ポテトデキストロース寒天培地

ポテトデキストロース寒天培地で増殖した土壌分細菌のマスタープレート。

ポテトデキストロース寒天培地(Potato dextrose agar、BAM Media M127[1])とポテトデキストロース培地は、potato infusionとデキストロースから作られる一般的な微生物増殖培地である。ポテトデキストロース寒天培地(略称「PDA」)は、真菌や細菌の培養に最も広く使用されている培地である[2]

ポテトデキストロース寒天培地で増殖したアスペルギルス属

PDAは土壌中に存在する様々な細菌や真菌を培養する能力を持つ。この寒天培地は、抗生物質や酸とともに使用することで、細菌・真菌の増殖を阻害することができる。PDAは食品業界において、食品を腐敗させる真菌の検査に使用される。また製薬業界では、薬剤に含まれる可能性のある抗真菌成分のスクリーニングにも使用されている[3]

ポテトデキストロース寒天培地は細菌と真菌(酵母とカビ)のための用途の広い培地である。この寒天培地は幅広い種類の真菌に使用されるが、特定の種類の真菌により選択性の高い寒天培地もある。これらの寒天培地には、麦芽エキス寒天培地サブロー寒天培地が含まれるが、これらに限定されない。麦芽エキス寒天培地はPDAよりも酸性が強く、アオカビの培養によく使用される[4]。サブロー寒天培地もpH5.6-6.0と弱酸性で、PDAに類似する。皮膚糸状菌などの病原性真菌の分離に最もよく使用される。

典型的な組成

value 成分と条件
1000 mL
(茹でたジャガイモ200gを上記の水に入れる) ジャガイモ
(スライして洗って皮をむいていないもの)
20 g デキストロース
20 g 寒天粉末
5.6±0.2 最終pH
25°C 温度

Potato infusionは、スライスした(洗って皮をむいていない)ジャガイモ200g(7.1 oz)を1L(0.22 imp gal; 0.26 US gal)の蒸留水で30分間煮た後、cheeseclothでデカントするか濾して作ることができる。懸濁液の総容量が1L(0.22 imp gal; 0.26 US gal)になるように蒸留水を加える。その後、20g(0.71 oz)のデキストロースと20g(00.71 oz)の寒天粉末を加え、培地を15pounds/inch(100kPa)で15分間オートクレーブ滅菌する[1]

同様の培地であるポテトデキストロース培地(略称「PDB」)は、寒天を加えずにPDAと同様に調製されている[5]。PDBで培養できる一般的な微生物は、 Candida albicans出芽酵母などの酵母、Aspergillus nigerなどのカビである[5]

脚注

  1. ^ a b BAM Media M127: Potato Dextrose Agar from the U.S. Food and Drug Administration
  2. ^ Harold Eddleman, Ph. D (1998年2月). “Making Bacteria Media from Potato”. Indiana Biolab. disknet.com. 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月4日閲覧。
  3. ^ Pitt & Hocking (2009). Fungi and food spoilage. Springer Science & Business Media. Bibcode2009ffs..book.....P 
  4. ^ “Atlas of clinical fungi”. Centraalbureau voor Schimmelcultures (2). (2009). 
  5. ^ a b Potato Dextrose Broth”. Merck KGaA. 2006年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2005年5月29日閲覧。

参考文献

  • Atlas, R.M.: Handbook of Microbiological Media, second edition. Lawrence C. Parks (1997)

 

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