ペーパータウン (映画)
『ペーパータウン』(原題:Paper Towns)は2015年に公開されたアメリカ合衆国の青春映画である。監督はジェイク・シュライアー、主演はナット・ウルフとカーラ・デルヴィーニュが務めた。本作はジョン・グリーンが2008年に発表した同名小説を原作としている。なお、本作はグリーンの脚本家デビュー作でもある[4]。 本作は日本国内で劇場公開されなかったが、Amazon・Disney+などで配信が行われている[5]。 ストーリーフロリダ州オーランド。クエンティン・ヤコブセン(Q)はごく普通の高校生だったが、人生で1回だけとても奇妙な体験をしていた。9年前、幼馴染みのマーゴ・シュピーゲルマン―シュピーゲルマン一家はヤコブセン一家の斜向かいに暮らしていた―と一緒に遊んでいたとき、偶然にも自殺した男性の遺体を発見したのである。Qはマーゴにずっと惹かれていたが、そのことを打ち明けられずにいた。というのも、Qが平凡な男子高校生でしかなかったのに対し、マーゴは地元の男子たちの高嶺の花になっていたからである。Qは篤実な人柄ではあったが、特にモテるということもなかった。Qは友人に囲まれていたが、彼ら(ベンやラダー)は皆はみ出し者として知られていた。 ある夜、マーゴが壁をよじ登ってQの部屋にやって来た。Qはマーゴと一緒に深夜の散歩に出かけたが、道中、マーゴの恋人であるジャスの浮気現場を目撃してしまった。浮気相手が友人のベッカであったこともあり、マーゴは大いに憤慨した。そこで、マーゴとQは浮気中の2人に向かってクラッカーをぶっ放した。マーゴの怒りの矛先は友人のレイシーにも向かった。マーゴはレイシーが浮気を見て見ぬ振りをしていたと思い込んでいたのである。当然、マーゴとジャスは破局することになったわけだが、この一件を通して、Qは自分にもマーゴとより親しくなれる可能性があるのではないかと思い始めた。Qは自己啓発の方法を学び、来たるべきチャンスに備えることにした。 翌日から、マーゴは姿を見せなくなり、美少女の失踪事件として地元で噂されるまでに至った。しかし、マーゴには放浪癖があったので、両親はなかなか警察に届け出ようとはしなかった。マーゴの部屋に今までなかったウディ・ガスリーのポスターが貼られているのに気が付いたQは、それがマーゴの行方を示す手掛かりになっているのではないかと思った。そこで、Qはベンやラダーと一緒にマーゴ探しを始めることにした。手始めに、Qはマーゴの妹であるルーシーをプレゼントで買収し、マーゴの自室を隈なく調べる許可を得た。 手掛かりを追うQ一行だったが、マーゴの行方はなかなか掴めなかった。マーゴが使っていた地図から、彼女がアグローにいると確信した一行は2日かけて現地に急行したが、そこにマーゴの姿はなかった。友人たちがマーゴ探しを諦めた後も、Qはたった一人で奔走していたが、そんな彼が辿り着いた真実は余りにも苦いものであった。 キャスト
製作2014年3月24日、ジョン・グリーンは自身のTwitterでナット・ウルフがクエンティン役に起用されたと発表した[6]。9月、カーラ・デルヴィーニュがキャスト入りした[7]。 撮影本作の舞台はフロリダ州オーランドだが、撮影は税制優遇が受けられるノースカロライナ州で行われることになった[8]。また、原作小説にはシーワールドでのシーンがあったが、本作の製作中に同施設でのシャチ虐待疑惑が報じられたため、別の施設でのシーンに変更された[9][10]。 本作の主要撮影は2014年11月3日にノースカロライナ州のシャーロットで始まり、同年12月19日に終了した[11][12][13]。 サウンドトラック2015年7月10日、アトランティック・レコーズは本作のサウンドトラックを発売した[14]。 公開当初、本作は2015年7月31日に全米公開される予定だったが[15]、後に公開日は同年6月19日に変更された[16]。その後、本作と同じくグリーンの小説を映画化した『きっと、星のせいじゃない。』の公開1周年に合わせるべく、本作の全米公開日は6月19日に延期された[17]。2015年3月、20世紀フォックスは本作の全米公開日を同年7月24日に延期すると発表した[18]。 興行収入本作は『ピクセル』や『サウスポー』と同じ週に封切られ、公開初週末に2000万ドル前後を稼ぎ出すと予想され、論者の中には口コミによるさらなるヒットを予測した者がいたが[19][20]、実際の数字はそれを大きく下回るものであった。2015年7月24日、本作は全米3031館で公開され、公開初週末に1265万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場6位となった[21]。この数字は『きっと、星のせいじゃない。』のオープニング興収(4800万ドル)の4分の1強にしかならなかった[22]。 評価映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには131件のレビューがあり、批評家支持率は56%、平均点は10点満点で5.8点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『ペーパータウン』は観客が期待しているほど深くもないし、感動的でもない。しかし、同作には魅力や良質な演技、思慮深さがある。あらゆる年齢の青春映画好きが気にかけるだけの価値はある。」となっている[23]。また、Metacriticには34件のレビューがあり、加重平均値は56/100となっている[24]。なお、本作のCinemaScoreはB+となっている[25]。 出典
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia