レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors) は、イギリス ロンドン に拠点を置く出版社。現代日本文学 を専門とする[ 1] [ 2] [ 3] 。
概要
2016年、リチャード・ネイサン(Richard Nathan)と近谷浩二が、レッド・サークル・オーサーズ(Red Circle Authors)を設立。[ 4] ロンドンと東京の2拠点で活動している。
優れた日本文学を世界に広めるべく、同社のメンバーである日本の作家とその作品の広報活動を行なっている。[ 2] [ 5] 設立の背景について、具体美術協会 (ぐたいびじゅつきょうかい)からインスピレーションを受けたとしている。
また、日本文学にまつわる出版事情・歴史・文化に関するニュース、分析、評論をウェブサイトで発信している。[ 6] [ 7]
現在、レッド・サークル・オーサーズ(Red Circle Authors)は、白石一文 、田口ランディ 、中村文則 、花輪莞爾 、角田光代 、市川拓司 、島田 荘司 , ロジャー・パルバース(Roger Pulvers) の8名の作家で構成されている。
現在、海外向けに翻訳されたレッド・サークル・オーサーズ(Red Circle Authors)作家の作品は限られている[ 8] が、作家の多くは国内の文学賞を受賞しており ―例えば、 直木賞 (角田光代 2005年、白石一文 2010年)や、芥川賞 (中村文則 2005年)など ― また映画化・テレビドラマ化された作品も多数ある。[ 9] [ 10] [ 11] [ 12] [ 13] [ 14] [ 15]
海外で高い評価を得ている作家もおり[ 16] [ 17] 、中村文則が2014年にデイビッド・グーディス 賞(The David L. Goodis Award)を受賞するなど国際的な文学賞も受賞し始めている。
出版物
レッド・サークル・オーサーズ(Red Circle Authors)の出版レーベルには「Red Circle Minis」と「Circle Editions」がある。
同社の初レーベル「レッド・サークル・ミニ(Red Circle Minis)」は、書き下ろし短編作品を英訳し、2018年11月23日(勤労感謝の日)に第1弾となる3作品を発表、2019年11月23日と2020年1月1日に第2弾となる2作品、2020年8月6日に第3弾となる1作品、2021年9月22日に第4弾となる1作品が発表されている。日本語版は未発表。[ 18] [ 19]
レッド・サークル・オーサーズ(Red Circle Authors)のこのシリーズの取り組みは、評論家から「大きな本を小さなサイズに詰め込むのではなく、むしろ長年日本の伝統である簡潔な文体を讃え、それを本という形に落とし込んだもの」と賞された。[ 40] [ 41] [ 42]
また、「2019年、注目すべきインディ出版社」[ 43] 、「2020年注目の日本作品と翻訳」[ 44] など、シリーズとその活動が取り上げられ注目されている。
2つめのレーベル「サークル・エディションズ(Circle Editions)」は、設立者の一人であるリチャード・ネイサン(Richard Nathan)が日本文学の世界での経験をもとに執筆した「カレイドスコープ・ジャパン:文学というレンズを通して見た国」 の出版とともに、2024年に立ち上げられた。同レーベルは、日本文学、出版、文化など、日本についてより幅広い題材を取り上げる。
脚注
^ "ジャパニーズ・ライターズ・ハウス(Japanese Writers' House)とレッド・サークル(Red Circle)が提携 " AuthorLink: Writers & Readers Magazine . 2017年6月30日
^ a b Kosaka, Kris (2018年12月22日) "レッド・サークル・オーサーズ: 日本文学を西へ届ける " The Japan Times .
^ Charkin, Richard (2019年2月13日) "小さなインディーズ出版社から学ぶ9つのレッスン " Publishing Perspectives . (引用: 2019年2月13日)
^ "日本の書き下ろし小説、英で出版 現代文学を世界に紹介 " Yahoo News Japan . 2019年2月20日(引用: 2019年4月20日)
^ "人模様:日本の小説、海外に発信 リチャード・ネイサンさん、近谷浩二さん " 毎日新聞
^ "レッド・サークル ファクトブック(Factbook)が100記事突破―もはや百科事典だ " ジャパニーズ・ライターズ・ハウス (Japanese Writers' House ) 2018年3月30日
^ "ザ・サークル(The Circle), レッド・サークルのウェブマガジン―日本の文学、文化、出版に興味のある全ての人へ。 " レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors ) (引用: 2019年2月3日)
^ Tasker, Peter (2019年1月28日) "文学の強気市場に見る日本文学の復活 " Nikkei Asian Review . (引用: 2019年1月30日)
^ 角田光代原作 映画作品
^ 白石一文原作 映画作品一覧
^ 中村文則原作 映画作品一覧
^ 田口ランディ原作 映画作品
^ 『星砂物語』原作・監督:ロジャー・パルバース
^ 『いま、会いにゆきます』原作:市川拓司
^ 島田荘司 § 映像化作品
^ "世界が認め始めた白石一文 " レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors ) 2017年11月22日
^ "掏摸(スリ): ミステリー・レビュー " The Wall Street Journal 2012年3月17日
^ "日本の書き下ろし小説、英で出版 " 共同通信 2019年2月20日 (引用: 2019年2月20日)
^ "レッド・サークル(Red Circle) 出版プログラム " レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors ) (引用: 2019年2月3日)
^ 白石一文 (2018) 『スタンド・イン コンパニオン 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 1912864002
^ Gattig, Nicolas (2019年1月26日) "アンドロイド、不妊、倫理が交錯する白石一文の暗黒小説 スタンド・イン コンパニオン(Stand-in Companion) " The Japan Times
^ "スタンド・イン コンパニオン(Stand-in Companion) レビュー " The Complete Review 2018年11月27日
^ Gebhardt, Lisette (2019年4月4日) "現代日本文学における哲学的パラダイム " Literatur Kritik . 2019年4月20日アーカイブより(引用: 2019年4月20日)
^ 花輪莞爾 (2018) 『バックライト 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 1912864045
^ "バックライト(Backlight) レビュー " The Complete Review 2018年11月27日
^ Maloney, Iain (2019年6月22日) "'Backlight': All alone in the wilds of Hokkaido " The Japan Times
^ 花輪莞爾 (2020) 『ザ・クロニクル・オブ・ロード・アスナロ 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 978-1912864065
^ Kris Kosaka (2020年2月8日) "'The Chronicles of Lord Asunaro': Period drama, modern satire " The Japan Times
^ ロジャー・パルバース (2018) 『トウキョウ パフォーマンス 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 1912864029
^ "トウキョウ パフォーマンス(Tokyo Performance) レビュー " booksonasia.net,Books on Asia . (引用: 2019年2月3日)
^ 市川拓司 (2019) 『レフュジーズ ドーター 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 978-1912864089
^ "‘The Refugees’ Daughter’ by Takuji Ichikawa (Review) " Tony's Reading List 2020年1月30日
^ 市川拓司 (2021) 『モンキーマン 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 978-1912864126
^ Fincher, Alison (2021年9月17日) "モンキーマン(Monkey Man) レビュー " Asian Review of Books
^ Maloney, Iain (2021年9月14日) "What's New in Translation?: Monkey Man " Metropolis Japan
^ 島田荘司 (2020) 『ワン ラブ チグサ 』イギリス: レッド・サークル・オーサーズ (Red Circle Authors )刊. ISBN 978-1912864102
^ "ワン ラブ チグサ(One Love Chigusa) レビュー " The Complete Review 2020年8月2日
^ "ワン ラブ チグサ(One Love Chigusa) レビュー " Book and Bao 2020年7月31日
^ "What We're Reading 31 July 2020 " BookBranch 2020年7月31日
^ Rollmann, Hans (2019年3月15日) "賢い人の小さな本: レッド・サークル・ミニというポケットサイズの日本小説 " PopMatters . (引用: 2019年3月16日)
^ Harris, Will (2019年4月17日) "レッド・サークル・ミニ コレクション―日本の新しいストーリー3作 " Books And Bao
^ Dodd, Stephen (Summer 2020) "The Transformation of Identity in Contemporary Japanese Fiction " Wasafiri, International Contemporary Writing. Vol 35, No 2, 2020: 87–104 . (引用: 2020年6月13日)
^ Heath, Will (2019年10月29日) "2019年注目のインディ出版社トップ9 " Books And Bao . (引用: 2019年10月30日)
^ Maloney, Iain (2020年1月4日) "2020年注目の日本作品と翻訳 " The Japan Times . (引用: 2020年1月5日)
外部リンク