ヴァンガード級原子力潜水艦
ヴァンガード級原子力潜水艦 (Vanguard class nuclear-powered submarine) はイギリス海軍が保有・運用している戦略ミサイル原子力潜水艦である。イギリスが運用している唯一の核戦力であり、潜水艦発射弾道ミサイルを搭載し戦略哨戒を行う。レゾリューション級原子力潜水艦の後継艦で、4隻が就役しており、常時1隻が任務についている。 全艦がスコットランドのグラスゴーから25マイル(40km)西方に位置するクライド海軍基地を母港とする。 概要本級は1984年にトライデント・プログラムに基づきイギリス政府により導入が発表され、4隻が建造された。全艦が1986年から1999年にかけてヴィッカース・アームストロングで建造され、1993年から順次就役した。バロー・イン・ファーネスのヴィッカーズ・シップビルディング・アンド・エンジニアリング(VSEL)で建造された。デヴォンシャー・ドックホールは本級を建造するために構築された。 ヴァンガード級は、ヴァリアント級やアメリカ海軍のラファイエット級を元に設計された前のレゾリューション級と異なって、弾道ミサイル原子力潜水艦として初めから設計が行われた。149.9メートルの全長と15,980トンの排水量を持つ本級はレゾリューション級のおよそ2倍の大きさとなり、ソ連のタイフーン型やアメリカのオハイオ級に次いで、今までに建造された3番目に大きい潜水艦であった。大型化の要因はポラリスに比べ遙かに大型のトライデントD5・ミサイルにあった。 武装は弾道ミサイル発射筒に加え、21インチ魚雷発射管4門が装備され最大射程54kmのスピアフィッシュ魚雷を搭載している。ミサイル・コンパートメントはオハイオ級の物を元にしており、オハイオ級では24基が装備できるが本級では16基に減少している。 新型のロールス・ロイスPWR2型原子炉は、本級のために設計された。これは前モデルの2倍の耐用年数を持ち、最大25ノットの速力と航行燃料を補給することなく世界を40周回することが可能であり、高価な燃料交換を行うことなく艦歴を全うすることができる。また、補助発電機としてパックスマン・ディーゼル発電機2機とWH アレンターボ発電機を装備している。 比較表
同型艦全艦がVSELのバロー・イン・ファーネス造船所で建造された。
注釈関連項目外部リンク
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