シミエン国立公園
シミエン国立公園 (英: Simien National Park) は、エチオピア北部、アムハラ州ゴンダール地区にある1969年設立の国立公園。タナ湖の北東約110kmの一帯に広がるシミエン山地を対象とする220km2に及ぶ国立公園であり、ユネスコの世界遺産に登録されている。 シミエン山地にはエチオピア最高峰(アフリカ大陸第4位)のラス・ダシェン山(標高4620m)をはじめとする高山が続き、「アフリカの天井」とも呼ばれている。この厳しい自然環境のなかで、独特の動植物たちが生息している。 国立公園指定のきっかけのひとつは、ワリアアイベックスを保護することにあった。ワリアアイベックスは、ヨーロッパ大陸のアイベックス(ヤギ亜科)と同系統で、かつてヨーロッパとアフリカが地続きだったときに渡ってきたと考えられている。このほかの哺乳類や鳥類としては、ゲラダヒヒ、アビシニアジャッカル、アヌビスヒヒ、マントヒヒ、クリップスプリンガー、キンイロジャッカル、ブチハイエナ、サバンナダイカー、ヒゲワシ、チョウゲンボウ(猛禽類)などが生息している[1]。 植物では、ジャイアントロベリアやヒペリカム(オトギリソウ属)などが見られる。 登録基準この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
危機遺産登録理由この山地には、4000m地帯にすら暮らしている人々がいる。彼らは2000年前からこの地で細々と農耕を行ってきたとされるが、その農地拡大が環境の悪化に拍車をかける面が指摘された。また、1993年まで続いたエリトリア独立をめぐる内戦も環境を大きく損ねる原因となった。これらのことから、1996年に危機遺産に登録された。住民の多くは強制移住の対象となったが、対象とならなかった人々は今も山地で暮らしている。 2017年に危機遺産リストから除去された[2]。 脚注
参考文献 |
Portal di Ensiklopedia Dunia