135 mm F9 - ライカLマウント。アタッチメントはφ40.5 mmねじ込み。5枚絞り。後期型の合成樹脂鏡筒の物が確認されている。現行ロダゴンシリーズの短焦点の製品と共通の鏡筒であり、レンズはマルチコーティングである。
150 mm F9 - ライカLマウント。アタッチメントはφ40.5 mmねじ込み。5枚絞り。一般的なマウントねじの上、焦点距離が短く取り回しがしやすいことから、一般撮影の接写で利用するケースも多い。前期型はゼブラ仕上げ金属鏡筒で、これは無垢のアルミニウムからの削り出しで製作されており、アルマイト処理により黒色に着彩されている。中期型は、現行ロダゴン150 mm F5.6の縮小版のようなスタイルで金属鏡筒。後期型の鏡筒は現行ロダゴンシリーズの短焦点の製品と同様の合成樹脂鏡筒になったが、レンズはマルチコーティングに変更された。画質的には画素ピッチの細かい3600万画素の高解像力デジタル一眼レフカメラで使用してもレンズ側に充分余裕がある。
210 mm F9 - φ50 mm P=0.75 ねじマウント。アタッチメントはφ49 mmねじ込み。7枚絞り。前期型はゼブラ仕上げ金属鏡筒、これは無垢アルミニウムからの削り出しで制作されており、アルマイト処理により黒色に着彩されている。中期型は現行金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6に似たデザイン。アポ・ゲロゴンシリーズの中では古いタイプのレンズで、一度リニューアルして中期型までは作られたが、その後絶版になった。そのため後期型はない。前期型のレンズはイメージサークルが大きく5×7 in判までカバーできる反面、マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインなので、レンズを前後に分離してから機器に装着するタイプとなっている。そのため制約が多く、短い焦点距離の割にメンテナンスがしづらい。絞り羽根を開閉させる、内部のリングは透明樹脂製である。劣化するので機械油やグリスの類は使えない。前期型はレンズ・コーティングが未熟な上、広い角度をカバーするレンズのため、一般撮影においては逆光に弱く、絞り開放の時レンズフレアと目視では判断できない程度の色収差が出るが、一段絞り込むと色収差は非常に良好になる。レンズフレアはハレ切りして回避することが推奨される。前期型は、オメガにOEM供給していたオメガロン135 mm F4.5と絞りユニットを共有している。アポ・ゲロゴン240 mm F9よりも設計が古く高解像力のレンズだが、レンズフレアがとても出やすいので使いにくいところがある。中期型は現行金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6と同じデザインであり、絞りユニット部分などは共有している。また中期型は後群レンズもアポ・ゲロゴン240 mm F9とデザインを似たようなものに変更し、ラッパ状には開いていない。レンズ・コーティングもアポ・ゲロゴン240 mm F9中期型と同じものになった。ただしモノコートでレンズフレアが出やすいところは変わっていない。マウントはφ50 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ52 mmねじ込み。7枚絞り。
210 mm F16 - φ40 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメント使用不可。F16の固定円形絞り。極めて限定的な使用のために設計されたレンズで、良好なアポクロマート補正がなされているが、撮影倍率 1:1 に対して絞った設計になっている。現行品のアポ・ロダゴン-D (Apo-Rodagon-D) と同様に高速等倍デュープリケーションのマクロレンズとして開発されたもの。レンズが固定絞りなのだがそのちょうど真ん中の前群と後群で半分のところでレンズをねじると前後に分かれる。そこに黒色のドーナツ状に穴の開いた金属円盤があり F16 の固定をなしている。これを外して、穴の大小異なる同様の円盤を製作して挟みレンズを組み上げれば多少の絞りの開け閉めが可能になる。光学系も異なるので他のゲロゴンシリーズとは別系譜のレンズである。1:1 を外れた撮影をすると大幅に画質が悪化する。4×5 in判のポジデュープ用。精度の高いシステムで高速にポジの複写をする場合に用いられた。生産本数は少なく、一般人が目にする機会は滅多にないプロラボ用の特殊レンズ。また、一般には再利用の仕方もない。写真需要の縮小に伴い既に廃盤である。
240 mm F9 - φ50 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ52 mmねじ込み。7枚絞り。事実上4×5 in判カメラの標準レンズ的存在。このレンズは現行の、金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6と全く同じデザインであり、絞りユニット部分なども共有している、そのため、絞りナンバーを光らせるための採光窓がユニットには存在するが、実際にはレンズの後群に完全に隠されてしまうので機能しない。絞り窓も光を通さないタイプである。アポ・ゲロゴン210 mm F9の前期型と異なり、後群レンズが広がっていないので、機器への装着が簡単である。絞り羽根を開閉させる内部のリングは黒色樹脂製である。劣化するので機械油やグリスの類は使えない。アポ・ゲロゴンの中では一番流通量が多かった品目。日本製の個体が確認されており、これはレンズの外見は現行金属鏡筒のロダゴン150 mm F5.6と同様のものだが、マルチ・コーティングのものとモノコートのものが存在しており、この日本製のレンズは絞りユニットには採光窓がないところがドイツ製のものと異なり、レンズ名のロゴの書体も異なる。鏡筒の周囲に Made in Japan とプリントされている。ドイツ製のレンズでは引き伸ばし機メーカーのベセラーにもベセラーアポHD 240 mm F9という名前でOEM供給していた。このレンズは画角を欲張った設計にしていないため、強逆光でもレンズフレアが出にくい。画質的には画素ピッチの細かい、3600万画素の高解像力デジタル一眼レフや1600万画素のマイクロ・フォーサーズ・カメラで使用しても解像力にまだ充分に余裕がある。
270 mm F9 - φ50 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ58 mmねじ込み。金属鏡筒。ゼブラ仕上げの前期型と中期型が流通していた。マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインのため、レンズを前後に分離してから機器に装着するタイプとなっている。アポ・ゲロゴン-S 270 mm F11よりも集光率を高めた分、イメージ・サークルは8×10 in判が限界である。
300 mm F9 - φ58 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ67 mmねじ込み。金属鏡筒。ゼブラ仕上げの前期型と中期型が流通していた。マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインのため、レンズを前後に分離してから機器に装着するタイプとなっている。ロットナンバー11000000番台のレンズは中期型だが、Rodenstock のロゴが明らかに今までの古いものと異なり、また、これはモノコート主体だが日本製である。このレンズは画角を広くとっているが、1600万画素のマイクロ・フォーサーズ・カメラで使用しても解像力にまだ余裕がある。
360 mm F11 - φ58 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ77 mmねじ込み。金属鏡筒。事実上8×10 in版カメラの標準レンズ的存在。ゼブラ仕上げの前期型と中期型が流通していた。マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインのため、レンズを前後に分離してから機器に装着するタイプとなっている。
アポ・ゲロゴン-S
270 mm F11 - φ58 mm P=0.75ねじマウント。アタッチメントはφ77 mmねじ込み。8枚角形絞りを採用。中期型が流通していた。マウントネジよりもレンズの前群と後群がかなり大きく広がった鼓状のデザインのため、レンズを前後に分離してから機器に装着するタイプとなっている。ドイツ最大のライバル・メーカー、シュナイダー・クロイツナッハが8×10 in判用に開発した高解像力の描写を誇る接写用マクロレンズ・Gクラロンに対抗して設計製作されたのが本製品で、画角が70度もある巨大なイメージ・サークルをカバーするレンズである。主に屋外での接写や風景撮影に使用された。8×10 in判よりも大きなフォーマット用にも対応できるイメージ・サークルを確保するために、レンズの後群がラッパ状に広がっている。メーカーでは使用形態を曖昧にしていたので、このレンズで撮影をして、このレンズで引き伸ばしプリントの制作もされた。このクラスのレンズは汎用性の高さも重要視される。Gクラロンよりもレンズシャッターに組み込むのが困難な光学系のため、真っ暗にしてストロボ・ライトで撮影したり、ジナー・シャッターやローラーブラインドシャッターを併用して使用されたが、昨今[いつ?]ではデジタルバックカメラや1億画素のラインセンサー・カメラなどでの使用もでき、撮影自体は楽になった。画角を欲張ったので後群が巨大化したが、レンズの集光率を犠牲にして絞りの開放F値をF11に留めているので、残存色収差の補正はほぼ完璧にできている。F90まで絞れるがメーカーでのアナウンスでは、F22で最高の性能を発揮できるように設計されている。Gクラロンの対抗馬なだけに1:1の等倍接写での解像力は優秀である。Gクラロンは残存色収差の激しい個体も多く設計の古さが否めないが、本レンズは真のアポクロマートを謳っているだけあり、残存色収差は目視では気にならない。リンホフ・ボードに取り付ける際、専用の締め付けナットはすでに入手できないのだが、一般的なφ67→φ58 mmのステップダウン・リングを流用できる。また、8×10 in判よりも大きなフォーマット用に開発されたため、イメージサークルが極端に大きいので、4×5 in判、120フィルムサイズのフイルムバック、デジタルバック、また高解像力デジタル一眼レフなどを使用すると極端なアオリ撮影も可能である。
ゲロナー
ゲロナー (Geronar) は3群4枚を基本設計とする廉価版レンズ。
大判カメラ用
WA・ゲロナー
90 mm F8 - 4群4枚。イメージサークルφ170 mm, アタッチメントはφ58 mmねじ込み
ゲロナー
150 mm F6.3 - 3群4枚。イメージサークルφ180 mm, アタッチメントはφ40.5 mmねじ込み
210 mm F6.8 - 3群4枚。イメージサークルφ230 mm, アタッチメントはφ49 mmねじ込み
300 mm F9 - 3群4枚。イメージサークルφ340 mm, アタッチメントはφ58 mmねじ込み
150 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ135 mm, アタッチメントはφ40.5 mmねじ込み。シャッター#0
240 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ212 mm, アタッチメントはφ49 mmねじ込み。シャッター#1. 事実上4×5 in判カメラの標準レンズ的存在。ウォーターハウス型アタッチメント・スロットを備えた品目では、初期のものはスロットの内部も金属製だが、中期以降のものは樹脂製に置き換えられており、この部分が破損しやすい。完全業務用の絞り環が傘状のものは製造終了まで金属製である。製版用の品目はφ53 mm P=0.75とφ60 mm P=0.75の二種類のねじマウントのものが存在している。
300 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ264 mm, アタッチメントはφ49 mmねじ込み。シャッター#1. ウォーターハウス型アタッチメント・スロットを備えた品目では、初期のものはスロットの内部も金属製だが、中期以降のものは樹脂製に置き換えられており、この部分が破損しやすい。完全業務用の絞り環が傘状のものは製造終了まで金属製である。製版用の品目はφ60 mm P=0.75ねじマウント。
360 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ318 mm, アタッチメントはφ58 mmねじ込み。シャッター#3. 事実上8×10 in版カメラの標準レンズ的存在。ウォーターハウス型アタッチメント・スロットを備えた品目では、初期のものはスロットの内部も金属製だが、中期以降のものの内部は樹脂製に置き換えられており、この部分が破損しやすい。完全業務用の絞り環が傘状のものは製造終了まで金属製である。製版用の品目はφ60 mm P=0.75ねじマウント。
420 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ328 mm, アタッチメントはφ58 mmねじ込み。現在廃版。
480 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ396 mm, アタッチメントはφ67 mmねじ込み。シャッター#3
480 mm F11 - 4群4枚。イメージサークルφ396 mm, アタッチメントはφ67 mmねじ込み。シャッター#3
600 mm F9 - 4群4枚。イメージサークルφ496 mm, アタッチメントはφ95 mmねじ込み。現在廃版。
1000 mm F16 - 4群4枚。イメージサークルφ730 mm, アタッチメントはφ127 mmねじ込み。現在廃版。
1200 mm F16 - 4群4枚。イメージサークルφ870 mm, アタッチメントはφ127 mmねじ込み。現在廃版。
クラロヴィッドI型(Clarovid I, 1934年発売) - スプリングカメラに分類されることが多いが、レール上にレンズを引き出す形式なので厳密には異なる。ピント合わせはラック・アンド・ピニオン式。ボディはウェルタ製[2]。レンズはテッサー型のイザール 105 mm F3.9. 距離計とファインダーが別にある二眼式のファインダー搭載。