ヴィックスバーグ (ミシシッピ州)
ヴィックスバーグ市(英:Vicksburg)は、アメリカ合衆国ミシシッピ州の都市。ウォーレン郡の郡庁所在地である。人口は2万1573人(2020年)。州都ジャクソンの西65kmに位置している。ミシシッピ川に面しており、対岸はルイジアナ州である。大規模な河川港があり、アメリカ陸軍工兵司令部のミシシッピ川師団が立地している。 ヴィックスバーグはウォーレン郡全体を包含するヴィックスバーグ都市圏の中核である。 歴史ヴィックスバーグの地域にはまずフランス人が入り、1719年、ヤズー川を見下ろす高い崖の上にサンピエール砦、今日のレッドウッドを建設した。しかし、先住民族が10年後にこの開拓地を殲滅した。1790年にスペイン人によってこの地に建設された軍事基地はノガレスと呼ばれたが、アメリカ人が1798年3月に占領したときにウォルナットヒルズ(スペイン語のノガレスはウォルナットの木という意味)と名前を変えた。 不規則に拡がった地域社会が発展して、1825年にヴィックスバーグとして公式に市制を布いた。この名前は、メソジストの牧師でアメリカ合衆国の独立について良心的拒否者ニューイット・ヴィックに因むものだった。南北戦争のとき、ここはビックスバーグの包囲戦の場所となり、北軍がミシシッピ川全体を支配するようになる重要な出来事となった。47日間に及ぶ包囲は市内の者を飢えさせて降伏に追い込むためのものであり、ミシシッピ川を見下ろす高い崖の上の陣地は北軍の攻撃にも十分耐えると分かったからだった。南軍ジョン・C・ペンバートン将軍は7月4日(独立記念日)に降伏することで降伏の条件が少しでも良くなると期待した。その日に兵士達に武器を置かせ、ユリシーズ・グラントや北軍の部隊が市内に入ることを認めた。ペンバートンは包囲戦中の自分の行動をその後悔やむことになった。ヴィックスバーグ市は第二次世界大戦中まで7月4日を祝うことは無かった。ヴィックスバーグの占領と時を同じくして、ゲティスバーグの戦いで南軍のロバート・E・リー将軍が敗れ、南北戦争の転回点となった。 ヴィックスバーグ市がミシシッピ川沿いにあるために、19世紀におけるその評価は川の驚異的な蒸気船の交通によっていた。1881年から1894年の間、ミシシッピ川に1859年から1898年まであった著名蒸気船会社アンカー・ラインは、「シティ・オブ・ヴィックスバーグ」号という蒸気船を運航した。1876年、ミシシッピ川洪水でヴィックスバーグを過ぎる大きな屈曲部が切り取られ、新しい水路を通ることが制限された。アメリカ陸軍工兵司令部が1903年にヤズー川の向きを古く浅くなった水路に変え、川岸を蘇らせた。西部への鉄道は渡しの蒸気船やフェリー・バージに頼っていたが、1929年に鉄道と高規格道路の複合橋が建設された。これはメンフィスとバトンルージュの間の唯一の鉄道橋であり、ナチェズとグリーンビルの間の唯一の道路橋だった。州間高速道路20号線の橋が1969年に架かり、貨物列車は今も古い橋を使っている。南北を結ぶ交通はミシシッピ川とアメリカ国道61号線に頼っている。 1894年3月12日、ソフトドリンクの人気商品コカ・コーラが、地元の菓子屋ジョセフ・ビーデンハーンによってヴィックスバーグで初めて瓶詰めされた。今日でも残っている19世紀のビーデンハーン・ソーダ瓶はコカコーラ記念品の収集家によって付加価値が付けられており、その菓子店はビーデンハーン・コカコーラ博物館となっている。 ヴィックスバーグは1927年のミシシッピ大洪水のときに避難民の主要な集合地点と一時的な住まいを提供した。この洪水はニューイングランドの面積にほぼ匹敵するミシシッピ・デルタを水没させた。この洪水によって、アメリカ陸軍工兵司令部の水路実験施設が設立され、主要な水力実験室となって川から守る手段を開発した。この施設は現在土木研究開発センターと呼ばれ、軍事工学、情報技術、環境工学、水力工学および地質工学の分野で機能している。 人種騒乱ヴィックスバーグの歴史は多くの私刑を含む人種騒乱という傷が付き[2]、1874年12月7日に起こったヴィックスバーグ虐殺では少なくとも50人の黒人住民が殺された。ある証言では、ヴィックスバーグやその周辺地域で最大300人の黒人が殺されたという。この殺人は白人がヴィックスバーグの選挙で選ばれた黒人役人を排除しようとした結果だった。ユリシーズ・グラント大統領は連邦軍をヴィックスバーグに送って暴動を鎮めさせた。 1875年のミシシッピ・プランはヴィックスバーグ虐殺の経験から起こった。この計画は黒人有権者を脅かすものであり、黒人を役人に選出しないようにした。 地理ヴィックスバーグは北緯32℃20分10秒、西経90度52分31秒に位置する。アメリカ合衆国国勢調査局によれば、市域全面積は35.3平方マイル (98.32 km2)、このうち陸地は32.9平方マイル (85.2 km2)、水面は2.4平方マイル (6.2 km2)で水域率は6.78%である。ミシシッピ川とヤズー川の合流点にあたる。 人口動態基礎データ
人種別人口構成
年齢別人口構成
世帯と家族(対世帯数)
収入収入と家計
ヴィックスバーグには工兵隊の大きな施設が3つ有る。工学研究開発センター (ERDC)、ミシシッピ川地区本部、および ヴィックスバーグ地域本部である。 教育ヴィックスバーグ市の教育はヴィックスバーグ・ウォーレン教育区、ヴィックスバーグ・カトリック学校(セントフランシス・ザビエル小学校とセントアロイシウス高校)およびポーターズ・チャペル・アカデミーが見ている。 大衆文化の中で
著名な住人
観光
脚注
関連項目参考文献
外部リンク |