ボノム・リシャール (強襲揚陸艦)
ボノム・リシャール(USS Bonhomme Richard, LHD-6)は、アメリカ海軍の強襲揚陸艦。ワスプ級強襲揚陸艦の6番艦。艦名はジョン・ポール・ジョーンズの座乗した有名なフリゲート(フランス語で「善良なるリチャード、英:Goodman Richard」の意。ベンジャミン・フランクリンの著書『貧しきリチャードの暦』から)に因む。その名を持つ艦としては3隻目。 艦歴ボノム・リシャールは、ミシシッピ州パスカグーラのインガルス造船所で1995年4月18日に起工し、1997年3月14日に進水、1998年5月12日に海軍に移管され、1998年8月15日に就役した。 ボノム・リシャールは8月8日にパスカグーラを出港し、8月15日にペンサコーラに到着する。ペンシルベニア州選出下院議員ジョン・P・ムーサが就役式で演説を行い、海軍長官ジョン・H・ドルトンが就役を命じた。 ムーサの妻ジョイスが1997年5月に命名を行い、ムーサ夫人は艦に対して伝統の命令「Man our ship and bring her to life!(総員乗艦、艦に生命あれ)」を下した。 就役式にはこのほかミシシッピ州選出下院議員ジーン・テイラー、海軍作戦副部長ドナルド・L・ピリング提督、海軍教育訓練部長パトリシア・A・トレーシー中将、インガルス造船副社長が出席した。 2006年3月13日、フリゲート・初代「ボノム・リシャール」の残骸捜索隊の名誉旗艦に任命された。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」も同じく名誉旗艦に任命された。 2011年8月19日、2012年春に佐世保配備の同型2番艦「エセックス」とのシップ・スワップを行うことが発表された[1]。 2012年4月23日より、「エセックス」に代わり佐世保に配備された。 2018年1月14日に母港であった佐世保基地にF-35Bを運用可能に改修された同型艦1番艦「ワスプ」が本艦との機能移転のために入港した。母港をサンディエゴ海軍基地に移し、移転作業が行われた後、本国でワスプ同様の近代化改修工事を行う予定であった[2]。 サンディエゴ現地時間の2020年7月12日の午前8時30分頃に火災を起こした[3]。メンテナンス中で消火設備が無効化されており対応が遅れ、火災は発生から4日後の16日に鎮火された[4]。 その後放火の疑いも含めて調査と検証が行われていたが、2020年11月30日に海軍は本艦を退役させ、解体する方針を明らかにした[5]。火災によって飛行甲板を含む艦全体の6割が損傷し[6]、元通りに修復するには5~7年の期間と25億~32億ドル(日本円で約2600億~約3340億円)かかること[5]、残存部分を病院船など別種の艦船に転用するにも10億ドル以上のコストがかかり新造艦を建造する方が安くつく[5]ため、退役させて解体することが最善策と判断された。本艦は火災原因調査終了後に退役・解体される見通しとなっており[6]、それにかかるコストは3000万ドル、作業期間は9~12カ月と見積もられている[5]。2021年4月14日に退役式が行われた。同型艦に流用できる機器が撤去された後、テキサス州ガルベストンに曳航され、解体された[7]。 2021年7月29日、第3艦隊は、放火などの疑いで火災当時ボノム・リシャールの乗組員だった水兵1人を訴追したと発表した[8][9]。2022年9月19日、サンディエゴ海軍基地で被告の裁判が始まった。2週間の裁判を経て9月30日、判事はこの水兵を両方の容疑(放火と船舶への故意危害)で無罪とした[10][11]。 参照
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