ホワイトブレス 〜with faint hope〜
『ホワイトブレス 〜with faint hope〜』は、2004年7月23日にF&C・FC02より発売された日本の18禁恋愛アドベンチャーゲーム。 沿革2004年7月23日に設定資料集『ホワイトブレスメモリアルノート』[注 1]が付属された『ホワイトブレス 〜with faint hope〜 初回版』およびメモリアルノートにF&Cカードが付いた『ホワイトブレス 〜with faint hope〜 F&Cカード付初回版』が発売された。その後、初回版の品切れた2004年9月3日にメモリアルノートが付属しない『ホワイトブレス 〜with faint hope〜 通常版』が発売された。2007年5月25日にはパッケージを改め、メディアをCD-ROM2枚組からDVD-ROMに変更した『ホワイトブレス 〜with faint hope〜 パッケージリニューアル版』が発売された。また、各ダウンロード販売サイトにてダウンロード版の販売も行われている。 2006年11月22日にはKIDより全年齢対象でタイトルを『ホワイトブレス 〜絆〜』と改めたPlayStation 2版が『ホワイトブレス 〜絆〜 通常版』と『ホワイトブレス 〜絆〜 初回限定版』の2種類で発売された。限定版には草薙書き下ろしの、ののかの視点からの物語が収録されたドラマCDが同梱された。この限定版同梱CDにはすいーつたんけんたいによる「バースディケーキ」(作詞:金杉肇、YURIA / 作曲:YURIA / 編曲:小池雅也)、『ミトン』(作詞:金杉肇、YURIA / 作曲:YURIA / 編曲:細井聡司)の新曲2曲も収録された[1]。なお、初回限定版は生産数が少ないため、取り扱い店舗が限定された[2]。 2007年11月29日には、電脳CLUBより2枚組のDVDPG版が発売された。 2010年7月8日にau専用サイトの虹屋より、PC版を携帯電話向けにアレンジしたゲームアプリが2000ポイント(2000円相当)でリリースされた。 2010年9月2日にGN Softwareより、PC版の企画書段階では存在した幻のヒロイン・杉本椎奈を復活、新規追加した完全版『ホワイトブレス パーフェクトエディション』がPlayStation Portable対応の全年齢対象で発売された[3]。通常版と限定版の2種類で発売され、限定版には特典として、オリジナルマグネットステッカーセットと追加キャラクターの杉本椎奈の原画を収録した設定資料集が同梱された。 2011年4月28日に『ホワイトブレス パーフェクトエディション』をPCに逆移植し、さらに杉本椎奈のアダルトシーンを追加した『ホワイトブレス パーフェクトエディション+』がF&C・FC02より発売された。 2012年10月30日には、桃ゲーより、本作のAndroid版が無料で配信された[4]。 また、GMOが運営するGゲーでは、Android端末向けに、全ルートを収録したバージョンが有料で配信された[5]ほか、ルート別の分割販売も行われた[6]。 システム物語はプロローグからエンディングまで7つのPHASEで構成されている。 序盤の中心となるPHASE2は、「行動選択」と「アドベンチャー」の2つのパートに分かれており、それらが交互に進行することで物語が展開していく。「行動選択」では1日の始まりの時点で、その日の朝・昼・夜の3つの時間帯においてどのヒロインと出会い関係を深めるかを選択することとなる。「アドベンチャー」では、「行動選択」で選択したヒロインと会話を進めていく。 PHASE3以降は、「アドベンチャーパート」のみで構成されている。会話の途中で主人公の行動や台詞を決める選択肢が出ることもあり、その選択によってその後の展開が変化する。 ストーリー
1998年11月末。藤沢市に住む主人公・相模 司はかけがえの無い仲間達に囲まれた楽しい生活を送っていたが、幼い頃に患っていた病気が再発する。 登場人物相模司を除くキャラクターの声優はPC版、PS2版、ドラマCD、DVDPG全て共通。
音楽スタッフ開発本作は、『With You 〜みつめていたい〜』に参加したシナリオライター・草薙こうたろうと原画家・橋本タカシの2人が再びコンビを組んで制作した作品である[8]。 舞台設定物語の舞台である「藤沢市」は、実在の神奈川県藤沢市とその周辺をモチーフにしている。5、6年にわたるロケーション・ハンティングが行われ、実際の風景を緻密に再現した背景絵が描かれている[9]。主人公達が通う私立茜坂学園は神奈川県立鎌倉高等学校をモチーフとしている。藤沢市を舞台とした理由は、冬の季節を舞台としていながらも雪が多い所は好ましくなかったため、太平洋側で取材に行きやすい場所、かつ鎌倉といった他業社に多く利用されている場所を避けて検討した結果とのことである[9]。 なお、本編中の架空の「藤沢市」は『With You 〜みつめていたい〜』の舞台であった「桜見町」へは電車で30分ほどで行けるという設定があり、2つの作品世界のリンクが見られる[9]。本作のヒロインの1人である歩が通うSt.エルシア学園は『With you』の登場人物たちの通う学園でもあり、ここでも世界がリンクしている。 作中で登場するラジオの女性DJ の会話や、画面左上のカレンダーから、時代設定は1999年の一月の回想からスタートしており、本編はその約一年前となる1998年の11月25日から始まっている。 キャラクター設定橋本タカシは、キャラクターのセッティングの方針について「まずは舞台ありきだったので、その場に立てて違和感の無いもの、シンプルで扱い易いキャラを追求しました。」とGetchu.comとのインタビューの中で説明しており、その理由として、奇抜なデザインではなく表情で個性を出すのも面白いと思ったことを挙げている。 インタビューアーから『Piaキャロットへようこそ!!3』(以下:『Piaキャロ3』)と比較してキャラクターの印象が変わったと指摘された際、橋本は『Piaキャロ3』ではシリーズの「元気で華やか」をモットーを重視していたと振り返ったうえで、本作ではあえて逆を狙ったと答えており、従来とは異なるカラリングもその一因だろうとしている[9]。 未緒は主人公の一番側にいる気軽な存在として設定された一方、幼馴染ではありきたりすぎるということで、クラスメイトという関係から始められた[7]。デザインに当たっては、正面顔で映えるようにしたと橋本は振り返っており、小顔に見せるためにシャギーを入れる措置が取られた[7]。 ののかは、一番最初にデザインが確定したものの、内面を肉付けするのに時間がかかったキャラクターでもあり、草薙は当初のイメージから大きく変わってしまったと振り返っている[7]。 美乃は元々ヒロインをからかうお茶目なキャラクターとして設定されていたが、最終的には癒し系のキャラクターに変更された。また、橋本はデザインと原画の両方で最も苦労した分美乃には愛着があると述べ、性格を考慮してツインテールを控えめにしたと振り返っている[7]。 凪沙は、攻略対象の中で唯一主人公よりも年上だったことから、年齢差が実際よりもやや大きくデザインされた[7]。また、凪沙のイベントは、最初に橋本から提出されたイメージイラストをもとにしている[7]。 歩のデザインは第一稿イラストがそのまま使われており、その時イラストに記載されていた設定も採用された[7]。 主人公の悪友である刹那は、草薙が電波系の変態を出したいという提案をもとに生まれたキャラクターであり、最終的には「わけのわからないことを言いつつも、鋭いことを言って周囲をはっとさせる」キャラクターに仕上がった[7]。 関連商品サウンドトラック
ドラマCD
書籍
反響売り上げ・ランキング
本作はGetchu.comが主催する人気投票「美少女ゲーム大賞2018」の複数の部門において20位以内に選ばれた。具体的な順位は右図の通り。
また、Getchu.comでは発売前と発売後でキャラクターの人気投票が行われ、いずれも、1位に歩がランクインした。 脚注注釈出典
外部リンク |
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