中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法
中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(ちゅうしょうきぎょうのそうぞうてきじぎょうかつどうのそくしんにかんするりんじそちほう、平成7年3月27日法律第47号)は、中小企業の創業および技術に関する研究開発等を支援するための措置を講ずることにより、中小企業の創造的事業活動の促進を通じて、新たな事業分野の開拓を図り、もって日本産業構造の転換の円滑化と国民経済の健全な発展に資することを目的として制定された法律である。 2005年(平成17年)4月13日をもって廃止され、中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律へ統合された。 構成
制定の経緯創造法は、1985年10月に施行された日本初のベンチャー振興法である「中小企業技術開発促進臨時措置法(通称 : 技術法)」の期限切れにともない、その後継法として制定された。その際に「異分野中小企業者の知識の融合による新分野の開拓の促進に関する臨時措置法(通称 : 融合化法)」を統合した。 まず、技術法は、1980年代前半に起こった第2次ベンチャーブームとハイテクブーム(エレクトロニクス、新素材、バイオテクノロジー)を受けて制定された。しかし、1985年~1995年の10年間で個別中小企業50社と150組合を認定するにとどまった。このように乏しい実績しか残せなかった原因は、プラザ円高のために第2次ベンチャーブームが施行後まもなく終焉したこともあるが、用意された技術高度化補助金が組合だけを対象にするなど、個別中小企業は認定を受けてもメリットが少なかったことが大きい。技術法は、元気の良い個別中小企業を初めて法的に支援したということで、中小企業政策上、画期的なものではあったが、集団主義のくびきから自由になっていた訳ではなかったのである。 そこで、創造法の策定に当たっては、技術法の反省を踏まえて、中小企業庁の1990年代ビジョンの中で登場した「創造的中小企業」をキーワードに、個別中小企業中心の施策体系を構築することとなった。そのため、認定された個別中小企業向けに、技術改善費補助金の中に創造法枠や、当時としては画期的な無担保・第三者保証なしの信用保証制度などが新たに設けられた。そして、バブル崩壊後の閉塞感に苛まれ、次のリーディングインダストリーが見えない状況にあった日本経済の突破口を見つける役割をイノベーションに挑戦する多様なベンチャービジネスに託すものとなった。 さて、創造法における研究開発等事業計画の認定要件の中心をなす「著しい新規性を有する技術」とは、新たな技術要素が付加(自主開発でも移転・導入でも可)され、研究開発やデザイン開発を行わなければ克服できない課題があるもので、経営上のノウハウを含むものである。簡単に言うと、製造業のみならず様々な産業分野におけるイノベーションを法律的に定義したものであり、いわば「イノベーション基準」とも言えるものである。なお、この認定基準は、技術法からそのまま引き継いだものであった。 一方、2005年4月に創造法が統合された「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(通称 : 中小企業新事業活動促進法)」における経営革新の認定要件「3%の付加価値向上」は、1993年制定の「特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法(通称 : リストラ法)」に端を発するもので、いわば「リストラ基準」と言えるものである。 支援対象
支援措置
なお、支援措置の中心をなす技術改善費補助金(創造的中小企業振興枠)とその後継補助金の予算額は、1995~2005年度の11年間の累計で国費202億円(都道府県負担も同額)であった。 実績
参考文献
関連項目 |
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