ボブ・ボーグル
ロバート・レナード・「ボブ」ボーグル (Robert Lenard Bogle, 1934年1月16日 - 2009年6月14日) は、アメリカ合衆国出身のベーシスト兼ギタリスト。ザ・ベンチャーズ結成時からのオリジナルメンバーだった。 略歴1934年1月16日、オクラホマ州ワグナー出身。ザ・ベンチャーズ結成時のオリジナルメンバーである。当初はリードギターを担当していた。ある建設会社に勤務していた頃にたまたまドン・ウイルソンと出会い、音楽の話で盛り上がっていつしか2人でギターを演奏するようになり、1959年ベンチャーズの歴史が幕を開ける。やがてベンチャーズが2人のユニットからドラムにホーウィー・ジョンソン、ベースにノーキー・エドワーズを迎え、バンドとして歩み始める。程なくノーキーがリードギターに、ボブがベースに交代し、ホーウィー・ジョンソンが交通事故に見舞われ止む無く脱退、メル・テイラーに交代するが、それ以降の輝かしい歴史はロックの歴史の一ページとなった。 1993年には日本人女性と結婚し、愛用のギターには夫人のプリクラが貼られていたことも。長年患っていた腰痛の悪化によって2005年からツアーからは引退した状態(後任はボブ・スポルディングが参加。その後も他界するまでレコーディングには参加していた)になっていたが、2009年6月14日、非ホジキンリンパ腫のため死去、同時に余命10年と宣告されながら12年間闘病していたことが明らかになった[1]。 没後、生前の本人の意向によって夫人の出身地である愛媛県に墓が建立され、荼毘に付された後に納骨された。墓石には「ウォーク・ドント・ラン」の楽譜の一部と、愛用していたギターであるフェンダー・ジャズマスターが刻まれている。 音楽性元々ギタリストであっただけあり、彼が奏でるベースラインは独特の物である。ノーキー・エドワーズがベースを弾いていた"Walk Don't Run"の原曲では普通のウォーキングベースであるが、ボブの演奏はむしろギターのフレージングそのものをベース奏法に転用させた「リードベース」とも言える豪快でメロディアスなフレーズが次々飛び出す。特にライヴではその傾向が一層強くなり、ルート音だけではない経過音を盛り込んだランニングベースや、ベースで「テケテケテケ・・・」を弾いたり、チョーキングを加えるなどのアドリブを加えることで、豪快かつドライヴ感満点のフレーズを引き出す。晩年はチョーキングを絡めた速弾きのベースソロを"Wipe Out"で加えるなど、単に「ベース」の領域に留まることの無いユニークさを見せていた。彼曰く「他のベーシストをあまり聴かなかったしコピーもしなかった。本当に自己流」と語るように、後述のエピソードの通り必要に迫られてベースを担当するようになったために生まれた結果であり、それが彼ならではのベースの演奏スタイルとなっている。 リードギターも数曲披露するが、こちらは極めてオーソドックスなプレイスタイルとなっている。愛器フェンダー・ジャズマスターのピックアップセレクターは常にミドルポジションに設定し、トレモロアームを握った状態で弾くのが特徴である。そのため微妙な音程の揺らぎが生じるのだが、それが却って彼ならではの味となっている。またライヴでは"Caravan"のドラムソロで見せる、ドラマーがベースの弦を叩いて鳴らす「スティック・オン・ベース」が見せ場となっている。ドラムとベースの二人の呼吸が合わないと成立しないテクニックである。ドラムソロだけではつまらないから、もっとエキサイティングにしたい、とメル・テイラーとアイデアを出し合った末に出来たものだと生前のインタビューで語っている。 使用機材
他 エピソード
出典
|
Portal di Ensiklopedia Dunia