フランベジアフランベジア(framboesia, 英病名:yaws)は、スピロヘータの一属であるトレポネーマ属によって発生する感染症である。トレポネーマ属による疾患には、梅毒、ピンタ、ベジェルなどがある。後記の理由により、森林梅毒や風土性トレポネーマ症とも呼ばれる[1]。梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマ Treponema pallidum と形態学的にも血清学的にも鑑別できない[1]。 2013年の WHO総会での決議66.12の中で、フランベジアは2020年までに根絶するという目標が定められた[2]。 病原体・感染経路Treponema pertenueと呼ばれるトレポネーマであり、同じくトレポネーマによる病気である梅毒の近縁種である(梅毒トレポネーマの亜種(T. pallidum pertenue)として扱われることもある)。したがってトレポネーマに感染しても梅毒と同様にワッセルマン反応に陽性となるが、性感染病ではないため森林梅毒(forest yaw, bush yaw)という別名がついた。正確な感染経路は不明であるが、皮膚と粘膜からの直接的な接触による感染と考えられ、風土病として幼児からの早期の感染が疑われている。梅毒と異なり、血液感染や経胎盤感染は起きない[1]。 同種の病原菌によって生じる感染症、
歴史・分布森林梅毒という名前の通り、フランベジアは高温多湿の地域(森林や沿岸)で衛生状態が劣悪なところに見られる。小児から感染し、大人の抗体反応から分布域では数割の感染既往が推測されている。WHOはラテンアメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアに1,000万人のフランベジア患者がいると推定している。 経過フランベジアの経過は3期に分類されている。潜伏期間は3-4週間
治療感受性のあるアジスロマイシンまたはベンザチン・ペニシリンなどの抗生物質を筋肉注射により投与する[2]。(ただし、梅毒同様に第3期の組織破壊は不可逆である)。抗生物質の使用によりアジア、ラテンアメリカではフランベジアの分布は縮小しつつある。ペニシリンに対するアレルギーを有する場合、ドキシサイクリンを使用する[1]。 ワクチン脚注
出典・脚注
外部リンク
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