ボノプラザン
ボノプラザン(英: Vonoprazan)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつであり、武田薬品工業が開発したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker:P-CAB)である。胃酸抑制剤のため、胃・十二指腸潰瘍の治療や予防、逆流性食道炎の治療、ヘリコバクター・ピロリ除菌時の胃内pH調整に用いられる[1]。 ほかのPPIで必要である胃酸による活性化が不要で、有効濃度への到達が速やかで、服用から作用発現までが早い[2]。商品名タケキャブで後発医薬品は無い。酸に対して安定しているので、作用部位(胃腺の分泌細管)に長く留まることができる[3]。 効能・効果
併用禁忌注意副作用添付文書に記載されている重大な副作用は、偽膜性大腸炎などの血便を伴う重篤な大腸炎(ピロリ除菌時の抗生物質の使用に伴うもの)である。AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇を生じることがある。また、ピロリ除菌時に10%の患者で下痢が発生する。 長期投与中に良性の胃ポリープを認めたとの報告がある。マウスおよびラットで、臨床用量で胃の神経内分泌腫瘍が、約300倍で胃の腺腫が、約13倍以上(マウス)および約58倍以上(ラット)で肝臓腫瘍がそれぞれ認められている。 重大な副作用2019年4月の、厚生労働省医療・生活衛生局発行の「医薬品・医療機器等安全性情報 No.362」により、ボノプラザンフマル酸塩、ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン、ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾールについて、下記の重大な副作用の項目が追加改訂された[5]。 商品名
作用機序胃腺の壁細胞に存在するH+,K+-ATPaseを競合的に阻害して、胃内へのH+ 分泌を抑制する。 臨床試験ランソプラゾールに対する非劣性が示されている[6]。武田薬品工業における開発コードナンバーはTAK-438。 脚注
外部リンク
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