ミック・グラント(Mick Grant、1944年7月10日 - )は、イギリス出身の元オートバイレーサーである。マン島TTレースで7勝を記録している[1]。
略歴
1970年代のイギリスのロードレースファンにとって、穏やかに話す現実的でしっかりしたヨークシャー出身のグラントは、華やかでプレイボーイのロンドンっ子であったバリー・シーンと好対照の存在だった[2]。
1972年、グラントはデイブ・クロックスフォードとのコンビでスラクストン500耐久レースに優勝した[3] 。1975年のマン島TTレースでは1967年以来破られることのなかったマイク・ヘイルウッドのタイムを破って優勝している[4]。
1977年からはカワサキのファクトリーライダーとしてロードレース世界選手権に参戦し、1977年はバリー・ディッチバーンの、翌1978年はコーク・バリントンとグレッグ・ハンスフォードのチームメイトとして戦った[5]。1979年にはホンダの実験的な楕円ピストンを持つNR500の開発ライダーに抜擢されたが、この時はマシンの戦闘力不足もあって満足な結果を残すことはできなかった[6]。グランプリでは通算3勝を挙げている[7]。
また、グラントはマカオグランプリにも度々出場し、カワサキのファクトリーライダーだった1977年とヘロン・スズキから出場した1984年に優勝している[8]。
グラントはゼッケン10を好んで使い、ヘルメットには初期のスポンサーでありメカニックでもあったジム・リー ( Jim Lee ) に敬意を表して彼のイニシャルであるJLを記してレースに出場していた[9]。
主な戦績
ロードレース世界選手権
1969年から1987年までのポイントシステム
順位
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
ポイント
|
15
|
12
|
10
|
8
|
6
|
5
|
4
|
3
|
2
|
1
|
- 凡例
- ボールド体のレースはポールポジション、イタリック体のレースはファステストラップを記録。
マン島TTレース
年
|
クラス
|
マシン
|
順位
|
タイム
|
平均速度
|
1970
|
シニア
|
ベロセット
|
DNF
|
|
|
ジュニア
|
ヤマハ
|
18位
|
2時間32分20秒0
|
89.17mph
|
1971
|
フォーミュラ750cc
|
ノートン
|
DNF
|
|
|
ジュニア
|
ヤマハ
|
7位
|
2時間10分52秒0
|
86.5mph
|
1972
|
シニア
|
カワサキ
|
3位
|
2時間20分00秒0
|
97.03mph
|
フォーミュラ750cc
|
ヤマハ
|
DNF
|
|
|
ジュニア
|
ヤマハ
|
3位
|
1時間56分01秒0
|
97.57mph
|
ライトウェイト250
|
ヤマハ
|
DNF
|
|
|
1973
|
シニア
|
ヤマハ
|
DNF
|
|
|
フォーミュラ750cc
|
ノートン
|
2位
|
1時間50分21秒6
|
102.56mph
|
ジュニア
|
ヤマハ
|
DNF
|
|
|
1974
|
フォーミュラ750cc
|
カワサキ
|
17位
|
2時間28分15秒4
|
91.61mph
|
シニア
|
ヤマハ
|
DNF
|
|
|
ジュニア
|
ヤマハ
|
2位
|
1時間50分06秒2
|
102.8mph
|
ライトウェイト250cc
|
ヤマハ
|
2位
|
1時間37分09秒2
|
93.2mph
|
プロダクション1000cc
|
トライアンフ
|
1位
|
1時間30分48秒0
|
99.72mph
|
1975
|
シニア
|
カワサキ
|
1位
|
2時間15分27秒6
|
100.27mph
|
クラシック
|
カワサキ
|
DNF
|
|
|
ライトウェイト250cc
|
カワサキ
|
DNF
|
|
|
1976
|
クラシック
|
カワサキ
|
DNF
|
|
|
シニア
|
カワサキ
|
DNF
|
|
|
1977
|
クラシック
|
カワサキ
|
1位
|
2時間02分37秒4
|
110.76mph
|
ジュニア250cc
|
カワサキ
|
7位
|
1時間10分35秒6
|
96.2mph
|
1978
|
クラシック
|
カワサキ
|
1位
|
2時間00分50秒2
|
112.41mph
|
ジュニア
|
カワサキ
|
DNF
|
|
|
シニア
|
|
DNF
|
|
|
1979
|
クラシック
|
|
DNF
|
|
|
シニア
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
1980
|
クラシック
|
ホンダ
|
2位
|
2時間00分50秒2
|
112.4mph
|
フォーミュラ1
|
ホンダ
|
1位
|
2時間08分59秒8
|
105.29mph
|
1981
|
シニア
|
スズキ
|
1位
|
2時間07分58秒2
|
106.14mph
|
クラシック
|
スズキ
|
2位
|
2時間00分04秒8
|
113.11mph
|
フォーミュラ1
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
1982
|
シニア500cc
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
クラシック
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
フォーミュラ1
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
1983
|
シニア・クラシック
|
スズキ
|
5位
|
2時間01分32秒0
|
|
フォーミュラ1
|
スズキ
|
2位
|
1時間59分59秒4
|
|
1984
|
シニア
|
スズキ
|
6位
|
2時間02分34秒8
|
110.8mph
|
プロダクション751 - 1500cc
|
スズキ
|
6位
|
1時間06分01秒0
|
102.87mph
|
クラシック
|
スズキ
|
3位
|
1時間58分26秒2
|
114.68mph
|
フォーミュラ1
|
|
DNF
|
|
|
1985
|
シニア
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
プロダクション251 - 750cc
|
スズキ
|
1位
|
1時間05分04秒6
|
104.36mph
|
フォーミュラ1
|
スズキ
|
DNF
|
|
|
脚注
外部リンク