ブルーサーマル -青凪大学体育会航空部-
『ブルーサーマル -青凪大学体育会航空部-』(ブルーサーマル あおなぎだいがくたいいくかいこうくうぶ)は、小沢かなによる日本の漫画作品。『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて、2015年6月号から[1]2018年1月号まで連載された[2]。 埼玉県熊谷市にある妻沼滑空場を舞台に、大学の航空部を描いた作品[4][5]。タイトルの「ブルーサーマル」とはスカイスポーツ用語で「雲などを伴わず、目に見えない上昇気流」の意[6]。連載中には、同市の権田酒造[7]や秩父鉄道[8]などとのコラボ企画や熊谷市報の表紙を飾る[9]など地域おこしに用いられた。また、VR映像の作品も登場した。本作は5巻が駆け足展開で終わっており、最後に第一部完という文字が出ている。 2021年11月20日より本作の前日譚となる『ブルーサーマル FIRST FLIGHT』を『LINEマンガ』(LINE Digital Frontier)にて、限定先行配信で連載開始[3]。倉持の恋愛が描かれている[3]。『月刊コミックバンチ』2022年4月号では、読み切り『ブルーサーマル -青い約束-』が掲載された[10][11][12]。 作品背景作者の小沢は大学進学前から少女漫画家として活動し、大学在学時は体育会の航空部にも所属した[6]。卒業後は当時の経験を活かしグライダーの漫画を手掛けたいと考えていたが、一方で漫画家として行き詰まりを感じていた[6]。そこで、これが最後と思い師匠にあたるうめ(小沢高広、妹尾朝子)に相談したところ、「それは是非描いてからにしろ」と後押しされる形で、編集部に企画を持ち込み、3年の構想期間を経て連載に至った[6]。 当初のプロットの段階では、入部から練習の模様をこつこつと描くような玄人向きの内容だったが、読者に受け入れやすいようにフィクションを織り交ぜる形に変更された[6]。小沢によれば、主人公の都留たまきがグライダーを始めるきっかけになったエピソードを描く際、フィクションを織り交ぜる(ひょんなことからグライダーを破損させる事件を起こす)ことには抵抗感があったといい、第1話を読んだ航空部の部員から実際にお叱りを受けたと語っている[6]。なお、第1話から主人公がグライダーで空を飛ぶまでを描いた点について、当時の担当編集者は「主人公がグライダーで初めて空を飛ぶところまでを描かないと読者が入り込めないと思ったからです」と語っており、第1話の読者アンケートは1位を獲得したという[6]。 また、主人公についても当初は「才能のない子が頑張る」努力型として描く希望があったが、「マイナースポーツで主人公が悩んじゃったら読んでもらえない」と助言を受けたため天才型として描くことになった[6]。そのため主人公は作者とは離れた存在となってしまったが、4巻以降はライバルや裏方といった周囲の人々にも焦点を当てる形となり、2017年のインタビューでは「航空部員だけどパイロットとして飛ぶのではなく、いろんな事情があって裏方専門の人もいますが、そういう人は実際にいます。全員を描ききるまで連載を続けていきたいですね」との希望を語っていた[6]。 あらすじ
長崎県出身の都留たまきが青凪大学に入学するところから話が始まる。たまきは高校時代にはバレーボールに熱心に打ち込んでいたが、2年生の時に告白した際に「体育会系女子は恥ずかしい」とフラれたことがきっかけで、大学では脱体育会系女子を目指してテニスサークルに体験参加する。 その最中、グライダーを移送していた体育会航空部の空知大介に誤ってテニスボールをぶつけ、グライダーを破損させてしまう。主将の倉持潤からグライダーの修理費200万円を請求されるが支払えないため、航空部に雑用係として入部することになる。たまきは雑用係として河川敷を走り回っていたが、倉持の気まぐれで彼の操縦するグライダーに同乗することになり、一面に広がる空の青さに引き込まれるのだった。 登場人物青凪大学
阪南館大学
榮桜大学
書誌情報
単行本未収録作品VR映画『ブルーサーマルVR-はじまりの空-』は、上田慎一郎監督による12分間の短編VR作品。出演は小野花梨、水石亜飛夢、田中偉登[13]。公開日は2018年7月5日。配給はVR THEATER、VR CRUISE。自遊空間などで視聴可能[24]。配信時は快活CLUBでも視聴出来たが、現在は配信停止されている[25]。 原作どおり、妻沼滑空場で撮影が行われている。 スタッフ(VR映画)
劇場アニメ
『ブルーサーマル』のタイトルで、2022年3月4日に公開された[16]。 同年2月1日には本作の映画と鈴与グループが、「空」が共通していることによりコラボレートを実現[15]。鈴与グループのコマーシャルにたまきが登場する映画のシーンが使用されている[15]。グループは1995年よりコマーシャルを制作しているが、コラボレートが実施されたのは本作が初である[15]。 スタッフ(劇場アニメ)
主題歌脚注
外部リンク
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