中国短編文学賞

中国短編文学賞
(ちゅうごくたんぺんぶんがくしょう)
日本の旗 日本
主催中国新聞社
初回1955年
最新回2020年
最新受賞者美濃左兵衛「きょうだい」

中国短編文学賞(ちゅうごくたんぺんぶんがくしょう)は、日本文学賞中国新聞社が主催している[1]中国地方の文芸振興を目的として実施されている[2]

沿革と概要

中国新聞新人登壇・文芸作品懸賞

1955年、中国新聞新人登壇・文芸作品懸賞として開始された[3]。第1回大賞受賞の小久保均は1972年に「折れた八月」で直木賞候補[4]、1977年に「夏の刻印」で芥川賞候補[5]。第9回入選の灰谷健次郎は、第1回路傍の石文学賞を受賞している[6]。広島大学名誉教授の坂本公延は、第20回で第1席に入選している[7]

中国短編文学賞

大賞には50万円、優秀賞には10万円が贈られる。短編小説を募集している。題材は自由[8]。応募資格は、中国地方在住、在勤、在学者に限られる[9]2014年からは、芥川龍之介賞作家の高樹のぶ子が選者を務めている[2]。第40回優秀賞受賞の巣山ひろみは、第20回ゆきのまち幻想文学賞長編賞、第42回児童文芸新人賞を受賞している[10][11]。第44回大賞受賞の古林邦和は、第3回とっとり文学賞を受賞している[12]

受賞作一覧

年は受賞作の発表の年。

第40回から第46回まで(選者 重松清

回(年) 受賞作 著者
第40回(2008年) 大賞 「猪目の洞っこ」 木下訓成
優秀賞 「紫陽花」 森岡隆司
優秀賞 「声」 巣山ひろみ
第41回(2009年) 大賞 「プア」 川野上裕美
優秀賞 「水面渡りて…」 井上雅博
優秀賞 「牛」 水野知夫
第42回(2010年) 大賞 「窓辺のトナカイ」 森岡隆司
優秀賞 「父の引き出し」 西島恭子
優秀賞 「砂で描いた鳥」 福井幸江
第43回(2011年) 大賞 「坂道の停留所」 内海陽一
優秀賞 「小石の砦」 福井幸江
優秀賞 「魚の目」 あかまつつぐみ
第44回(2012年) 大賞 「トマト」 古林邦和
優秀賞 「想い出のカケラ」 松崎覚
優秀賞 「紅い鳥居」 田中早紀
第45回(2013年) 大賞 「金の波」 如月恵
優秀賞 「年末大決算」 久保田大樹
優秀賞 「オレンジ色のノート」 光岡和子
第46回(2014年) 大賞 「ともしび」 森岡隆司
優秀賞 「夜の雲」 古川こおと
優秀賞 「ホットケーキを、テントの中で」 吉田弓夏

第47回から現在まで(選者 高樹のぶ子

回(年) 受賞作 著者
第47回(2015年) 大賞 「穴のあいた軍手」 小野絵
優秀賞 「そらのものがたり」 坂原友美
優秀賞 「黄泉物」 安部雄登
第48回(2016年) 大賞 「波光」 郡章典
優秀賞 「猫を飼う」 橋本由紀
優秀賞 「秘黙の先に」 岡田栄一
第49回(2017年) 大賞 「外来魚の心情」 的場泉
優秀賞 「耳なしうさぎ」 西島恭子
優秀賞 「CCに並ばない」 小池夏美
第50回(2018年) 大賞 「狭霧の下で」 古川こおと
優秀賞 「懸想」 濱野登美雄
優秀賞 「山茶花のなみだ」 福島穂花
第51回(2019年) 大賞 「月の人」 則直真衣
優秀賞 「雨上がりに」 中村聖子
優秀賞 「真夜中、コンビニへ行く」    瀬戸みゆう
第52回(2020年) 大賞 「きょうだい」 美濃左兵衛
優秀賞 「玄鳥去(つばめさる)」 武田純子
優秀賞 「泣き別れ」 小浦裕子
第53回(2021年) 大賞 「川の聲(こえ)」 アンベ章
優秀賞 「交差点」 見坂卓郎
優秀賞 「セオリツヒメ」 小富百
第54回(2022年) 大賞 「おいおい」 藤田雄一
優秀賞 「口紅」 沢見礼子
優秀賞 「好敵手」 澤原理乃
第55回(2023年) 大賞 「カラスの埋葬」 小桜けい
優秀賞 「カミ待ち列車」 中川真由美
優秀賞 「ヒロチ、破顔す。」 松村知彦
第56回(2024年) 大賞 「クラゲのリンネ」 眞鍋敢
優秀賞 「送り鐘」 谷本美弥子
優秀賞 「コバルトブルーの空」 武谷田鶴子

脚注

出典

関連項目