プルシアンブルーの肖像 (安全地帯の曲)
「プルシアンブルーの肖像」(プルシアンブルーのしょうぞう)は、日本のロックバンドである安全地帯の楽曲。 1986年7月1日にKitty Recordsから11枚目のシングルとしてリリースされた。前作「碧い瞳のエリス」(1985年)よりおよそ9か月ぶりにリリースされたシングルであり、作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二、編曲は安全地帯および星勝が担当している。 本作は玉置主演の映画『プルシアンブルーの肖像』(1986年)の主題歌として使用されたほか、大王製紙「エリス もうはなさない篇」のコマーシャルソングとしても使用された。本作はオリコンシングルチャートにおいては最高位第2位となった[1]。 オリジナル・アルバムには収録されておらず、サウンドトラック『プルシアンブルーの肖像 オリジナル・サウンドトラック』(1986年)にてアルバム初収録となった。ベスト・アルバムにおいては『I Love Youからはじめよう -安全地帯BEST-』(1988年)が初収録となった。 音楽性と歌詞本作はヒット曲となった「ワインレッドの心」(1983年)のリリース以前にすでに原型が制作されており、安全地帯がアマチュア時代に制作した曲は全く売れなかったため、玉置が苦心の末に一気に制作した「ワインレッドの心」、「恋の予感」(1984年)、「碧い瞳のエリス」(1985年)などの楽曲の中の1曲であった[2]。ベスト・アルバム『ALL TIME BEST』(2017年)の楽曲解説では、本作の音楽性に関して「ハードなサウンドに琴線に触れるメロディ、松井五郎によるシンプルな言葉が並ぶサビ」と表現した上で、安全地帯の真骨頂と言える構成であると述べ、シンプルな言葉による歌詞を情熱的にリスナーに聴かせることができるのは、玉置による激しいながらも繊細なボーカルによるものであると主張している[3]。 作詞を担当した松井五郎は当時しばらく玉置と会っておらず、テレビ番組において成田空港を取材陣が押し掛ける中、無言で歩く姿によって久しぶりに玉置の姿を目撃することとなった[4]。その後玉置から連絡を受け、スタジオで松井は玉置と再会、日焼けして元気そうであった玉置に対して松井は近況を訪ねたところ、当時不倫関係にあった石原真理子とは長らく会っていないことを聞き、また玉置が持参したデモテープを聴いた松井は「悲しく激しい旋律」であるとの感想を持った上で本作の作詞を行った[5]。また、B面曲となった「チャイナ・ドレスでおいで」に関しては、当時妻と離婚した玉置が自由な身になったことを受けて、松井は女性関係を茶化した歌として作詞を行った[6]。松井は「男のユーモアの範疇で女性の心理を逆撫でする歌を歌わせたら彼(玉置)の右にでる者はいないだろう」と述べている[7]。 リリース、プロモーション、アートワーク本作は1986年7月1日にKitty Recordsより11枚目のシングルとして7インチレコードにてリリースされた。本作は玉置が初出演した映画『プルシアンブルーの肖像』(1986年)の主題歌として使用されたほか、大王製紙「エリス もうはなさない篇」のコマーシャルソングとしても使用された[8]。同映画の同時上映はチェッカーズ主演の映画『SONG FOR U.S.A.』(1986年)であった[3]。 安全地帯は映画のプロモーションのため、チェッカーズとともにニッポン放送『オールナイトニッポン』(1967年 - )の特別番組を担当することや、フジテレビ系バラエティ番組『オレたちひょうきん族』(1981年 - 1989年)に出演して本作を演奏、当時玉置のものまねをしていたぼんちおさむと共演するなど、これまでにない活動が行われた。またシングル盤のジャケットは、玉置が豹変する同映画でのポスタービジュアルをイラスト化したものであり、映画は玉置の単独出演であるが、ジャケットにおいては他のメンバーも描かれている。1988年12月10日には8センチCDとして再リリースされた[9]。 チャート成績オリコンシングルチャートにおいては最高位第2位、登場週数は13回で売り上げ枚数は23.8万枚となった[1]。 TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』(1978年 - 1989年)では7月17日放送分において第3位で初登場し、KUWATA BANDの「スキップ・ビート」が7月31日から9月4日にかけて6週連続で第1位を獲得したため、8月7日から8月28日にかけて4週連続第2位の結果となった[10]。結果として本作は8週連続でベストテン入りを果たしており、番組出演時は映画撮影の影響もあって玉置はヒゲを生やした姿で登場した[10]。 日本テレビ系音楽番組『歌のトップテン』(1986年 - 1990年)においても最高第2位ながら年間ランキングでは第9位に入り、1984年の「ワインレッドの心」(第3位)、1985年の「悲しみにさよなら」(第1位)に続き、3年連続で年間トップテン入りを果たした。 メディアでの使用
カバー
シングル収録曲
リリース日一覧
収録アルバム
脚注
参考文献
外部リンク |