ローウェル・フルソン (Lowell Fulson 、1921年3月31日 – 1999年3月7日)[ 1] は、アメリカ合衆国 のブルース ・ギタリスト 、シンガー 、ソングライター である。ウェスト・コーストのスタイルが特徴であった。契約上の都合からLowell Fullsom あるいはLowell Fulsom (ローウェル・フルソム )名義でのレコーディングもある。T-ボーン・ウォーカー に続く世代として、彼はウェスト・コースト・ブルースの最重要人物のひとりであった[ 2] [ 3] 。
来歴
幼少期
フルソンはオクラホマ州 アトカのチョクトー族 保留地 にて、メイミーとマーティンのフルソン夫妻の子として生を受けた。彼によると父方の祖先はチェロキー族 であったが、チョクトー族の祖先もいたという。父親はローウェルの幼少期に殺害され、その数年後に彼は母親、兄弟とともにオクラホマ州内のクラリータに移住、コールゲートへ通学するようになった[ 4] 。
ミュージシャンとしてのキャリア
18歳のとき、フルソンはオクラホマ州エイダに移住し、1940年の数か月間の間、テキサス出身のブルースマン、アルジャー・"テキサス"・アレクザンダーと行動を共にしたが[ 1] 、その後カリフォルニア州に移住しバンドを結成。そこには若きレイ・チャールズ とテナー・サクソフォーン 奏者のスタンリー・タレンタイン が在籍していた。フルソンは1943年に軍隊に召集され、1945年まで米国海軍で兵役を務めた[ 1] 。
1970年、アナーバー・ブルース・フェスティバル(ミシガン州)にて
フルソンは、1940年代にスウィングタイム・レコードにレコーディング、1950年代にはチェス 傘下のチェッカー 、1960年代にはケント、1980年代から90年代にかけてはラウンダー 傘下のブルズアイ・ブルースにレコーディングをしている。彼はB.B.キング 初のヒット曲となったことでも知られる「3 O'Clock Blues 」を始め、ブルースのスタンダート曲となった「Reconsider Baby 」、ジミー・マクラクリンとの共作「Tramp 」などの楽曲を書いている。1965年の「Black Nights 」は10年ぶりのヒットとなったが、その2年後の1967年にリリースした「Tramp 」はそれを凌ぐ好成績を示し、彼をR&Bのスターに再び押し上げる結果となった[ 1] 。1966年に弟のロバート・フルソンが元レイレッツのマージー・ヘンドリックスと結婚。彼らは1968年に離婚するまでの間、ローウェルとともにステージに立っている。
「カリフォルニア・ブルース:スウィングタイム・トリビュート」と銘打ったショーが1993年にカリフォルニア州オークランド のパラマウント劇場で開催された。出演者にはジョニー・オーティス、チャールズ・ブラウン 、ジェイ・マクシャン 、ジミー・ウィザースプーン、ジミー・マクラクリン、アール・ブラウンといった面々が名を連ねた[ 5] 。フルソンの最後のレコーディングとなったのは、ジミー・ロジャーズ とのデュエットの「Every Day I Have The Blues 」で、1999年にアトランティック・レコード からリリースとなったロジャーズのアルバム『The Jimmy Rogers All-Stars: Blues, Blues, Blues 』に収録されている。
死
フルソンは1999年3月7日、カリフォルニア州 ロングビーチ にて死去した。77歳だった[ 6] [ 7] 。彼のパートナーだったティナ・メイフィールドによると死因は腎不全、糖尿病、うっ血性心不全による合併症であった。フルソンには子息が4人、孫が13人いる。彼はカリフォルニア州イングルウッド のイングルウッド・パーク墓地に埋葬されている。
受賞歴
1993年:ブルースの殿堂 入り
同年、「Reconsider Baby 」がブルースの殿堂のブルース・レコーディングの古典(シングルまたはアルバム)を受賞
同年、『Hold On 』がブルース音楽賞 の年間トラディショナル・アルバム賞を受賞
同年、リズム・アンド・ブルース・ファウンデーションのパイオニア賞受賞
1995年:『Them Update Blues 』がグラミー賞 の最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム賞にノミネート
同年、「Reconsider Baby 」がロックの殿堂 の「ロックンロールを形作った500曲」入り
2010年:『Hung Down Head 』がブルースの殿堂のブルース・レコーディングの古典(アルバム)を受賞
ディスコグラフィー(一部抜粋)
チャート入りしたシングル
[ 8]
年
題名
レーベル
R&B
最高位
1948年
「Three O'Clock Blues 」
Down Town
6
1949年
「Come Back Baby 」
Downbeat
13
1950年
「Every Day I Have the Blues 」
Swing Time
3
「Blue Shadows 」
1
「Lonesome Christmas (I & II) 」
7
「Low Society Blues 」
8
1951年
「I'm a Night Owl (I & II) 」
10
1954年
「Reconsider Baby 」
Checker
3
1955年
「Loving You 」
14
1965年
「Black Nights 」
Kent
11
1967年
「Tramp 」
5
「Make a Little Love 」
20
「I'm a Drifter 」
38
1976年
「Do You Love Me 」
Granite
78
アルバム
[ 9]
年
題名
レーベル
1962年
『Lowell Fulson 』
Arhoolie
1965年
『Soul 』
Kent
1967年
『Let's Go Get Stoned 』
1967年
『Tramp 』
1969年
『Now! 』
『In a Heavy Bag 』
Jewel
1970年
『Hung Down Head 』
Chess
1973年
『I've Got the Blues 』
Jewel
1975年
『Ol' Blues Singer 』
Granite
1984年
『One More Blues 』
Black & Blue
1988年
『It's a Good Day 』
Rounder
1992年
『Hold On 』
Bullseye Blues/Rounder
1995年
『Them Update Blues 』
Bullseye Blues/Rounder
コンピレーション
年
題名
レーベル
1965年
『The Blues Came Rollin' In 』
International Polydor Production
1969年
『San Francisco Blues 』
Fontana
1972年
『In A Heavy Bag 』
Polydor
1975年
『Lowell Fulson (Early Recordings) 』
Arhoolie
1976年
『Lowell Fulson (Chess Blues Masters) 』
Chess
1980年
『Man On The Run 』
P-Vine
1981年
『Swing Time In The Big Town: Rare And Unreleased Recordings 1946-1953 』
B & E
1982年
『1946-57 』
Blues Boy
1984年
『Every Day I Have the Blues 』
Kent
1985年
『The Blues Got Me Down 』
Diving Duck
1986年
『Baby Won't You Jump With Me 』
Crown Prince
『Blue Days, Black Nights 』
Ace
1987年
『I Don't Know My Mind 』
Bear Family
1989年
『"Getting Down" - 20 Blues Classics 』
Blue City
『So Many Tears 』
Vogue
『Reconsider Baby 』
Charly R&B
1991年
『Swingin' Party 』
Fan Club
『Back Home Blues 』
Night Train Int'l
1994年
『Sinner's Prayer 』
Night Train Int'l
1995年
『Every Day I Have The Blues 』
Night Train Int'l
1996年
『Mean Old Lonesome Blues 』
Night Train Int'l
1997年
『The Complete Chess Masters (50th Anniversary Collection) 』
Chess/MCA
2001年
『I've Got The Blues (... And Then Some) 』 (The Jewel Recordings 1969-71)
Westside [UK]
2002年
『The Complete Kent Recordings 1964-1968 』
P-Vine
2004年
『1946-1953, Vols. 1-4 』(Complete Big Town, Downbeat/Swing Time recordings)
JSP
ジョン・リー・フッカー の作品への客演
1970年 『I Feel Good! 』 (Carson)
1970年 『I Wanna Dance All Night 』 (America)
ジョン・リー・フッカー の作品への客演
1970年 『I Feel Good! 』 (Carson)
1970年 『I Wanna Dance All Night 』 (America)
脚注
外部リンク