レシュティグラーベンレシュティグラーベン(Röstigraben, ドイツ語発音: [ˈrøːstiˌɡraːbən])は、スイスにおけるドイツ語圏とフランス語圏の文化的境界を指す言葉である。スイス・ドイツ語の発音([ˈrøːʃtiˌɡrabə])を反映してRöschtigrabenとも表記される。 語源「レシュティグラーベン」は、直訳すると「レシュティの溝」という意味になる。レシュティはベルン州発祥のジャガイモを使った料理で、スイスのドイツ語圏における代表的な料理であるが、フランス語圏ではあまり食されていない[1][2]。
スイス・フランス語では「バリエール・ド・レスティ」(barrière de rös(ch)ti、レシュティの壁)もしくは「リドー・ド・レスティ」(rideau de rös(ch)ti、レシュティのカーテン)と呼ばれる。後者は鉄のカーテンになぞらえたものであり、実際に国民投票の結果がレシュティグラーベンを境に分かれることが多くある。
2014年に行われたEU加盟国からの移民を制限するか否かの国民投票は僅差で可決されたのだが、フランス語圏では大多数が反対でドイツ語圏では賛成が多く、総人口はドイツ語圏の方が多かったので可決されることになった[2]。 2013年にスイス全国的に行われた調査で「レシュティグラーベンは存在しない」と答えた人はドイツ語圏で25%、フランス語圏で14%であった[2]。 定義地理的には、北はジュラ山脈から始まり、ビール湖、ヌーシャテル湖、モラ湖に沿ってスイス高原を通り、スイスアルプスとローヌ渓谷を横切り、エヴォレーヌとツェルマットの間でイタリア国境に達する。 ポレンタグラーベン類似の表現として、ドイツ語圏とイタリア語圏(ティチーノ州)の境界を「ポレンタグラーベン」(Polentagraben)という[4][5]。これは、イタリア料理のポレンタに由来するものである。 ティチーノ州は、移民労働者に厳しく、「スイスらしさ」(Swissness)へのこだわりが強いと考えられている[6]。 例ベルンとヌーシャテルを往復する電車の車内アナウンスではザーネ川を境にベルン寄りではドイツ語、フランス語の順で行われるが、ヌーシャテル寄りではフランス語、ドイツ語の順で行われる[2]。 脚注
参考文献
関連項目
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