ヴァルトガイスト
ヴァルトガイスト (Waldgeist[1]) はイギリス生産、フランス調教の競走馬である。主な勝ち鞍は2016年クリテリウムドサンクルー(GI)、2018年サンクルー大賞(GI)、2019年ガネー賞(GI)、凱旋門賞(GI)。 牡馬としては小柄な体格で、2018年香港ヴァーズ出走時の馬体重は927ポンド(約420.48kg)であった[3]。 戦績2014年2月18日にイギリスで誕生。フランスの名門アンドレ・ファーブル厩舎から2016年9月にデビュー。3戦目のクリテリウムドサンクルーで2着ベストソリューションを破ってG1初制覇[2]。 2017年はジョッケクルブ賞(仏ダービー)での僅差の2着に入るなど善戦を続けたものの、年間を通して未勝利に終わった[2]。 2018年5月のエドゥヴィユ賞で2歳戦以来となる久々の勝ち星を挙げると、続くシャンティイ大賞も3馬身差で快勝。迎えたサンクルー大賞で2着コロネットとの争いをハナ差制して2度目のG1タイトルを手にした。秋は日本からクリンチャーも出走していたフォワ賞で鋭い瞬発力を発揮し、2馬身半差で完勝。これで4連勝とし、主戦のピエールシャルル・ブドーも「今年になってフィジカルもメンタルも非常に成長して、足りなかった小さなパーツたちが集まってきた」と成長ぶりを讃えた[4]。本番の凱旋門賞では牡馬の大将格としてエネイブルに次ぐ2番人気に推されたが、後方から差を詰めたものの4着に敗れた。その後はブリーダーズカップ・ターフ、香港ヴァーズと世界を転戦したが、それぞれ5着、4着に終わった[2]。 2019年始動戦のガネー賞で前年の仏ダービー馬スタディオブマンに4馬身半差をつけて圧勝し、3度目のG1制覇を飾った。その後はイギリスに遠征し、プリンスオブウェールズステークスでクリスタルオーシャン、マジカルに次ぐ3着、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスではエネイブルとクリスタルオーシャンの壮絶な叩き合いに食らいついて約2馬身差の3着と善戦を続けた[2]。フォワ賞では直線で逃げたキセキを交わして先頭に立つと、ウェイトゥパリスに2馬身差を付ける完勝で連覇を達成した[5]。 続く本番の第98回凱旋門賞は重馬場での開催となる。ヴァルトガイストは陣営からも速い馬場が得意と評されており[6]、エネイブルのジョン・ゴスデン調教師からもライバル視するのは「雨が降らない場合」とされていた[7]。しかし当日は重い馬場を苦にせず、史上初の凱旋門賞三連覇を狙ったエネイブルをゴール前で差し切り、JRAオッズ9番人気、現地オッズでも5番人気タイの評価を覆して優勝[8]。フォワ賞の勝ち馬としては1984年のサガス以来、5歳以上の馬としては2002年のマリエンバード以来の優勝となった。そしてこのレースを最後に現役を引退した。 種牡馬入り後2020年よりアイルランドのバリーリンチスタッドで種牡馬となる。 2025年よりドイツのゲシュティート・ルンツェンに移動し、種牡馬生活を続けることになった[9]。 競走成績以下の内容は、Racing Post[2]の情報に基づく。
血統表
脚注
外部リンク
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