不動ジュン不動 ジュン(ふどう ジュン)は、永井豪作・原作の漫画およびテレビアニメ『デビルマンレディー』に登場する架空の人物。アニメ版の声優は岩男潤子。 漫画版とアニメ版で、その設定は大きく異なる。 漫画版活発な性格で、高校の体育教師をしているが、元は優秀な水泳選手だった。水泳部の合宿中、アスカ蘭の策略によりデビルマンレディーとして覚醒し、生徒たちが変身したデビルビーストを倒す。その後、自らの戦いたいという欲求と、身近な誰かを守りたいという目的のため、ビーストと戦いを展開した。中盤以降は戦いを重視するために学校を退職した。アニメ版ほど自分の変化に思い悩むことはなく、早期に自分の変化を受け入れ、戦い続ける。しかしジュンの正体は、地獄から脱出し転生した飛鳥了(サタン)の女の部分であり、サタンの男の部分であるアスカと融合し、完全なサタンとなった。最後はデビルマンやデビルマンライガーらデーモン軍団を率いて、ミカエルの軍団との戦いを開始した。 弟がいる。 漫画版のデビルマンレディー不動ジュンが人の心を持ったままビーストとして変身した姿、体も1~2周り大きくなり筋肉質化。体の一部が体毛に覆われる。戦闘能力は極めて高く、設定上はデビルマンと同等の能力を持っている。爪を使った引っ掻きを始め、肉弾戦を得意としている。
ただし、飛行能力はなくデビルイヤーをバタつかせて滞空時間を伸ばすか滑空する程度である。デビルマンにないレディー独自の能力として自在に動くニードル状の尻尾、踵のヒールクロウがある。
アニメ版ファッションモデルをしている22歳の女性。実家は仙台で、短大卒業後、モデルになるために上京した。物語開始時は都心のマンションで一人暮らしをしていたが、後に滝浦和美が押しかけてきて同居することになる。「デビルマン」として覚醒後、HAではビーストを駆る“ハンター(エグゼクター)”として扱われ、HA関係者からはコードネーム「ハンターJ」と呼ばれる。なお、ベイツのみが唯一、何度かだけ「デビルマンレディー」や「レディー」の呼称を用いた。 ある夜、突然自宅に現れたアスカ蘭により連れ出された倉庫で、狼型ビースト・ウルヴァーに襲われ、命の危機に追い込まれた影響により「デビルマン」として覚醒する。翌朝、それが悪夢ではなく現実だと自覚した際には、衝動的に自殺を試みるも踏み切れず、その後は表面上はさほど変わらぬモデルとしての日常に戻りつつ、アスカの呼び出しに応じてはハンターとしてビーストを狩る二重生活を送ることとなる。 元来の陰気な性格も相まって、不条理な運命への絶望、先の見えぬ凄惨な戦いに対する葛藤と虚無感、そして獣の欲望への自己嫌悪に絶えず苦しむ。物語中盤では、和美の存在や前田の励ましもあってか「たとえ世界に居場所がなくとも“人”として生き続けたい」との前向きな思いも持っていることを吐露している。その後徐々に、しかし確実に狂い行く世界と自分自身への苦悩はむしろ日増しに深刻となり、情勢悪化とともに本人の精神もまた追い詰められていく。それは、和美との間に起こる束の間の幸福と最悪の悲劇により決定的となってしまう。 物語終盤では、楽園にてアスカに犯され、インフェルノに堕とされる。一時は絶望し、状況を受け入れようとするも、同じくインフェルノに堕ちていたかつての敵、そして和美との邂逅によって、アスカを討つことを決意する。死んでいった全てのビーストやデビルマンの力と怨念、そして和美の愛をその身に凝集させ復活、インフェルノを脱する。そして“悪魔”として地上に再臨し、“神の子”アスカと対峙する。終始不利な戦いとなるが、両翼、両腕を失いながらも逆転勝利する。そして月日が流れ、復旧し以前の活気を取り戻した街に、和美に似た少女や、尻尾が生えた子供たちが元気に駆けていくのを静かに見送りながら、ジュンは一人孤独に歩き、人知れず雑踏の中へ消えて行く。 なお、漫画版『デビルマン』の不動明とは、人間やその他の存在(ビースト/デーモン/神々)との関係や、辿る運命が対になっている。 また、「デビルマン」の名を冠する様々な作品の中で、いわゆる“人間”とそれ以外の勢力(デビルマン、デーモン、あるいはデビルビースト)の両方を救うことができた、唯一のデビルマンである。 性格その華やかな美貌とは対照的に、性格は内向的かつ陰気。趣味や特技は一切描かれていないが、外国人のモデルの友人が複数いて時々バーで飲んでいるらしく、程度は不明だが、酒を飲んだり英会話ができるようである。一方で、前田や湯浅、ベイツといった男性はもちろん、黒崎あおいや紺野ひとみ、千代子、そして和美やアスカといった同性をも無意識のうちに魅了するなど、ある種“魔性の女”的な性質を持つ。 覚醒後は、表面的には大きな変化はないが、まれに強い劣情に支配され、ナンパについていく、キスや淫らな接触で相手を誘惑する、幻覚にも近いほどの性的妄想に我を忘れる、など普段の彼女からは想像し難い行動をとるようになってしまう。大抵はすぐに我に返り、強烈な自己嫌悪を味わうものの、欲望を抑えきれないことへの自覚や、置かれている状況そのものへの諦観からか、開き直ったかのように冷静に振る舞うことも多い。しかし、破壊衝動や戦いへの苦悩もまた日増しに深刻になるにつれ、その精神状態は加速的に悪化することとなる。 そんな彼女を辛うじて支えているのは、親しい人々の存在もそうだが「人間として生きたい」という思いも大きい。 職業作中における人気女性ファッション雑誌『KiKi』をはじめ、その他雑誌、広告、テレビCMなど幅広く活躍している売れっ子モデルである。22歳にして都心にあるマンションの高層階、1LDK以上の部屋に一人で暮らしていることからも、その仕事と収入が充実していることが窺える。また、黒崎あおいの発言から、高校生の時には既にモデルを志していたようである。にもかかわらず、仕事に強い虚無感を抱いており、和美との同居以前は、さして興味のない深夜のテニス中継を観ながら夜更かしをしたり、冷蔵庫がほぼ空で食事に気を使っていない様子であるなど、コンディション維持のための自己管理ができていない様子であった。加えて、精神的に特に不安定であった時期には、仕事に対し卑屈かつ無責任な発言をして、和美に苦言を呈されている。そして物語後半には、自身の情緒不安定と戦いの激化から、湯浅に引退を申し出るに至った。しかしさすがに、最後の仕事を終えた際には、その仕事が出来た喜びと感謝を口にしている。 身体的特徴モデルという職業にふさわしい美貌の持ち主である。ダークブラウン、ロングストレートの美しい髪と、長身かつグラマラスなスタイルが特徴。また、眼を称賛されることが多い。その魅力は他のモデルと比べても特段のようで、モデルを見慣れているはずの写真家や撮影スタッフ、モデル仲間の男性からも声をかけられたり絶賛されるなどしている。反面、本人曰く元々体が弱い方で、小学生のころはしばしば保健室で休んでいたという。また、初めての上京の際も駅で貧血を起こし、自分に呆れたと語っている。高校時代にも、水泳をする黒崎あおいを応援中にやはり貧血で倒れ、彼女に介抱されている。ところがデビルマンとなってからは一転、変身していない状態であっても高い生命力と身体能力を有するようになり、胴体を貫かれる重傷を負っても数分もすれば完全に回復し、戦いの最中に負った傷も戦っている間に治ってしまう。さらに、本人の苦悩とは裏腹に、顔色や髪質が良くなったり妖艶さが増すなどし、皮肉にもオーディションでの採用率はそれまで以上に高まった。 人間関係人間関係は希薄で、親しい者は少ない。
アニメ版のデビルマンレディー不動ジュンが人の心を持ったままビースト化した姿。身長は2.2~3mほどとされるが、身長175cmのアスカとそれほど変わらない時もあるなど、その精神状態や変身の度合いによって変化するものと思われる[要出典]。作中の全デビルマンの中でも最強の存在である。飛行能力も高く、軍用ヘリでも追跡不可能、さらにはジェット戦闘機とすら同等のスピードで飛行する場面もある。通常の第1形態からギガイフェクトを起こすことで第2形態ギガレディーに変身することが可能である。当初は変身すると闘争本能に支配されていたが、幾度かの戦いを経験後、変身前とほぼ同様に感情をコントロールすることができるようになった。反面、そのことで戦いの最中でもたびたび迷いが生じ、思わぬ苦戦を強いられる要因ともなった。
必殺技技の名称は講談社『デビルマンレディー アニメーションメモワール』内の記述に基づく。
逸話本役を演じた岩男潤子は、デビルマンレディー、ギガレディーについても、ほとんどのシーンでエフェクトなしで声を当てている。そのため、自宅で低く唸るような発声の練習をしていたところ、普段の声とあまりに違ったためか、愛犬に吠えられたという[2]。 脚注 |
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