ルブリン・トロリーバス
ルブリン・トロリーバス(ポーランド語: Trolejbusy w Lublinie)は、ポーランドの都市・ルブリン市内に存在するトロリーバス。2022年時点でポーランドに現存するトロリーバス路線の1つで、路線バスと共にルブリン市運輸会社(Miejskie Przedsiębiorstwo Komunikacyjne w Lublinie、MPK Lublin)によって運営されている[1][2]。 歴史ポーランドの都市・ルブリンにおける公共交通機関の主力は長年に渡り路線バスであったが、第二次世界大戦終戦後は利用客が増加した一方で車両の状態が悪く、本数の増加が難しい状況にあった。そこで、これを改善するために1952年からトロリーバスの建設が始まり、1953年7月22日に全長7 kmの最初の路線が営業運転を開始した。ただし開通に合わせて導入されたソビエト連邦(ソ連)製の車両は状態が悪く、稼働可能な車両数は少ない状況であった[1][4]。 その後、1955年にチェコスロバキアのシュコダ製車両の導入が始まった事で車両不足の状況は一時的に改善し、以降は1960年代まで路線バスと共に路線網の拡大が行われたほか、近代的な車庫の増設、車掌業務の廃止などの合理化も進められた。1969年時点で路線バスの系統数が20本であった一方、トロリーバスも計15系統が存在した。1970年代前半はポーランド全体のトロリーバスの衰退、シュコダ製車両の輸入停止に伴う車両不足などの要因から路線バスへの置き換えが進められ、系統数は9本にまで減少したものの、1975年からはソ連製のトロリーバス車両・ZiU-9(ZiU 682B)、1988年以降はバスメーカーのイェルチ製の車体を用いたトロリーバス車両の導入が実施された。一方、1970年代から1980年代にかけてはルブリンの人口が大幅に増加した時期であり、郊外に住宅団地が多数建設されたが、これらの輸送手段は路線バスが担っていたため、トロリーバス網の拡張はこの時点で行われなかった[1][4]。 1989年のビロード革命による民主化やそれ以降の経済の混乱はルブリンのトロリーバスにも影響を与え、1998年には一部区間が廃止された。その一方、車両については1990年代初頭にハンガリー・イカルス製の連節バスが導入されたほか、同時期に廃止された各都市のトロリーバス車両の譲受や路線バス用車両のトロリーバス車両への改造も行われた。1998年には初のノンステップバスの導入も実施されている[1][4]。 同年には運営組織であるルブリン市輸送会社が現在の有限責任会社に転換されたが、それ以降同社は環境に優しい交通機関としてトロリーバスを活用する方針を打ち出し、2000年には路線網の延伸が実施された。また、2004年のポーランドの欧州連合加盟以降は欧州地域開発基金による資金援助を受けた段階的なポーランド東部の開発計画の一環として、車庫の移転・新設、変電所の改修、ノンステップトロリーバスの大量導入、路線網の延伸や新系統の増設などが行われた。2015年に一連の計画が終了して以降も、新たな欧州連合のプロジェクトの一環として新型車両の導入を始めとした近代化が精力的に続けられている[1][4][5][6]。
系統2022年現在、ルブリンには以下のトロリーバス路線が存在する。下記の路線以外にも152号線が存在するが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により2020年以降運休している[7][8]。
車両営業用車両2022年現在、ルブリンのトロリーバスで営業運転に使われている車両は以下の通りである[5][25][26]。
その他車両
脚注出典
外部リンク
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