太陽電池の搭載面積がチャレンジャークラスでシリコンセル4 m2、化合物マルチジャンクション2.64 m2、クルーザークラスででシリコンセル5 m2、化合物マルチジャンクション3.3 mに縮小され、車体サイズが5 m x 2.2 m x1.6 mに緩和された。これにともない、チャレンジャークラスの有力チームの中でも細長い単胴型の車体が復活した一方、マルチジャンクションセルの換算係数が変更された結果有力チームの間でも選択肢として復活し、カタマランでも面積の小さいマルチジャンクションセルを使用して車体をかなりコンパクト化して空力性能の向上を狙うチームが現れた。一方のレギュレーションに課題のあったクルーザークラスは今大会からレースではなく規則トライアルとなり、アデレードに6日目の11時から14時の間に到着するように変更された。充電が何度でも可能になり到着時刻がポイントにならない事により勝敗は各チームはなるべく多くの人数をなるべく少ない外部充電量で運ぶ効率点と審査員による実用点により決定される事となった。また今大会からはアドベンチャークラスは競技外となりデモンストレーション走行という位置づけになった。2013年で議論となったような集光器や反射板については今大会でさらに制限が追加され実質的に禁止となり、温度を下げるための太陽電池への散水も出発時に車体に搭載した水のみ使えるよう変更されこちらも実質禁止となった。コントロールストップ時のリコンフィグレーション(発電量を上げるためルーフを太陽に向けて立てる)もドライバー1人のみが行えるよう変更され、コントロールストップの計時中は車体に手を触れてはいけないよう変更された。
2009年は、電気自動車や燃料電池車などの環境車を含めたグローバル・グリーン・チャレンジ(Global Green Challenge)のソーラーカー部門として開催されることとなった[7]。13か国32チームが参加したこの年は、シャープの三接合化合物太陽電池を搭載した東海大学チャレンジセンターの09年型Tokai Challengerが平均速度100.54 km/hで優勝。Nuna5は2位でミシガン大学は3位だった。オーストラリアから参加して最初にゴールしたニューサウスウェールズ大学の学生が製作したサンスイフトIVは総合4位でシリコン太陽電池では最初にゴールした。
2013年大会からはスポンサーの名前を冠して、ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジの名称になった。2013年はオランダのNuon Solar TeamのNuna7が4輪が義務づけられた新レギュレーションのチャレンジャークラスにおいて、集光レンズを使用した太陽電池モジュールを運搬することで、実質的な集光面積を7 m2以上に拡大することで発電量を増やし、平均速度90.71 km/hの記録で優勝。東海大学は2位。3位にはオランダのSolar Team Twente。2人乗りのクルーザークラスでは同じくオランダのSolar Team EindhovenのStellaが優勝し、オランダ勢が上位を占めた。
2015年はオランダのデルフト工科大学のNuon Solar TeamのNuna8が優勝、準優勝は同じくオランダのトゥウェンテ大学のRed One、3位は東海大学チャレンジセンターの15年型東海チャレンジャーだった。クルーザー部門では工学院大学のOWLが1位でゴールするもタイム以外の実用点などで伸び悩み、2位でゴールしたSolar Team EindhovenのStella Luxが逆転で優勝。前回に引き続きオランダ勢が上位を占めた。
2017年は世界21か国から43チームが集結し、オランダのデルフト工科大学のNuon Solar TeamのNuna9が優勝、準優勝はミシガン大学のNovum、3位はベルギーのPunch PowertrainのPunch Twoだった。太陽電池面積に関するレギュレーションの変更により、2.67 m2多接合化合物太陽電池を搭載したチームが表彰台を独占した。シリコン太陽電池を搭載した中では、総合4位の東海大学チャレンジセンターの17年型東海チャレンジャーがトップとなり、シリコン太陽電池を搭載した東海大学、Twente大学、西シドニー大学、工学院大学のWingが4 - 7位となった。クルーザー部門ではSolar Team EindhovenのStella Vieが優勝した。
2019年は世界24か国から53チームが集結し、レース後半の強風の影響でトップを走行していたオランダのSolar Team Twenteがコースアウトでリタイアしたり、4連覇がかかっていたオランダのVattenfall Solar Team(元Nuon)が最後のCP区間で車体が炎上、焼失するなどの波乱の展開の中ベルギーのAgoria Solar Team(元Punch Powertrain)のBluePointが初優勝。2位はシリコン系で最上位となる東海大学チャレンジセンターの19年型東海チャレンジャー、3位はアメリカのミシガン大学のElectrumとなった。クルーザー部門ではSolar Team EindhovenのStella Eraが優勝した。
Solar Racing Cars - 1993 World Solar Challenge: John Storey, Anthony Schinckel, Chester Kyle, ISBN 978-0644335393
Speed of Light - The 1996 World Solar Challenge: David M. Roche, Antony E. Schinckel, John W. Storey, Clive P. Huphris, Michelle R. Guelden, ISBN 978-0763415273
The Speed of Light 2 - The 1999 World Solar Challenge: Jeffrey E. Cotter, David M. Roche, John W. V. Storey, Anthony E. T. Schinckel, Clive P. Humphris, ISBN 0-7334-1805-8