間から隔離された閉鎖空間「狩場」である。主人公には作り出した「狩場」を現実空間から隔離したまま維持する力「狩場維持力」が設けられており、時間経過、交戦を始めた後での逃走、戦闘敗北などによって減少していく。「狩場維持力」が0になると「狩場」は失われ、捕食できなかったターゲットは現実世界に開放され、ゲームオーバーとなる。ターゲットとなる女性は、ゲーム初期から複数存在し、プレイ状況に応じて追加されていく。また、狩場維持力が0になる前に狩場から離脱するターゲットも一部存在する。 狩場のエリアは屋内の場合もあれば屋外の場合もあり、屋外を走っているつもりがいつの間にか地下通路になっているといったように、空間が捻じ曲がっている。これらのエリアはいずれかのターゲットが現実世界で記憶していた場所であることが、作中で示されている。そのため、ターゲットが主人公に捕食されるなどのゲーム進行に応じて、一部のエリアが通行不可能となる場合がある。主人公もターゲットも、基本、隣接した通路あるいはエリアのみに移動することが可能である。前述のように一部のエリアが通行不可能となると、袋小路となる場所が発生することになる。これはターゲットを追い詰めていく上で有利な場所となる。 ターゲットは通常MAP上には表示されておらず、ターゲットの体力が低下している場合や念力を使用している場合など、限られた状況でのみターゲットの位置を正確に確認することが可能となる。また、階ごとに気配を示すゲージがあり、これによって捕食していないターゲット数を確認することが可能となっている。ターゲットの位置や気配の確認は他の階についても自身のいる階同様となっている。これらの情報を元に、大抵の場合はターゲットの位置を推測しながらターゲットを追い込んでいくことになる。 主人公は本体以外に触手を持っており、狩場の全フロアの中から通路1箇所に触手を配置することが可能となっている。触手を配置した箇所にターゲットが侵入すると、ターゲットの足留め効果が発生する他、戦闘シーンに入るとターゲットを攻撃する上で有利な展開が得られる仕組みとなっている。触手は配置後に徐々に成長していき、足留めや戦闘補助の効果は触手の成長によって高まっていく。触手は一度配置すると、成長度合いが100%になるまでは触手を新たな場所に配置できなくなるため、どこの通路に触手を設置するかは戦略性のあるものとなっている。 戦闘システム本作の戦闘システムは、カードバトル様のものとなっている。戦闘開始後、主人公およびターゲットにはターンごとに6枚のカードがランダムに配られ、そのカードの中から3枚のカードを選択、それが1ターン(3交戦)の行動となる。自他のカード選択に応じて攻守の相性が決定、それをベースにHPの増減、ターゲットとの対峙距離の変動、ターゲットの逃走の成否などが決まるというシステムである。カードは1ターンごとに全カードが差し替えられる。主人公には6枚以外に1枚の「逃走」カードがあり、これを選択すると交戦を行わずに逃げることになる。自他のカードの組合せは攻守の相性となるが、それによって結果が固定的に決まっているわけではない。例えばHPの増減量は、主人公の身体能力値などのような他の要因が影響するほか、ランダム要素も設けられている。 ターゲットは個々の性格や背景から戦闘時の行動が大きく異なり、積極的に逃走を図ろうとするものや、積極的に交戦を試みるものなど様々である。また、配られるカードはランダムであるものの、積極的に逃走を図ろうとするターゲットには「逃走」「全力逃走」が多く配られ、接近戦を得意とするターゲットには「接近」が多く配られるなどのように、ターゲットの特性によって偏りが存在するほか、一部のターゲットにはターゲット固有のカードも存在する。 ターゲットとの対峙距離には「長距離」「中距離」「近距離」「鼻先」の4段階が存在する。ターゲットの攻撃には適正とされる距離が設定されており、距離によってダメージ量が変動するほか、適正距離での攻撃時には、主人公の防御を無視するなどの特殊効果をもたらすものも存在する。 戦闘は以下のいずれかの条件によって終了することになる。
勝利条件を見れば判るように、ターゲットのHPをいくら減らしても勝利できず、ターゲットのHPを一定値以下に減らしたときに出現するカード「呑み込む」「丸呑み」を選択して成功させる必要がある。なお、「呑み込む」「丸呑み」の成功率には、ターゲットの呑み込み難度、ターゲットとの対峙距離、ターゲットが体勢を崩しているかなどの様々な状況が影響している。 敗北条件に主人公のHPが一定値以下となるケースが挙げられているが、主人公がいくら攻撃を受けたとしてもHPは1までしか下がらず、戦闘後、急速にHPは回復するため、攻撃そのものによってゲームオーバーになることはない。但し、敗北条件による戦闘終了の場合には「狩場維持力」が減少することになり、その意味でゲームオーバーに近づくことになる。 ターゲットが触手の配置された通路に差し掛かると、ターゲットの足留め効果が発生することは前述の通りである。この状況でターゲットと接触すると、ターゲットの体勢が崩れた状態から戦闘が始まることになる。また、毎ターン終了後、触手による補助攻撃が発生し、ターゲットのHPを削ってくれることになる。 ターゲットの中には常に行動を共にしている者もいるほか、偶然に同じ場所に複数のキャラクターが鉢合わせになる場合もある。そのような場面で戦闘が発生することもある。その場合には、戦闘の先頭でどのキャラクターをターゲットとするかを選択してから戦闘を始めることになる。このとき、選択しなかったキャラクターは、戦闘ターン終了後に主人公における触手と同様、ターゲットサイドの補助攻撃を仕掛けてくることがある。一度ターゲットを選択して以降は、ターゲットを自由には選べない。既に選択しているターゲットが逃走した場合、残りのキャラクターの中からランダムに次のターゲットが決定されることになる。 カードの種類用意されるカードは以下の通りである。カード末尾に"*"マークが付与されているものは、主人公には選択できないものを意味する。
成長システム主人公は戦闘後に経験値を得ることができ、事前に定められた経験値を得る度にレベルアップしていくという成長システムが設けられている。レベルアップにより、体長が伸びることで最大HPが増加するほか、6種類のいずれかのタイプの追加成長を選択することが可能となっている。
「狩場維持力」が0になるか、(捕食あるいは離脱によって)ターゲットが狩場からいなくなるとゲームオーバーとなる。ゲームオーバーとなった場合、その能力の一部を引き継ぐことができるようになっており、それによって次の周回をより有利な状態から始められるようになっている。 事件の真相本作の主人公は肉塊の化け物であるが、化け物と化す前は人間であり、医師を職としていた。彼は、人は次の世代に空席を作るために死んでいき、そして空席に生を宿すと考えていたが、天才は他者に空席を明け渡す必要はない、つまり自身は永遠に生きて人を助ける医師を永遠に続けていくべきだと考えるようになる。 そのような場面に風の妖精アールゥが現れる。アールゥが差し出すのはサッカーボールほどの大きさの肉塊で、これを食べることによって永遠の命が授けられるという。そして、主人公はその肉塊を食べる決意をする。こうして永遠の命を得た主人公だが、妻や娘が老衰で死んでいく姿を見守るうち、人を助けたいという当初の考えは薄れていった。 その肉塊は、妖精の世界で苗床蟲と呼ばれている生物であった。生命力が強くて寿命を持たず、そして、その肉を食べると永遠に生きられるようになると噂されていた。アールゥが肉塊を主人公に差し出したのは、妖精にとってはごく普通の「永遠に生きる」ということを、寿命のある生物が行ったらどのように生きていくのかを観察したかったという、気まぐれな理由からであった。確かに主人公は老化しない体となったが、生命力の強い苗床蟲は主人公の体内で生き延び、長い年月ののちに主人公の体は蝕まれ、ついには主人公自身が苗床蟲に変容することとなった。そして、苗床蟲の持つ危険な特性、人型生物であればどのような生物でも呑み込んで体内で陵辱する、そのために現実世界から切り離された狩場を作りだしてターゲットを引き込む力を身につけ、今回の集団失踪事件に発展することとなった。 鈴蘭と千理は、戦禍の中で捨てられていたところを人間だった頃の主人公に拾われた子供である。人から見捨てられ人間として生きていくことができない子供に、人間としての枠から外れた自身と同じ境遇を感じながら、仲間、つまり永遠に生きる種族を作ろうと、自身の血を輸血する実験を始める。鈴蘭は主人公の娘が死んですぐに拾った子供で、人間の頃の主人公とある程度の年月を過ごしている。その間に主人公の血を輸血してもらっており、それによってほとんど老化しない体となっている。実際、既に主人公と別れてから数十年が経過しているが、容姿はほとんどその頃のままとなっている。また、主人公が苗床蟲に変容するまでの経緯を知っているほか、アールゥとも知り合いである。千理は、主人公が苗床蟲に変容した頃はまだ赤ちゃんであったため、千理はそういった背景事情を知らない。但し、千理も少ないながらも輸血を受けており、成長の速度はかなり抑えられている。 通常、苗床蟲は一度獲物を捕獲すると獲物を半永久的に体内に留めておき、体内から出すことはない。しかし、主人公は普通の苗床蟲とは異なり、一定以上経過して過去の記憶を失い、さらには主人公の血を受け継いで老化しなくなった獲物を体内から出して自由に行動させようとする。元々主人公の血の影響を強く受けているために主人公に呑み込まれても記憶を失っていない鈴蘭は、主人公の行動を、永遠に生きる種族を作るという当初の目的が理由になっていると推測している。 なお、狩場に本来紛れ込むはずのない男性キャラクターの凪は、閉鎖空間を作り出す苗床蟲の能力を受け継いでいる、千理によって作り出された幻(但し、他の閉鎖空間を構成する非生命体同様、実体を伴ったもの)である。凪が舞鳥のそばではなく千理のそばに出現するのは、そのためである。本来の凪は、本作の舞台の約1ヶ月前、央華付属校の全校生徒が参加する(卒業生と在校生の想い出の場という意味を持つ)修学旅行の直後に事故によって入院中となっており、事故に関与する3人(千理、舞鳥、七海)はショックからそのことを本作後期になるまで忘れている。 スタッフ
脚注
関連項目
外部リンク
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