ペンタケラトプス
ペンタケラトプス (Pentaceratops) は中生代白亜紀後期の北アメリカに生息した、角竜類に分類される恐竜である。 ペンタケラトプスは約7,600万 - 7,300万年前の間に生き、発見されている標本の大部分は カートランド累層産出である。同時期・同地域にはパラサウロロフス・キルトクリスタトゥス、装盾類のノドサウルス等に加え、肉食ではティラノサウルス科のダスプレトサウルスなどの恐竜が共存していた。 名称学名は古代ギリシャ語で「五本角の顔」を意味する。その由来は、2本のよく発達した上眼窩角と短い一本の鼻角、そして比較的長い2本の頬骨突起である。 形態全長は約8メートル、体重は約5,500キログラムと推定される。 頭部には特徴的な5本の角を具え、骨質のフリルも大型であった。このフリルを含めた頭骨長は3メートルに達する。フリル周囲は波打ち、三角形の突起が多数存在した[1]。
発見と種最初の発見はニューメキシコ州のサン・フアン層でのチャールズ・ヘイゼリアス・スタンバーグによるもので、ヘンリー・フェアフィールド・オズボーンによって1923年に記載された。オズボーンは発見者にちなんで種小名をステルンベルギ sternbergii とした。 ペンタケラトプスのフリルはトリケラトプスのそれよりも巨大で、二つの大きな穴が開いている。 1930年に、カール・ワイマンが二つ目の種、P.フェネストラトゥスを記載したが、これは後の研究で模式種と同一の種であることがわかり、無効名となった。また、2006年にコロラド州で発見された標本も、ペンタケラトプス属に分類されると考えられている。 2011年2月、1941年にニューメキシコ州で発見され、その後1995年に「ペンタケラトプスの『非常に大きな個体』の頭骨」と判定された骨格標本が、再調査の結果、20か所の相違点が発見され、トリケラトプスにも匹敵する体重約7トン弱の新種の大型恐竜である可能性がアメリカのイェール大学所属の古生物学者ニコラス・ロングリッチによって指摘された。この角竜はトリケラトプスの祖先にあたる新種だとしてティタノケラトプスと命名されたが、クリーブランド自然史博物館学芸員のマイケル・ライアンらは、この化石は角竜類の重要な分析の根拠となる縁後頭骨が欠けており、ペンタケラトプスと異種である根拠に乏しいとして現在のところ専門家間でも意見はわかれている[2]。 系統上の位置ペンタケラトプスは角竜類のなかで、後の時代のアンキケラトプスや同じ時代にいたカスモサウルスに非常に類縁が近いと考えられている。さらに、ペンタケラトプスはこれより数百万年後の白亜紀末期に生息していたトロサウルスの先祖である可能性もある。 系統
脚注
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