一言主神社 (常総市)
一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)は、茨城県常総市にある神社。一言明神(ひとことみょうじん)ともいう[8][9]。正月3が日には例年15万人の参拝客が訪れる、茨城県西地域有数の初詣スポットである[7][10]。 旧社格は村社[5]。 祭神祭神は一言主大神(別名・事代主神、俗に恵美須神とも)[3][4]。 福の神としてのほか、商売・災禍・農作・縁結び・平和の神といわれ[4]、たった一言の願い事であっても聞き入れてもらえるという[11]。一生に一度だけご利益を得られるという信仰もあり、非常時に家族が神社を訪れて祈願するという[7]。 境内社『茨城県神社写真帳』には、天満神社(菅原道真)、白山神社(木花咲耶姫命)、香取神社(経津主神)、稲荷神社(保食命)の4社が記されている[5]。現在、香取神社と稲荷神社は香取社・稲荷社合社になっている。 現在の境内社は、大黒社(大国主命)、香取社・稲荷社(宇迦之御魂大神、経津主大神)、縁結社、合社(三峯神社を始めとする13社)の4社である。 合社の13社は、明治42年3月、旧菅生村に鎮座していた下記の神社(いずれも旧無格社)を合併したものである。三峯神社(日本武尊)、愛宕神社(軻遇突智命)、八幡神社(誉田別尊)、三王神社(大山祇命)、妙見神社(月読命)、天神社(菅原道真)、道祖神社(猿田彦命)、別雷神社(別雷命)、八坂神社(速須佐之男命)、大日孁貴神社(大日孁貴命)、白髪神社(猿田彦命)、浅間神社(木花咲耶姫命)、厳島神社(市杵島姫命)。 歴史
境内境内の面積は約2,800坪(約0.92ha)で、1940年(昭和15年)の1,962坪(約0.65ha)から大きく拡張した[13]。拡張分のほとんどは駐車場に充てられている[13]。境内の常夜灯、鳥居、玉垣は信仰者から寄進を受けたものである[13]。
祭事9月13日の例大祭に参拝者が集中する傾向があったが、2010年代には正月、月次祭を始め、特別な神事のない平日の参拝者も多い[16]。
一言主信仰近代にはすでに著名な神社であり、秋季例大祭の「からくり綱火」や神威が知られていた[7]。鹿島郡や行方郡では「徴兵検査で不合格になった」、「日露戦争の召集令状が届かなかった」、「医師に見放された患者が全快した」など世評が高く、両郡から多くの人が参拝に訪れた[7]。 鎮座地の大塚戸町には氏子組織があり、町内6つの班から1人ずつ氏子総代を選出している[21]。氏子総代は世襲制で任期はない[3]。 1960年代後半から1970年代中期には各地に一言主神社を崇拝する講社が結成され、最盛期の例大祭にはバス500台が詰めかけるほどであったという[7]。しかし、その後講社は衰退したため、神社では看板の設置や昇殿祈祷の実施、祈祷料の明確化を行って個人参拝者誘致を試みた[7]。 2011年(平成23年)の講社数は25社で、茨城県に12社(桜川市・笠間市・稲敷市など)、千葉県に11社(八千代市・成田市・佐倉市など)、東京都と栃木県に各1社となっている[22]。講社の講員は例大祭の折に全員で昇殿祈願を行う(総参)[22]。 個人参拝者は神社から半径60km圏内からの来訪が多く、2011年(平成23年)の昇殿祈願者は茨城県(常総市・守谷市・坂東市など)から9,208人、千葉県(野田市・柏市・我孫子市など)から2,380人、埼玉県から659人、以下、東京都、栃木県、神奈川県となっている[23]。 ミツバチ専用水飲み場例年、夏場にミツバチが手水舎に集まると、その一角にミツバチ専用の水飲み場が設置される[24]。器には半分に割った竹が使用されており、ミツバチが溺れないように足場として苔や小石が盛られ、苔が湿る程度の水を細竹で引き込んでいる[25]。また微笑ましい雰囲気を出すため、神社の境内のミニチュアのように製作されている[24]。 水飲み場が初めて設置されたのは2016年の夏である[26]。手水舎に集まったミツバチに「刺されそうで怖い」と参拝客から苦情があり、うまく共存する方法を考え設置した[25][26]。ミツバチは身体に蓄えた水で巣を冷やしたり、蜜を薄めて幼虫に与えているとされる[24][25]。危害を与えなければ人を刺すおそれはなく、神社は「刺激せず温かく見守ってほしい」としている[25][26]。 参拝客からは「微笑ましい」「癒される」と好評で、SNS上でも称賛されており[24]、「ミツバチに世界一優しい神社」と言われている[26]。 交通アクセス一言主神社のある常総市大塚戸町は菅生沼を挟んで坂東市と隣接し、ニュータウン開発の進む守谷市や内守谷町きぬの里からのアクセスが良い[27]。
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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