マイケル・ウィーラン
マイケル・ウィーラン(Michael Raymond Whelan、1950年6月29日 - )は、アメリカ合衆国出身のイラストレーター、美術作家。 イラストの分野では世界的に高名なアーティストで、SFや幻想芸術の部門などで数多くの芸術賞を獲得。特にSF作家の最高栄誉「ヒューゴー賞」を最多受賞し、スーパーヒューゴーの称号を持つ。 人物学生時代カリフォルニア州ロサンゼルス郡カルバーシティ出身。父親が航空宇宙産業に関わる仕事のため全米各地を転々とし、空軍基地や施設近郊に居住する事が多かった。そのため軍施設の現場を目の当たりにする少年期を過ごし、その影響が後々のSF(サイエンス・フィクション)志向に繋がる。 高校時代に、コロラド州デンバーにある芸術校で夏期講習を受ける機会を得て、そこから美術をたしなむようになる。しかし高校卒業後は医学の道に進み、サンノゼ州立大学に在学。解剖生理学を専攻して人体解剖学を学ぶ。この時に医学のイラストレーションに関わることで高校時代のアート思考が甦り、改めて美術家を志すようになった。 1973年に大学卒業後、カリフォルニア州の芸術校「アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン」に入校。本格的な美術を学ぶ傍ら、ワシントンD.C.のワールドコン(世界SF大会)に自身の作品を出展していた。翌1974年、それらの作品が出版社の目に留まって初めての契約を掴み、出版物のブックカバーデザイナーとして採用される。そして仕事に専念するため同校を中退し、イラストレーターとしてのプロ活動を開始した。 イラストレーター活動〜以降1975年、大手が集まるニューヨークの出版業者とビジネスするため、米東海岸コネチカット州に拠点を移す。 「DAWブックス」「デル・レイ・ブックス」「エース・ブックス」などSF部門の有力出版社に所属して実績を積み、特に有名SF作家 アン・マキャフリイの作品を手掛けた仕事が評判を呼んだ[1]。これらの作品が評価され、1980年にSF作家の最高栄誉「ヒューゴー賞」プロアーティスト部門を初受賞。以来同部門を7連覇し、他の部門も含め最多の15回以上獲得している(2020年時点)[2]。また、プロアーティスト部門の受賞が二桁以上に達した時点で歴代最高のアーティストと称えられ、1992年に特別賞「スーパーヒューゴー」を贈られた。 他にも、スティーヴン・キング、ピアズ・アンソニイ、エドガー・ライス・バローズ、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト、マイケル・ムアコック、C・J・チェリイ、ロバート・A・ハインライン、H・ビーム・パイパー、ブランドン・サンダースンといった著名な作家の作品を担当した。 1980年代に入るとブックカバーイラストだけでなく、音楽アーティストのアルバム・カバーアートも手掛けるようになった。特に「ミートローフ」や「セパルトゥラ」といった[3]、ロックアーティストの作品に提供する事が多い。 2000年代以降は、世界的にもSFアートの重鎮としての地位を確立し、各地域で名誉賞を含む大きな評価を得ている。2009年には、米ポップカルチャー・ミュージアムが設立した「SF&ファンタジーの殿堂」入りを果たした[4]。 アルバム・カバーアート作品※以下、アルファベット順
書籍主な画集など
脚注
外部リンク
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