プエルト・プリンセサ地底河川国立公園
プエルト・プリンセサ地下川国立公園(-ちかせんこくりつこうえん)は、フィリピン諸島の南西にあるパラワン島の洞窟内に流れる地下川を保護する目的で指定された国立公園。州都プエルト・プリンセサからは北へ50kmほどの場所に位置する。1999年、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録。2012年にラムサール条約登録地ともなった[1]。 概要プエルト・プリンセサ地下川は、パラワン島のセント・ポール山地の鍾乳洞内を流れるカバユガン川(Cabayugan River)の一部である。この地下川の流れる鍾乳洞は海に繋がっている。このため地下川の下流部分は潮の干満の影響を受け、独特の生態系を有している。 一帯には石灰岩のカルスト地形のほか、山地、海域、マングローブ、低地の常緑熱帯雨林および淡水湿地などの多様な地形と生態系がある。公園にはフィリピンオウム、タイマイ、アオウミガメ、カラフトアオアシシギ、パラワンコクジャクおよびパラワンツカツクリなど、約15種の固有種の鳥類を含む233種の動物が生息しており、約800種の植物が見られる[1]。 観光2011年に「新・世界七不思議 自然版(The New 7 Wonders of Nature)」の一つに選出され、世界各国から観光客が訪れるようになり、パラワン島観光の目玉の一つとなっている。プエルト・プリンセサ市街から車で約2時間の距離にあるサバン・ボートターミナルから、観光用のボートに乗って地底河川に向かう。以前は、地底河川の入り口まで山道を歩くことができたが、2021年12月に現地を直撃した台風22号(フィリピン名「オデット」)の被害を受け、今は閉鎖されている。港からはエンジン付き6人乗りのボートで地底河川の入口まで行き(片道約15分)、そこで手漕ぎの専用ボートに乗り換えて洞窟内を進んでいく。ツアーで進入できるのは入口から約1.5kmほどだが、海から入る地下河川に広がる神秘的な鍾乳洞という珍しい景観を楽しむことができる。なお、以前はサバンまでの道は未舗装だったが、現在は対面通行できるコンクリート舗装された道が整備されている。 大半の観光客は、プエルト・プリンセサからワゴン車を使ったグループツアーに参加して現地を訪れている。プエルト・プリンセサ市街とサバンを往復するジープニーが1日2往復程度運行されているが、地元住民の交通手段となっており、観光客向きではない。なお、波が高い日は、地下河川入口までのボートが出航できず、観光できないため、ゆとりを持った計画を立てる必要がある。 登録基準この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
脚注
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