リバルタ反応
リバルタ反応とは、希酢酸中に滴下した穿刺液の白濁を観察する検査であり、陽性なら滲出液であることが示唆される。 概要滲出液(浸出液と表記することもある)とは、局所の炎症、悪性腫瘍、などの組織傷害により貯留した液体である。漏出液とは、心不全、肝硬変、など、局所とは別の疾患により、血管内の水分が漏れて出たものである。 胸水、腹水など体腔内の液体貯留を見たときは、その原因が局所にあるのか(滲出液)、それとも、全身の病態を反映したものか(漏出液)を鑑別することが、診断と治療の上で重要である。 リバルタ反応は、希酢酸液中に滴下した胸水・腹水等の穿刺液の蛋白等の凝固による白濁を観察することにより滲出液と漏出液を区別することを目的とする検査である[1]。 滲出液の場合は、濃厚な白雲を生じて速やかに下降し、20cm以上追跡できる。これをリバルタ反応陽性とする。 漏出液では淡い白雲を生じて徐々に下降し中途で消える。しかし、偽陰性・偽陽性があり、本検査単独で滲出液と漏出液を確実に区別することはできない[1]。 原理リバルタ反応の原理は明らかになっていないが、検体の蛋白濃度が高いほどリバルタ反応は陽性となりやすい。漿膜腔(腹腔、胸腔、心膜腔)の炎症で増加するヒアルロン酸などの酸性多糖体も関係するとされる[1]。 また、白濁の成分として、C反応性蛋白、 α1-アンチトリプシン、 α1-酸性糖タンパク質、ハプトグロビン、トランスフェリン, セルロプラスミン、 フィブリノーゲン、ヘモペキシンが同定されており、いずれも急性相反応物質[注 1]であるので、リバルタ反応陽性は炎症をも反映していると考えられる[2]。 歴史と現状リバルタ反応は、イタリアの医師、ファビオ・リバルタ(Fabio Rivalta)が1895年に発表した古典的な検査である[3]。 単純で安価ではあるが、検査手技は標準化されておらず[2]、判定が観察者の主観に左右されやすいという問題がある。 近年は意義が低いとされ、あまり行なわれなくなった。 なお、獣医学領域では、猫伝染性腹膜炎の診断に用いられることがある[3][4]。 脚注注釈出典
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