マンツーマンディフェンスマンツーマンディフェンス(Man-to-man defense)とは、球技におけるディフェンス(守備)の戦術の一つで、ゾーンディフェンスと対になる戦術である。単にマンマーク(Man-mark)とも呼ばれる。マンツーマンとは「1対1」のことを示し、マンツーマンディフェンスでは常に特定の相手選手に対して1対1でくっ付いて(マークして)ディフェンスする。 メリット
デメリット
バスケットボールのマンツーマンディフェンスバスケットボールでは、ミスマッチ(体格、運動能力などが見合わない状態)とならない相手に対して、適切な距離を保ちディフェンスする[1]。また攻撃側のスクリーンに適切に対応しながら、マッチアップした相手の攻撃を防いでゆく。守備を行うエリアによって、コート全域で守備を行うときはオールコートマンツーマン、コートの自軍側半分でのみ守備を行うときはハーフコートマンツーマン、その中間であるコートの3/4で守備を行うときは3/4コートマンツーマンなどと呼ばれる[2]。また、1人の選手に対して2人のマークをつけることをダブルチーム、3人のマークをつけることをトリプルチームという。これは相手チームに1人だけ飛びぬけて優れた選手がいるときなどに使われるが、ボールホルダー(ボールを持っている選手)に対してダブルチームをして積極的にボールを奪おうとすることもある。マンツーマンディフェンス中に、スクリーンへの対応や、ヘルプディフェンスのためにディフェンスをする相手を変えることをスイッチと呼ぶ。 NBAでは、ゲームの緊迫感を高めるため、1946年1月11日に、ゾーンディフェンスに制限を設けて、2001–02シーズンに解禁されるまで、マンツーマンディフェンスを強制するため、イリーガルディフェンスルールが存在した。1981–82シーズンに制定されたルールの一つには、ディフェンダーがマッチアップする相手とワンアーム(手が届く位置)以内の距離から離れて3秒経過してはならないというものがあり、この違反を犯すと、イリーガルディフェンスがコールされ、初回はショットクロックを24秒にリセットし、次回からはペナルティで、攻撃側に1フリースローとその後の攻撃権が与えられていた。ゾーンディフェンスが解禁された後は、これに変わってディフェンス3秒ルールが設定され、ペイントエリア内のディフェンダーが、相手とワンアーム以上離れて、3秒ペイントエリア内にとどまるとディフェンス3秒がコールされる。ペナルティは、1フリースローとその後の攻撃権が与えられるルールとなった[3]。 サッカーのマンツーマンディフェンス現代サッカーではマンツーマンディフェンスが行われることは稀である。ゴールに近い位置でのセットプレーや、相手のキープレーヤー(特に重要な選手)に対して専属のマーカーをつける場合以外ではまず見られない。サッカーでマンマークが廃れていった理由は、全体的な技術の向上や運動量の増加に伴い「人が人に付ききれなくなった」点にある。スペースへ走りこむ選手へパスを出されるとマンマークでは付いていけない場合が多いため、パスの出されるところへ先回りする方法によるゾーンディフェンスが有効である。ただし、前線に展開している相手FWのタイプ(身長の高低、フィジカル、スピードなど)に合わせてCBが左右を入れ替えることがある。こうすることで自分がより得意とするタイプの相手に対処することができる。 関連項目脚注
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