リチャード・ワイアンズ(Richard Wyands、1928年7月2日 - 2019年9月25日)は、アメリカのジャズ・ピアニスト、作曲家、編曲家であり、サイドマンとしての仕事で最もよく知られている。
略歴
生い立ち
ワイアンズは1928年7月2日にカリフォルニア州オークランドで生まれ、バークレーで育った[1][2]。7歳か8歳の頃からピアノを弾き始め、1944年にサンフランシスコで、10代のときにもうプロとして弾き始めていた[1]。1950年、ワイアンズはサンフランシスコ州立大学で音楽の学位を取得した[2]。学校や大学では、ピアノとドラムを演奏した[1]。ワイアンズは、カウント・ベイシー、ナット・キング・コール、エロル・ガーナー、アート・テイタム、テディ・ウィルソンの影響を受けていた[3][2]。
その後とキャリア
1950年代初頭、ワイアンズはサンフランシスコのブラックホーク・クラブのハウスバンドであったヴァーノン・アリーのグループの一員を務め[1]、それにより客員ソリストに伴うリズム・セクションの一部となった[1]。1954年にブラックホークを離れた翌年、ワイアンズは別のサンフランシスコのクラブで休憩時のパフォーマーを務めた[1]。その後、1956年の3か月間にボーカリストのエラ・フィッツジェラルドの音楽監督に就任した[3]。
1957年頃の10か月間、彼はカナダのオタワにあるクラブでポップ・シンガーたちの伴奏者を務めた。その後、ボーカリストのカーメン・マクレエと3か月間にわたるツアーを行い、1958年に彼女と一緒にニューヨークへと到着した[1]。ニューヨークでは、ロイ・ヘインズ、チャールズ・ミンガス(1959年)、ジェローム・リチャードソン(1959年)、ジジ・グライスと共演してきた[1]。1960年代、ワイアンズはイリノイ・ジャケーのバンド・メンバーとなった[1]。ワイアンズは1965年から1974年までギタリストのケニー・バレルと共演した[1]。
ワイアンズは、2019年9月25日にニューヨークで亡くなった[2]。
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
- 『ゼン、ヒア・アンド・ナウ』 - Then, Here and Now (1978年、Storyville)
- 『ジ・アライヴァル』 - The Arrival (1992年、DIW)
- Reunited (1995年、CrissCross)
- 『ゲット・アウト・オブ・タウン』 - Get Out of Town (1996年、Steeplechase)
- Half and Half (1999年、CrissCross)
- As Long as There's Music (2000年、Savant)
- 『ラベンダー・ミストの女』 - Lady of the Lavender Mist (2002年、Venus)
参加アルバム
ジーン・アモンズ
- Nice an' Cool (1961年、Moodsville)
- 『ジャグ』 - Jug (1961年、Prestige)
- 『ソウル・サミットVol.2』 - Soul Summit Vol. 2 (1962年、Prestige) ※1961年録音
- Late Hour Special (1964年、Prestige) ※1961年録音
- Velvet Soul (1964年、Prestige) ※1961年録音
ケニー・バレル
- The Tender Gender (1966年、Cadet)
- 『ア・ジェネレーション・アゴー・トゥデイ』 - A Generation Ago Today (1967年、Verve)
- 『ナイト・ソング』 - Night Song (1969年、Verve)
- 『ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド』 - God Bless the Child (1971年、CTI)
- 'Round Midnight (1972年、Fantasy)
- Up the Street, 'Round the Corner, Down the Block (1974年、Fantasy)
- Stormy Monday (1978年、Fantasy) ※1974年録音
- Prime: Live at the Downtown Room (2009年、HighNote) ※1976年録音
ベニー・カーター
- Over the Rainbow (1989年、MusicMasters)
- Cookin' at Carlos I (1990年、MusicMasters) ※1988年録音
エディ・デイヴィス
- Trane Whistle (1960年、Prestige)
テディ・エドワーズ
- Horn to Horn (1996年、Muse) ※with ヒューストン・パーソン
- Midnight Creeper (1997年、HighNote)
- Smooth Sailing (2003年、HighNote)
フランク・フォスター
- 『マンハッタン・フィーヴァー』 - Manhattan Fever (1968年、Blue Note)
ジジ・グライス
- 『セイイング・サムシン!』 - Saying Somethin'! (1960年、New Jazz)
- 『ザ・ハプニンズ』 - The Hap'nin's (1960年、New Jazz)
- 『ラット・レース・ブルース』 - The Rat Race Blues (1960年、New Jazz)
- 『レミニシン』 - Reminiscin' (1960年、Mercury)
- Doin' the Gigi (2011年、Uptown)
ロイ・ヘインズ
- 『ジャスト・アス』 - Just Us (1960年、New Jazz)
フレディ・ハバード
- 『ファースト・ライト』 - First Light (1971年、CTI)
ウィリー・ジャクソン
- 『リアリー・グルーヴィン』 - Really Groovin' (1961年、Prestige)
- In My Solitude (1961年、Moodsville)
エタ・ジョーンズ
- 『ドント・ゴー・トゥー・ストレンジャーズ』 - Don't Go to Strangers (1960年、Prestige)
- 『サムシング・ナイス』 - Something Nice (1961年、Prestige)
- Easy Living (2000年、HighNote)
- Etta Jones Sings Lady Day (2001年、HighNote)
ローランド・カーク
- 『ウィ・フリー・キングス』 - We Free Kings (1961年、Mercury)
チャールズ・ミンガス
- 『ジャズ・ポートレイツ』 - Jazz Portraits: Mingus in Wonderland (1959年、United Artists)
オリヴァー・ネルソン
- 『スクリーミン・ザ・ブルース』 - Screamin' the Blues (1960年、New Jazz)
- 『ストレイト・アヘッド』 - Straight Ahead (1961年、Prestige)
ヒューストン・パーソン
- Person-ified (1997年、HighNote)
- My Romance (1998年、HighNote)
- Soft Lights (1999年、HighNote)
- Blue Velvet (2001年、HighNote)
- Sentimental Journey (2002年、HighNote)
ジェローム・リチャードソン
- 『ローミン・ウィズ・リチャードソン』 - Roamin' with Richardson (1959年、New Jazz)
ジェームス・スポルディング
- The Smile of the Snake (1997年、HighNote)
バディ・テイト & アル・グレイ
カル・ジェイダー
- Cal Tjader: Vibist (1954年、Savoy)
- Ritmo Caliente (1954年、Fantasy)
ウォーレン・ヴァシェ
- Horn of Plenty (1994年、Muse)
- Talk to Me Baby (1996年、Muse)
リチャード・ウィリアムス
- 『ニューホーン・イン・タウン』 - New Horn in Town (1960年、Candid)
レム・ウインチェスター
- Lem Winchester with Feeling (1961年、Moodsville)
Fine Wine Trio
- Fine Wine Trio (2000年、Fine Wine)
脚注
- ^ a b c d e f g h i j Gardner, Mark; Kernfeld, Barry, Wyands, Richard, Grove Music Online. Oxford Music Online. Oxford University Press, http://www.oxfordmusiconline.com/subscriber/article/grove/music/J492700 December 18, 2014閲覧。
- ^ a b c d “Richard Wyands, Consummate Accompanist and Impeccable Jazz Pianist, Is Dead at 91” (英語). www.wbgo.org. 1 October 2019閲覧。
- ^ a b Panken, Ted (December 2, 2012) "An interview with Richard Wyands for the Liner Notes for Half and Half (Criss-Cross) – Feb. 7, 2000".
外部リンク