ワット・アトヴィア
ワット・アトヴィア(英: Wat Athvea 〈Wat Atvea[1]〉、仏: Vat Athvea、アットヴィア寺院[2])は、カンボジアのアンコール遺跡にある12世紀のヒンドゥー教寺院である[1]。 地理ワット・アトヴィアは、シェムリアップの南7キロメートルにあり、トンレサップに続いているシェムリアップ川沿いの道路の西側[3]、500メートルに位置する[1]。また、直線的になっている旧道のすぐ東にある。 周壁に囲まれたこの古代の構造物に隣接して、現在の仏教寺院(アトヴィア・パゴダ、Athvea Pagoda)や墓地がある。 かつて、ワット・アトヴィアには、トンレサップからアンコール・ワットに向かう参拝者が、参道沿いの札所として必ず立ち寄ったといわれる[2][3]。 構造寺院の様式およびそのデヴァター(女神像)の独特なスタイルは、アンコール・ワットを建造した王スーリヤヴァルマン2世(1113-1150年頃)の統治中に建設されたことを示している[2][4]。 寺院の正面は、アンコール・ワットと同じく西側にある[2]。これにより寺院はアンコール・ワットと同様、ヴィシュヌに捧げられたとものと考えられる[5]。また、もう一つの特徴として、中央祠堂を囲んで4つの経蔵が配置されていることが挙げられ[3]、このように、中央祠堂を囲む四隅に4つの経蔵が置かれた寺院はほかに見られない[5]。 それらの特徴を除いて、ワット・アトヴィアは、同時代のトマノンなどの設計に全体として似る[5]。ラテライトで築かれた周壁の四方に門があり、西側の塔門(ゴープラ、gopura)は、大きくて3部屋を持つ。そこから基壇上に拝殿(副室、マンダパ、mandapa)を備えた砂岩の中央祠堂へと続く。十字型の中央祠堂の四方は持送りアーチ(コーベルアーチ、corbel arch)となる[1]。 1960年代初頭に、寺院はフランス極東学院(仏: École française d'Extrême-Orient、EFEO)により修復を受けた[5]。
寺院の彫刻は、その一部が未完成のままであり[1]、少なくとも西側の副室内の6か所に予定されたアンコール・ワット様式のデヴァターの浮彫りは、4つが完成し、そのうち3つが比較的良く保存されている[4]。その3体のデヴァターには、ハスの冠、首飾り、帯、腕輪、指輪、それに花柄のサンポット(sampot、クメールのスカート衣装)などが示されている[4]。 名称ワット・アトヴィアは、カンボジア語の「扉」(トヴィア)にちなんでアンコール・ワットへの扉を意味しているともされ、また碑文にある「長い道程」(アットヴィア、adhva)にも通じるともいわれる[2]。 脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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