マンフレッド・マン・チャプター・スリー [ 2] (Manfred Mann Chapter Three )は、イングランド 出身のジャズ・ロック ・バンド 。
南アフリカ 出身のキーボーディスト であるマンフレッド・マン が、ブリティッシュビート ・バンド 「マンフレッド・マン 」に続いて率いた、二番目のリーダーバンドとして知られる。
来歴
創設者マンフレッド・マン(1967年)
盟友マイク・ハグ(1967年)
1960年代 、南アフリカ共和国 出身のオルガニスト であるマンフレッド・マンは英国に渡り、ブリティッシュビート ・バンド 「マンフレッド・マン (バンド) 」を結成して活動していた[ 3] 。
マンフレッドは1966年 頃から同僚であるマイク・ハグと共に、ジャズのサイド・プロジェクトで不定期に活動。更に1969年 「マンフレッド・マン」の活動末期に「Emanon」(no nameの逆さ読み)という名で、ジャズ・ロック を指向した実験音楽を始める。メンバーが集い始めた初期の頃に、ミシュラン のテレビCMの ジングル 制作機会を得るなどで手応えを掴んだマンフレッドとハグは「マンフレッド・マン」を正式に解消し、同プロジェクトを本格化させた。
同年10月に「マンフレッド・マン・チャプター・スリー 」の名でライブ・デビューする。バンド名の由来は、「マンフレッド・マン」の初期時代を"チャプターI"、1966年 「フォンタナ・レコード 」に移籍した時代からを"チャプターII"、そして当バンドを"チャプターIII"としてカウントしたものである。このラインナップで1stアルバム『マンフレッド・マン・チャプター・スリー』を制作。当時新設されたレーベル「ヴァーティゴ 」の第一弾アーティストとしてアルバム・デビューした[ 4] 。
1970年 、早速次作の制作を開始。後に様々なロック・バンドで活躍する若き有望株達が参加し、ファースト・アルバムから増員しての大所帯になる。ホーン・セクションを導入し、更にブラス・ロック 色を強めたセカンド・アルバム『ボリューム・ツゥー』を発表する[ 5] 。
そして同年に3rdアルバム『Volume Three』の制作に取り掛かるが、完成を見ないままバンドは崩壊した。
解散後、マンフレッドは、モーグ・シンセサイザー を導入した、よりプログレッシブ・ロック 要素の強い「マンフレッド・マンズ・アース・バンド 」を結成。ハグはソロ活動で"チャプターIII"の音楽性を引き継いだ。
ラインナップの変遷
エマノン (Emanon) 1969年4月-8月
マンフレッド・マン (Manfred Mann) - オルガン
マイク・ハグ (Mike Hugg) - ボーカル、エレクトリック・ピアノ、ピアノ
スティーヴ・ヨーク (Steve York) - ベース
バーニー・リヴィング (Bernie Living) - サックス、フルート
クレイグ・コリンジ (Craig Collinge) - ドラム
+
ソニー・コルベット (Sonny Corbett) - トランペット (ゲスト/4月24日のライブ)
カール・グリフィス (Carl Griffith) - サックス (ゲスト/4月24日のライブ)
デイヴ・コックスヒル (Dave Coxhill) - サックス (ゲスト/4月24日のライブ)
クライヴ・スティーヴンス (Clive Stevens) - サックス (ゲスト/4月24日のライブ)
ジェラルド・ドレウェット (Gerald Drewett) - トロンボーン (ゲスト/4月24日のライブ)
? - ギター (ゲスト/「Michelin Theme」)
「Michelin Theme (go radial go michelin)」(ミシュランのテーマ)録音。
第1期 1969年10月-1970年
マンフレッド・マン (Manfred Mann) - オルガン、ボーカル
マイク・ハグ (Mike Hugg) - ボーカル、エレクトリック・ピアノ、ピアノ
スティーヴ・ヨーク (Steve York) - ベース、ハーモニカ
バーニー・リヴィング (Bernie Living) - サックス、フルート
クレイグ・コリンジ (Craig Collinge) - ドラム
+
ハロルド・ベケット (Harold Becket) - トランペット (ゲスト/ファースト・アルバム)
ブライアン・ハグ (Brian Hugg) - アコースティックギター (ゲスト/ファースト・アルバム)
ファースト・アルバム『マンフレッド・マン・チャプター・スリー』録音。
第2期 1970年春
マンフレッド・マン (Manfred Mann) - オルガン
マイク・ハグ (Mike Hugg) - ボーカル、エレクトリック・ピアノ、ピアノ
スティーヴ・ヨーク (Steve York) - ベース
バーニー・リヴィング (Bernie Living) - サックス
クレイグ・コリンジ (Craig Collinge) - ドラム(2nd録音中に脱退)
ソニー・コルベット (Sonny Corbett) - トランペット
クライヴ・スティーヴンス (Clive Stevens) - サックス
デイヴ・コックスヒル (Dave Coxhill) - サックス
デイヴ・ブルックス (Dave Brooks) - サックス
ブライアン・ハグ (Brian Hugg) - アコースティックギター、バック・ボーカル
+
ハロルド・ベケット (Harold Becket) - トランペット (ゲスト/2ndアルバム)
コンラッド・イシドール (Conrad Isidore) - ドラム (ゲスト/2ndアルバム)
アンディ・マカロック (Andy McCulloch) - ドラム (ゲスト/2ndアルバム)
ジェリー・フィールド (Jerry Field) - ヴァイオリン (ゲスト/2ndアルバム)
セカンド・アルバム『ボリューム・ツゥー』録音。
第3期 1970年春-1970年末
マンフレッド・マン (Manfred Mann) - オルガン、シンセサイザー
マイク・ハグ (Mike Hugg) - ボーカル、エレクトリック・ピアノ、ピアノ
スティーヴ・ヨーク (Steve York) - ベース
コンラッド・イシドール (Conrad Isidore) - ドラム、バック・ボーカル
ソニー・コルベット (Sonny Corbett) - トランペット
カール・グリフィス (Carl Griffith) - サックス、フルート
クライヴ・スティーヴンス (Clive Stevens) - サックス
ジェラルド・ドレウェット (Gerald Drewett) - トロンボーン
+
リザ・ストライク (Liza Strike) - バック・ボーカル (ゲスト/5月4日のライブ、サード・アルバム・レコーディング・セッション?)
リンダ・ルイス (Linda Lewis) - バック・ボーカル (ゲスト/5月4日のライブ、サード・アルバム・レコーディング・セッション?)
クリス・スレイド (Chris Slade) - ドラム (サード・アルバム・レコーディング・セッション)
? - ギター (サード・アルバム・レコーディング・セッション)
サード・アルバム『Volume Three』を録音開始するがアルバムは未発表。クリス・スレイドが録音に参加していることは判明しているが、録音メンバーの詳細は不明。後に発掘された「Messin' Up The Land」での男性バッキング・ボーカル(イシドールと思われる)や女性バッキング・ボーカルから、この時期のメンバーで録音されたと推測される。
ギターはファースト・アルバム、セカンド・アルバムに参加していたブライアン・ハグか、後にマンフレッド・マンズ・アース・バンド に参加するミック・ロジャースである可能性がある。
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
『マンフレッド・マン・チャプター・スリー』 - Manfred Mann Chapter Three (1969年 第1期)
『ボリューム・ツゥー』 - Volume Two (1970年 第2期)
コンピレーション・アルバム
『ラジオ・デイズ VOL.3 ライヴ・セッションズ・アンド・スタジオ・レアリティーズ』 - Radio Days Vol 3 - Live Sessions & Studio Rarities (2019年)
オムニバス・アルバム
Vertigo Annual (1970年 第1期) ※「One Way Glass」で参加
シングル
"Happy Being Me / Devil Woman" (1970年 第2期(A面)、第1期(B面))
"Virginia / I Ain't Laughing" (1971年 第2期)
その他
マンフレッド・マン : "Ragamuffin Man / A 'B'side" (1969年)
B面曲を1stアルバムで「Travelling Lady」として再演している。
マンフレッド・マンズ・アース・バンド : Glorified Magnified (1972年)
1stアルバムの「One Way Glass」を再演している。
マンフレッド・マンズ・アース・バンド : 『メッシン』 - Messin' (1973年)
3rdアルバム『Volume Three』用の曲「Messin' Up The Land」を「Messin'」として再演している。
マンフレッド・マンズ・アース・バンド : 『太陽の化身』 - Solar Fire (1973年)
3rdアルバム『Volume Three』用の曲「Fish」を「Saturn, Lord Of the Ring / Mercury, The Winged Messenger」として再演している。
マンフレッド・マンズ・アース・バンド : Odds & Sods Mis-takes & Out-takes (2005年)
3rdアルバム『Volume Three』用に録音された3曲「Messin' Up The Land」「Fish」「Turn You Away From My Door」を収録している。
トライフル (Trifle) : 『ファースト・ミーティング』 - First Meeting (1970年)
1stアルバムの「One Way Glass」をカバーしている。ベースのパトリック・キングは後に「マンフレッド・マンズ・アース・バンド 」に参加。
脚注
関連項目
外部リンク