マンサク
マンサク(満作[10][11]・万作[11]、学名: Hamamelis japonica)は、マンサク科マンサク属の落葉小高木。 名称和名マンサクの語源は明らかでないが、早春に他の木に先駆けて花が咲くことから「まず咲く」「真っ先」が転訛した説[12][10][13]、また黄金色の花が多数咲くと豊作になるといわれることから「万年豊作」に由来するなどの説[12][10][14][15]、あるいは花がたくさん咲くから「満咲き」からだとする説がある[13]。 葉の形が左右非対称で不整なことから、カタソゲ(片削げ)という俗名がある[16]。 分布・生育地日本の北海道渡島半島[10]、本州の太平洋側から四国、九州に分布する[12]。 日本各地の山地に生える[10]。山林に多く、山里の雑木林や谷筋の林に自生する[17]。また花木として庭に植えられる[18]。 形態・生態落葉広葉樹の小高木。多くは高さ3メートル (m) ほどの灌木で[16]、生長すると5 - 6 mになる[10]。樹皮は灰褐色で滑らか[11]。一年枝は淡褐色で毛がある[11]。葉は互生し、短い柄がついた長さ5 - 15センチメートル (cm) の菱形状の円形から広卵形で左右が歪み、葉身が厚く波状の鋸歯がある[12][10][16]。表は濃い緑色でツヤがあり、葉裏の葉脈上に淡褐色の毛が密生して目立つ[16][19]。秋は黄葉して黄色から橙色に色づき、落葉すると褐色に変わる[10][20]。日当たりがよいと、赤っぽく色づく個体もある[18]。 開花期は2 - 3月[12]。雌雄同株[21]。葉に先駆けて黄色の花が房状にたくさん咲いて目立ち[12][16]、ほのかに芳香がある[21]。花の直径は3 - 4 cm[16]、がく、花弁と雄蕊および仮雄蕊が4個ずつあり、雌蕊は2本の花柱を持つ。花弁は長さ10 - 15ミリメートル (mm) 、幅2 mmほどの細長いひも状でねじれる[12][10][16]。萼片は長さ約3 mmの暗赤褐色で、円形で反り返る[10]。 果期は9 - 10月[10]。果実は蒴果で、直径約10 mmの卵状球形で褐色の短毛が密生し[10]、黒色の大きな種子を2個含む[11]。果実はホウセンカのように、成熟後に乾燥することで先の皮が裂けて種子が飛び散る。 冬芽は互生し、短毛を密生し、2枚の芽鱗は落ちやすく裸芽になる[11]。頂芽は長楕円形で柄がある[11]。花芽は卵球状で、下を向いた柄の先に2 - 4個つく[11]。側芽は葉芽である[11]。葉痕は半円形や三角形で維管束痕が3個ある[11]。 利用まだ晩冬の寒いうちから開花して、春の訪れを告げる木として印象が深いことから、庭木や公園樹として植えられる[10][20]。欧米でも人気があり植栽されている[20]。樹皮の繊維が強く、岐阜県白川郷の合掌造りに使われる[11]。黄色い花は切り花としても用いられ、花が赤い品種のアカバナマンサク(赤花満作)や、花弁の基部が紅色の品種ニシキマンサク(錦満作)もある[16]。 亜種・変種・品種
マンサク属マンサク属(マンサクぞく、学名: Hamamelis)は、マンサク科の属の一つ。東アジアと北米に分布し、4種ほどに分けられている。
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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