ラス・ダシャン山
ラス・ダシャン山(アムハラ語:ራስ ደሸን rās dāshen(ラース・ダーシェン)「東風の防壁」[3]の意)は、エチオピアの最高峰、かつアフリカで4番目に高い山[4]。ラス・ダシェン山、ラス・デジェン山とも表記される。標高は4550m[1][4]。最も一般的なラス・ダシェンという呼称はアムハラ名のラス・デジェンが転じたもので、エチオピア製図局 (EMA) はこれを「皇帝の御前で戦う将軍」という意味だとしている[5]。エチオピアでは「ラス・デジェン」という呼び名が一般的である[4]。 環境エリック・ニルソンによれば、この山は「テケゼ川に合流する無数の峡谷によって北半分が何千メートルもえぐられた巨大火山」のへりの東端である。その西部にあたるビュアト山とのあいだには、メシャハ川の峡谷がある[5]。メシャハ峡谷には断崖絶壁がそびえるが、東面は比較的緩やかである[3]。語源の「東風の防壁」が意味する通り、山には強い風が吹き付ける[3]。山の一部はシミエン国立公園に含まれ、ゲラダヒヒ、ワリアアイベックス、アビシニアジャッカル、クリップスプリンガー、アビシニアハイラックス(Procavia capensis habessinicus、ケープハイラックスの亜種)などの希少種が生息している[4]。 山頂は雪線よりやや下に位置する[6]。1841年、フランス人士官のフェレとガルニエがヨーロッパ人として初めて登頂に成功した。それ以前に土着民が登攀したという証拠はないが、山頂の気候や気象条件は比較的おだやかで、高所にも牧畜を営む村が存在する。12月から3月にかけての乾季が登頂に適し、6月から9月にかけての雨季の登頂は困難である[4]。山頂まで1時間もかからない標高4300m付近にある小さな砦では、19世紀に戦闘が起きた。 標高1960年代から1970年代にかけて、国は製図測量調査を行い、ラス・ダシャン山の標高を4533mとした。本項では、標高を2005年のEMAの出版物と、それに1メートルしか違わない2007年のフランスとイタリアによるDGPS測位調査によった。しばしば4620mとも言われるが、現代のいかなる測量図やSRTMのデータにもこの値はみられない[1]。 脚注
参考文献
外部リンク
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